社会保険労務士の過去問
第52回(令和2年度)
国民年金法 問5
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
社労士試験 第52回(令和2年度) 択一式 国民年金法 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 60歳以上65歳未満の期間に国民年金に任意加入していた者は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることは一切できない。
- 保険料全額免除期間とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって、法定免除、申請全額免除、産前産後期間の保険料免除、学生納付特例又は納付猶予の規定による保険料を免除された期間(追納した期間を除く。)を合算した期間である。
- 失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者に係る遺族基礎年金の支給に関し、死亡とみなされた者についての保険料納付要件は、行方不明となった日において判断する。
- 老齢基礎年金の受給権者であって、66歳に達した日後70歳に達する日前に遺族厚生年金の受給権を取得した者が、70歳に達した日に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合には、遺族厚生年金を支給すべき事由が生じた日に、支給繰下げの申出があったものとみなされる。
- 第3号被保険者であった者が、その配偶者である第2号被保険者が退職し第2号被保険者でなくなったことにより第3号被保険者でなくなったときは、その事実があった日から14日以内に、当該被扶養配偶者でなくなった旨の届書を、提出しなければならない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
60歳以上65歳未満の間に国民年金に任意加入していた者でも、老齢基礎年金の繰下げの要件を満たせば繰下げの申出をすることができます。
2.誤
産前産後期間の保険料免除の規定により保険料を免除された期間は、「保険料全額免除期間」ではなく「保険料納付済期間」です。
3.誤
遺族基礎年金の保険料納付要件は死亡日の前日でみます。
失踪宣告の場合の死亡日は行方不明となった日とするため、保険料納付要件は「行方不明となった日の前日」において判断します。
4.正
設問のとおりです。
66歳に達した日以後70歳に達する日前に他の年金たる給付の受給権者と遺族厚生年金の受給権者となった者については、他の年金たる給付(遺族厚生年金)を支給すべき事由が生じた日に、老齢基礎年金の繰下げの申出があったものとみなします。
5.誤
「被扶養配偶者非該当届」は、「第3号被保険者の収入が基準額以上に増加し、扶養から外れた場合」や「離婚した場合」に必要で第3号被保険者であった者が、その配偶者である第2号被保険者が退職等により第3号被保険者となった場合は不要です。
参考になった数18
この解説の修正を提案する
02
国民年金制度は、簡単にいうとほぼ全員にあてはまりうる制度であり、自身がどの区分に該当し、またどのライフステージや親族の状況によって、どんな対応をしないといけないか、その結果としてどのような給付を受けられるか、をいわゆる「点」ではなく「線」の知識として順次修得していき、それをまた実経験と結び付けていくことで、確固となる知識としていけるとよいでしょう。
また、少子高齢化のさらなる進行に伴い、特に給付面での金額・年齢要件の変更は今後とも十分考えられるので、法律改正情報に留意しておくとよいでしょう。
誤った記述です。
一例ですが、60歳に到達した時点で老齢基礎年金を満額受給できない人が、満額となるまで任意加入する場合などの人は、所定の時期に支給繰下げの申し出をすることは可能ですので、「一切」できないとする本設問文は誤りだと判断が可能です。
このように、本筋ではない考え方ではありますが、設問文の中に「一切」「必ず」という表現があった場合には、それを反証する事例を1つでも見つけられれば、当該設問文を誤りだと判断ができますので、留意しておくとよいでしょう。
誤った記述です。
設問分の例示のうち、「産前産後期間の保険料免除」期間については、保険料「納付済」期間とされます。
特に少子(高齢)化の状況にあって、産前産後期間においては安心して出産・育児に専念できるよう、このような保険料納付済とする規定があるものと理解しておくとよいでしょう。
誤った記述です。
本設問文の場合、行方不明となった日「の前日」において判断されます。
行方不明となった当日は、当該行方不明になった人の保険料納付意思を確認できない状況にあり、行方不明当日における判断は不適当であろう(前日の状況で納付状況とその意思を判断すべき)と判断できればよいと筆者は考えます。
また、同様のことは「死亡」に関してもあてはまり、遺族年金の支給にかかる保険料納付要件は、死亡日「の前日」において判断される点を、あわせて理解しておくとよいでしょう。
令和2年度の出題時には正しい記述でした。
本稿執筆時点(令和5年)では、老齢基礎年金の支給繰下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられたため(令和4年法改正により)、本設問文のまま「70歳」に達した日に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合でも、そのまま本設問文後半にある遺族厚生年金の支給繰下げのみなしがなされる規定にはなっていません。
このような年金受給にかかる年齢要件は、今後とも変わりうるので、法改正に留意しておくとよいでしょう。
誤った記述です。
扶養する第2号被保険者の退職に伴い第3号被保険者に該当しなくなる点にかかる、届書(被扶養配偶者非該当届)の提出は必要ありません。
当該第2号被保険者の退職にかかる各種届出をもとに、第3号被保険者の資格喪失を認識可能であり、また当該被扶養配偶者が例えば第1号被保険者になるのであれば、当該資格取得届の提出を行うことになるので、被扶養配偶者非該当にかかる届出は(あえて)不要と整理されたと理解しておくとよいでしょう。
参考になった数10
この解説の修正を提案する
03
「老齢基礎年金の受給権者であって・・・」が正解です。
×
60歳以上65歳未満で任意加入被保険者だった者も、要件に該当すれば老齢基礎年金の支給繰下げの申出ができます。
×
産前産後の保険料免除期間は「保険料納付済期間」に該当します。
×
失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者の遺族基礎年金に係る保険料納付済要件は、行方不明となった日の「前日」において判断されます。
〇
老齢基礎年金の支給繰下げは66歳に達した日後70歳に達する日前に他の年金給付の受給権者となった場合は「他の年金たる給付を支給すべき事由が生じた日」に繰下げ申出があったものとみなされます。
そのため、設問の者は「遺族厚生年金」を支給すべき事由が生じた日に支給繰下げの申出があったものとみなされます。
×
配偶者である第2号被保険者が退職して第3号被保険者でなくなったときは、設問の「被扶養配偶者非該当届」は不要です。
「被扶養配偶者非該当届」は第3号被保険者が以下の事由に該当し実態は第1号被保険者に該当するのに届出を行わなかったため第3号被保険者のままになっていて年金記録が不整合になることを防ぐためにできた制度で以下の事由に該当した場合に届出が必要です。
(1)第3号被保険者の収入が基準額以上に増加した場合
(2)離婚した場合
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問4)へ
第52回(令和2年度)問題一覧
次の問題(問6)へ