社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問69 (ソーシャルワークの基盤と専門職 問6)

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問題

社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問69(ソーシャルワークの基盤と専門職 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

ドルゴフ(Dolgoff, R.)らによって提示された倫理原則に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「ドルゴフ(Dolgoff, R.)ら」とは、2009年にEthical Decisions for Social WorkPractice(8th ed.)を著したドルゴフ、ローウェンバーグ(Loewenberg, F.M.)とハリントン(Harrington, D.)のことである。
  • 平等と不平等に関する倫理原則では、同じ環境に置かれている人には誰に対しても同じように対応しなければならない。
  • プライバシーと守秘義務に関する倫理原則では、全ての人が自らのプライバシーと守秘義務を強化しなければならない。
  • 自律と自由に関する倫理原則では、全ての人々の生活の質を高めるような選択肢を選ばなければならない。
  • 最小限の害に関する倫理原則では、あらゆる人の生活や生命を守らなければならない。
  • 誠実と情報の開示に関する倫理原則では、クライエントへの関連の有無に関係なく、全ての情報を伝えなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題に出てくるドルゴフは7つの倫理原則を示しました。その優先順位も示されています。

選択肢1. 平等と不平等に関する倫理原則では、同じ環境に置かれている人には誰に対しても同じように対応しなければならない。

設問の通り。

同じ環境に置かれている人には誰に対しても同じように対応しなければならず、差別をしないことや、権利を侵害しないことです。
 

選択肢2. プライバシーと守秘義務に関する倫理原則では、全ての人が自らのプライバシーと守秘義務を強化しなければならない。

不適切。

全ての人が「自ら」ではなく、業務上等で知ったプライバシーと守秘義務を強化しなければなりません。

選択肢3. 自律と自由に関する倫理原則では、全ての人々の生活の質を高めるような選択肢を選ばなければならない。

不適切。
全ての人々の生活の質を高めるような選択肢を選ばなければならないとはされていません。自律と自由に関する倫理原則は、他者から見て愚かな行為だとしても自分自身で何をしたいのか決めること(愚行権)ができるということです。

選択肢4. 最小限の害に関する倫理原則では、あらゆる人の生活や生命を守らなければならない。

不適切。
最小限の害に関する倫理原則は、何か危害が起こりそうな場面に遭遇したときには、その被害を最小限にとどめるように行動することです。

選択肢5. 誠実と情報の開示に関する倫理原則では、クライエントへの関連の有無に関係なく、全ての情報を伝えなければならない。

不適切。

何かあった場合には、「必要に応じて」情報を開示を行わなくてはなりません。


 

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02

ドルゴフが提示した7つの倫理原則の優先順位と内容について整理しておきましょう。

 

選択肢1. 平等と不平等に関する倫理原則では、同じ環境に置かれている人には誰に対しても同じように対応しなければならない。

ドルゴフ(Dolgoff,R.)らによって提示された倫理原則は、倫理原則の優先順位を示したものです。平等と不平等に関する倫理原則は、ソーシャルワーカーは、同じ環境に置かれている人には誰に対しても同じように対応しなければならないとしています。

 

選択肢2. プライバシーと守秘義務に関する倫理原則では、全ての人が自らのプライバシーと守秘義務を強化しなければならない。

プライバシーと守秘義務に関する倫理原則では、ソーシャルワーカーが、クライエントの保護や守秘義務を強化しなければならないとされています。

 

選択肢3. 自律と自由に関する倫理原則では、全ての人々の生活の質を高めるような選択肢を選ばなければならない。

自律と自由に関する倫理原則では、ソーシャルワーカーはクライエントの自己決定、自律、自由などを守らなければならないとされています。

選択肢4. 最小限の害に関する倫理原則では、あらゆる人の生活や生命を守らなければならない。

最小限の害に関する倫理原則では、クライエントに危害が及びそうなときには、回避や予防しなければならないとされます。

選択肢5. 誠実と情報の開示に関する倫理原則では、クライエントへの関連の有無に関係なく、全ての情報を伝えなければならない。

誠実と情報の開示に関する倫理原則では、ソーシャルワーカーは誠実にクライエントにすべての情報を伝えなければならないとされています。

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