社会保険労務士の過去問
第51回(令和元年度)
健康保険法 問9

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社労士試験 第51回(令和元年度) 択一式 健康保険法 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア  被保険者の1週間の所定労働時間の減少により資格喪失した者が、事業所を退職することなく引き続き労働者として就労している場合には、任意継続被保険者になることが一切できない。

イ  任意継続被保険者が、健康保険の被保険者である家族の被扶養者となる要件を満たした場合、任意継続被保険者の資格喪失の申出をすることにより被扶養者になることができる。

ウ  同一の事業所においては、雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合、退職金の支払いの有無又は身分関係若しくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の資格も継続するものであるが、60歳以上の者であって、退職後継続して再雇用されるものについては、使用関係が一旦中断したものとみなし、当該事業所の事業主は、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができる。

エ  3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額(通常の随時改定の計算方法により算出した標準報酬月額。「標準報酬月額A」という。)と、昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に昇給月又は降給月前の継続した12か月及び昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した標準報酬月額(以下「標準報酬月額B」という。)との間に2等級以上の差があり、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合であって、現在の標準報酬月額と標準報酬月額Bとの間に1等級以上の差がある場合は保険者算定の対象となる。

オ  4月、5月、6月における定時決定の対象月に一時帰休が実施されていた場合、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行う。例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行う。

<改題>

健康保険法の改正(令和4年1月1日施行)により、任意継続被保険者の資格喪失事由に「本人希望による保険者への申出」が追加されました。これに伴い元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。

<参考>

  • アとイとウ

  • イとエとオ

  • イとウとエ

  • イとウとオ

  • ウとエとオ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解:(イとウとオ)

ア:誤り
適用除外事由に該当するに至ったために被保険者資格を喪失した者は、他の要件をすべて満たした場合に、任意継続被保険者の資格を取得することができるので、誤りになります。

イ:正しい
※2024年現在は、法改正により「正しい」記述です。

資格喪失事由として、次の一文が追加されました。「任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき」

参考:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/osaka/kikaku/sonota/0225hokaiseishiryo.pdf

ウ:正しい
設問のとおり、正しい内容になります。
なお、設問の取り扱いにおいて、退職事由が定年である必要はありません。また、特別支給の老齢厚生年金の受給権者であるかどうかも問われないものとされています。

エ:誤り
昇給月又は降給月前の継続した「12か月」ではなく「9か月」ですので誤りになります。

オ:正しい
設問のとおり、正しい内容になります。
なお、7月1日の時点で一時帰休の状態が解消していない時は、その休業手当等を含めて定時決定を行うものとされています。

参考になった数16

02

解答:「イとウとオ」が正解です。

 

ア.×

任意継続被保険者となる条件を満たしていれば、適用除外に該当して資格を喪失した労働者も任意継続被保険者になれます。

 

<条件>

資格喪失日の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して2月以上あること。

資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出して申し出すること。

後期高齢者医療制度・船員保険の被保険者でないこと。

 

イ.〇

出題当時の令和元年度時点では、任意継続被保険者は資格喪失の申出による資格喪失はできませんでした。

 

※注意

法改正により、令和4年1月1日以降は任意継続被保険者の資格喪失事由に「本人希望による保険者への申出」が追加されました。そのため、現在は回答が「〇」になります。

<資格喪失事由>

① 資格取得日から2年が経過したとき

② 被保険者が死亡したとき

③ 保険料を納付期日までに納付しなかったとき

④ 一般の被保険者となったとき

⑤ 後期高齢者医療制度・船員保険の被保険者となったとき

⑥ 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を保険者に申し出た場合、申し出が受理された日の属する月の末日が到来したとき(ここが追加)

 

ウ.〇

60歳以上の者は、退職後継続して再雇用される場合、使用関係が一旦中断したものとみなし、事業主は、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができます。

 

エ.×

「降給月前の継続した12か月及び昇給月」ではなく「降給月前の継続した9か月及び昇給月」になります。

 

オ.〇

7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行います。

参考になった数10

03

ア × 適用除外に該当することとなったために資格喪失した場合は、他の要件を満たせば任意継続被保険者になることができます。
(法3条4項)

イ 〇 ※2024年現在は、法改正により「正しい」記述です。

資格喪失事由として、次の一文が追加されました。「任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき」

参考:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/osaka/kikaku/sonota/0225hokaiseishiryo.pdf

ウ 〇 設問のとおりです。使用関係が一旦中断したものとみなして被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができます。
(平成25年保保発0125第1号)

エ × 昇給月又は降給月前の継続した12か月ではなく、昇給月又は降給月前の継続した9か月です。
(法43条1項、44条1項、平成30年保保発0301第1号)

オ 〇 設問のとおりです。標準報酬月額決定の際に既に一時帰休の状況が解消している場合(7月1日時点で一時帰休の状態が解消している場合)は、定時決定を行う年の9月以降において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定します。よって、設問の場合は6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の決定を行います。
(法41条1項、44条1項、昭和50年保険発25号・庁保険発8号)

参考になった数10