社会保険労務士の過去問
第45回(平成25年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問10
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問題
社労士試験 第45回(平成25年度) 択一式 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
労働保険徴収法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 政府が労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を徴収する権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅するとされているが、この時効には援用を要せず、また、その利益を放棄することができないとされているので、時効成立後に納付義務者がその時効による利益を放棄して徴収金を納付する意思を有しても、政府はその徴収権を行使できない。
- 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を納付しない事業主に対して、期限を指定して督促を行うが、指定された期限までに納付しない事業主からは、指定した期限の翌日から完納の前日までの日数に応じ、所定の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。
- 労働保険料を滞納する事業主に対する所轄都道府県労働局歳入徴収官の督促は、納付義務者に督促状を送付することによって行われるが、督促の法的効果として、「 ① 指定期日までに督促にかかる労働保険料を完納しないときは滞納処分をなすべき旨を予告する効力を有し、滞納処分の前提要件となるものであること」、「 ② 時効中断の効力を有すること」、「 ③ 延滞金徴収の前提要件となること」が挙げられる。
- 事業主は、雇用保険の被保険者が負担すべき労働保険料相当額を被保険者の賃金から控除することが認められているが、この控除は、被保険者に賃金を支払う都度、当該賃金に応ずる額についてのみ行うことができるものとされているので、例えば、月給制で毎月賃金を支払う場合に、1年間分の被保険者負担保険料額全額をまとめて控除することはできない。
- 労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.正しい
基本的に徴収金の徴収に関する事項は2年です。
2.誤り
延滞金は、「納期限の日の翌日」から「完納の日の前日」までの期間について計算されます。
3.正しい
督促の特徴については、設問の通りですので、余裕があったら押さえるといいでしょう。
4.正しい
基本的に保険料はまとめて控除することは認められていません。
5.正しい
先取特権の順位は設問の通りになります。
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02
1 正しい内容です。
時効について、 労働保険徴収法第41条は、「労働保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。」と定めているところです。
また、徴収する権利の時効には援用を要することなく、その利益を放棄することができないとされているので、時効成立後に、納付義務者がその時効による利益を放棄して徴収金を納付するという意思を有したとしても、国側は徴収権を行使できないとされています。
2 間違っています。
延滞金について、労働保険徴収法第28条は、「政府は、前条第一項の規定により労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年十四・六パーセント(当該納期限の翌日から二月を経過する日までの期間については、年七・三パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。」とされています。
設問の事例は、「指定した期限の翌日」となっており、間違いです。
3 正しい内容です。
督促の法的効果について、労働保険徴収法は、第27条3項は、「第一項の規定による督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によつて、これを処分する。」としています。
第41条2項は、「政府が行なう労働保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、民法第百五十三条 の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。」としています。
第28条1項に「政府は、前条第一項の規定により労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。」として、それぞれその効果を明らかにしています。
4 正しい内容です。
賃金からの控除については、労働保険徴収法第32条1項が、「事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、前条第一項又は第三項の規定による被保険者の負担すべき額に相当する額を当該被保険者に支払う賃金から控除することができる。」と定めています。
そのうえで、労働保険徴収法施行規則 第60条1項は、「事業主は、被保険者に賃金を支払う都度、当該賃金に応ずる法第三十一条第三項の規定によつて計算された被保険者の負担すべき一般保険料の額に相当する額(日雇労働被保険者にあつては、当該額及び法第二十二条第一項 の印紙保険料の額の二分の一の額に相当する額)を当該賃金から控除することができる。」として、支払賃金に対応する保険料額の控除を規定しています。
5 正しい内容です。
労働保険徴収法第29条が、「労働保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。」と順位を明記しています。
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03
1.徴収権の消滅時効は、労働保険徴収法(以下「法」と略します)41条1項により定められていますね。
法30条には「労働保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。」とあり、「国税の徴収権の時効には、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない」旨は国税通則法72条2項で定められていますね。
国税を労働保険料と読み替えればいいことになるのです。
2.誤「指定した期限の翌日から」
正「納期限の翌日から」
法28条1項より、起算日は「納期限の翌日から」となっていることに気をつけましょう。
3.督促状を送付することで督促する旨は法27条2項に定められていますね。
督促の法的効果に関しては、1が法27条3項、2が法41条2項、3が法28条に定められていることをおさえましょう。
4.法32条1項・労働保険徴収法施行規則60条1項より、選択肢のように支払賃金に対応する保険料額のみを天引きすることができることになりますね。
5.法29条のとおりですね。
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