社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問92 (児童・家庭福祉 問2)

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問題

社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問92(児童・家庭福祉 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、A市子育て支援課が最優先すべき初期対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Bさん(3歳)は、保育所を利用しているが、週1回も登園していない。父親は病気がちで仕事が続かず、母親は精神疾患があり自宅で寝ていることが多いため就労が難しく、家族は経済的に困窮している。Bさんはまだ発語がなく、このまま発育が遅れていくことを保育所は懸念している。Bさんがめずらしく登園した日、何日も入浴していないことに気づいた保育所は、Bさんがいる間にA市の虐待通告窓口にもなっている子育て支援課へ連絡し、ネグレクトの懸念を伝えた。
  • 保育所に児童相談所へ通告するよう、働きかける。
  • 保育所に児童発達支援センターと相談するよう、助言する。
  • 緊急の受理会議を行い、Bさんが保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握する。
  • 児童相談所へ連絡し、一時保護するように要請する。
  • 保育所に父母への生活保護制度の情報提供を依頼する。

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この過去問の解説 (3件)

01

子育て支援課とは、市町村の役所等に設置され、子供の教育や保育に関する業務を行う部署となります。

選択肢1. 保育所に児童相談所へ通告するよう、働きかける。

不適切。
児童虐待の通報受付窓口は、児童相談所だけではなく、市町村、福祉事務所となっています。

選択肢2. 保育所に児童発達支援センターと相談するよう、助言する。

不適切。
児童発達支援センターとは、障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導等や集団生活への適応のための訓練を行う施設となります。

選択肢3. 緊急の受理会議を行い、Bさんが保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握する。

設問の通り。

ネグレクトの可能性があるため、緊急の受理会議を行い、Bさんが保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握するを把握する必要があります。
 

選択肢4. 児童相談所へ連絡し、一時保護するように要請する。

不適切。
現段階では、一時保護を行う必要があるかは確認ができていません。Bさんの心身状況、置かれている状況の確認をまずは行う必要があります。

選択肢5. 保育所に父母への生活保護制度の情報提供を依頼する。

不適切。
Bさんの置かれている環境をまず確認し、必要な対応を取った後に検討することとなります。現段階では、父母への生活保護制度情報を行うことは不適切です。

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02

子育て支援にかかる役割を担うセクションについて整理しておきましょう。

選択肢1. 保育所に児童相談所へ通告するよう、働きかける。

 保育所は既に通告義務を果たしているといえます。

 

選択肢2. 保育所に児童発達支援センターと相談するよう、助言する。

児童発達支援センターは、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練を実施します。

 

 

選択肢3. 緊急の受理会議を行い、Bさんが保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握する。

 Bさんが、保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握します。

 

選択肢4. 児童相談所へ連絡し、一時保護するように要請する。

場合によっては一時保護も必要ですが、現状で最も優先されるのは、状況把握することです。

 

選択肢5. 保育所に父母への生活保護制度の情報提供を依頼する。

父母への生活保護制度の情報提供を行うのはA市子育て支援課の役割です。

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03

児童の安全を守るため、虐待が疑われる場合は通報する必要があります。

選択肢1. 保育所に児童相談所へ通告するよう、働きかける。

✕ A市では子育て支援課が虐待の通告窓口になっているため、児童相談所への通告は子育て支援課が担う事が適切と考えられます。

選択肢2. 保育所に児童発達支援センターと相談するよう、助言する。

✕ 児童発達支援センターは、その地域の障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導や生活に必要な知識・技能の付与または集団生活への適応のための訓練を行う施設です。Bさんは発育の遅れ等も見られていますが、最優先すべき初期対応はネグレクトへの対処となると考えられるため、選択肢の内容は適切な内容とは言えません。

選択肢3. 緊急の受理会議を行い、Bさんが保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握する。

〇 受理会議とは、相談を受け付けたケースについて協議し、主たる担当者、調査および診断の方法、安全確認の時期や方法、一時保護の要否等を検討するものです。現在は保育所からの報告のみしか情報がなく、Bさんに関する正確な状況が掴めていない状況です。登園機会も少ないBさんが保育所にいる間に職員が訪問し、状況把握を行う事でその後の支援内容をより効果的なものにできると考えられるため、適切な内容と言えます。

選択肢4. 児童相談所へ連絡し、一時保護するように要請する。

✕ 現時点では保育所からの情報しか得られておらず、一時保護の必要性について判断する事はできません。より詳細な情報を集める必要があると考えられるため、選択肢の内容は適切とは言えません。

選択肢5. 保育所に父母への生活保護制度の情報提供を依頼する。

✕ 父母が困窮した状態にあると保育所から情報を得ていますが、生活保護の必要性があるかどうかまでは判断できず、保育所に確認させる事も適切とは言えません。また、最優先すべき事項はBさんの安全を確保する事であり、生活保護の申請に結びつける事ではありません。

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