社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
労働者災害補償保険法 問4

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問題

社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

心理的負荷による精神障害の認定基準(令和2年5月29日付け基発0529第1号)の業務による心理的負荷評価表の「平均的な心理的負荷の強度」の「具体的出来事」の1つである「上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」の、「心理的負荷の強度を『弱』『中』『強』と判断する具体例」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。
  • 人格や人間性を否定するような、業務の目的を逸脱した精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。
  • 他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。
  • 治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「強」になるとされている。
  • 「上司等」には、同僚又は部下であっても業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合も含む。

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この過去問の解説 (3件)

01

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

心理的負荷による精神障害の認定基準に関する問です。

発言の中に人格を否定するようなものを含み、かつ継続してなされた場合は、心理的負荷の総合評価は「強」とされます。「その行為が反復・継続していない場合」がキーワードです。

以下に具体例が出ています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf

【「強」になる例】

・仕事上の差別、不利益取扱いの程度が著しく大きく、人格を否定するようなものであっ

て、かつこれが継続した

【「中」である例】

・非正規社員であるとの理由、又はその他の理由により、仕事上の差別、不利益取扱いを受けた

・ 業務の遂行から疎外・排除される取扱いを受けた

選択肢2. 人格や人間性を否定するような、業務の目的を逸脱した精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

1のURLが参考になります。「その行為が反復・継続していない場合」がキーワードです。

【「強」である例】

・部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性

を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた

・同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われ

・治療を要する程度の暴行を受けた

【「中」になる例】

・ 上司の叱責の過程で業務指導の範囲を逸脱した発言があったが、これが継続していない

・ 同僚等が結託して嫌がらせを行ったが、これが継続していない

選択肢3. 他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

その行為が反復・継続していない場合」がキーワードです。

選択肢4. 治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「強」になるとされている。

この場合は「中」です。会社が事実を認識し放置する、行為が反復・継続していない、がキーワードになります。

治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「強」になるとされている。

選択肢5. 「上司等」には、同僚又は部下であっても業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合も含む。

上司のみではなく、同僚や部下を含みその者の協力が得られないと業務が円滑に行われない者を含みます。

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02

1 設問のとおり正しいです。

人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされています。

2 設問のとおり正しいです。

人格や人間性を否定するような、業務の目的を逸脱した精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされています。

3 設問のとおり正しいです。 

他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされています。

4 誤りです。

治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「中」になるとされています。

5 設問のとおり正しいです。

「上司等」には、同僚又は部下であっても業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合も含まれます。

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03

解答:「治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「強」になるとされている。」が正解です。

選択肢1. 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が、反復・継続していない場合は心理的負荷の程度は「中」になります。

選択肢2. 人格や人間性を否定するような、業務の目的を逸脱した精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

人格や人間性を否定するような、業務の目的を逸脱した精神的攻撃が、反復・継続していない場合は心理的負荷の程度は「中」になります。

選択肢3. 他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

〇 

他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃が、反復・継続していない場合は心理的負荷の程度は「中」になります。

選択肢4. 治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「強」になるとされている。

×

治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が、反復・継続していない場合は心理的負荷の程度は「中」になります。

選択肢5. 「上司等」には、同僚又は部下であっても業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合も含む。

「上司等」には、業務上必要な知識や豊富な経験を有し、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合においては「同僚又は部下」も含みます。

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