社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
雇用保険法 問9

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問題

社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 雇用保険法 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

労働保険事務組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 労働保険事務組合は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労働保険事務の処理の委託をしている事業主ごとに雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければならない。
  • 労働保険徴収法第33条第1項に規定する事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外の事業主であっても、労働保険事務の処理を委託することが必要であると認められる事業主は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。
  • 保険給付に関する請求書等の事務手続及びその代行、雇用保険二事業に係る事務手続及びその代行、印紙保険料に関する事項などは、事業主が労働保険事務組合に処理を委託できる労働保険事務の範囲に含まれない。
  • 労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業場の所在地を管轄する行政庁が、当該労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する行政庁と異なる場合、当該事業場についての一般保険料の徴収は、労働保険事務組合の主たる事務所の所在地の都道府県労働局歳入徴収官が行う。
  • 労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があったときは、委託を受けた日の翌日から起算して14日以内に、労働保険徴収法施行規則第64条に定める事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

解答:「労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があったときは、委託を受けた日の翌日から起算して14日以内に、労働保険徴収法施行規則第64条に定める事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。」が正解です。

選択肢1. 労働保険事務組合は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労働保険事務の処理の委託をしている事業主ごとに雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければならない。

労働保険事務組合は、事業主ごとの雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければなりません。

選択肢2. 労働保険徴収法第33条第1項に規定する事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外の事業主であっても、労働保険事務の処理を委託することが必要であると認められる事業主は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。

事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外の事業主であっても、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができます。

選択肢3. 保険給付に関する請求書等の事務手続及びその代行、雇用保険二事業に係る事務手続及びその代行、印紙保険料に関する事項などは、事業主が労働保険事務組合に処理を委託できる労働保険事務の範囲に含まれない。

〇 

「保険給付に関する請求書等の事務手続及びその代行」「雇用保険二事業に係る事務手続及びその代行」「印紙保険料に関する事項」は、労働保険事務組合に処理を委託できる労働保険事務の範囲に含まれません。

選択肢4. 労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業場の所在地を管轄する行政庁が、当該労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する行政庁と異なる場合、当該事業場についての一般保険料の徴収は、労働保険事務組合の主たる事務所の所在地の都道府県労働局歳入徴収官が行う。

労働保険事務組合と、処理を委託している事業場の所在地を管轄する行政庁が異なる場合は、「労働保険事務組合の主たる事務所」がある都道府県労働局歳入徴収官が行います。

選択肢5. 労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があったときは、委託を受けた日の翌日から起算して14日以内に、労働保険徴収法施行規則第64条に定める事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

×

労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があったときは「遅滞なく」届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければなりません。

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02

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 労働保険事務組合は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労働保険事務の処理の委託をしている事業主ごとに雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければならない。

労働保険事務組合の帳簿の備え付けに関する問です。尚、一、二は3年間、三は4年間の保存義務があります。

(帳簿の備付け)

第六十八条 法第三十六条の規定により労働保険事務組合が備えておかなければならない帳簿は、次のとおりとする。

一 労働保険事務の処理を委託している事業主ごとに次に掲げる事項を記載した労働保険事務等処理委託事業主名簿

二 労働保険事務の処理の委託をしている事業主ごとに次に掲げる事項を記載した労働保険料等徴収及び納付簿

三 雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあつては、労働保険事務の処理の委託をしている事業主ごとに次に掲げる事項を記載した雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿

選択肢2. 労働保険徴収法第33条第1項に規定する事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外の事業主であっても、労働保険事務の処理を委託することが必要であると認められる事業主は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。

事業主の団体又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外で、労働保険事務の処理を委託することが必要と認められる事業主も範囲に含まれます。委託しないと労働保険への加入事務負担が軽減できる事業主とされ、一時的に300人を超えても常態としていなければよく、仕様労働者数は事業場単位ではなく、企業単位(事業主が使用する労働者数でみる)です。

(労働保険事務組合)

第三十三条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三条の事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であつて代表者の定めがないものを除く。以下同じ。)は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主その他厚生労働省令で定める事業主(厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、この章の定めるところにより、これらの者が行うべき労働保険料の納付その他の労働保険に関する事項(印紙保険料に関する事項を除く。以下「労働保険事務」という。)を処理することができる。

その他厚生労働省令で定める事業主については以下が参照できます。

(委託事業主の範囲)

第六十二条 法第三十三条第一項の厚生労働省令で定める事業主は、同項に規定する事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外の事業主であつて、当該事業主に係る労働保険事務の処理を当該事業主の団体又はその連合団体に委託することが必要であると認められるものとする。

2 法第三十三条第一項の厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主は、常時三百人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については百人)を超える数の労働者を使用する事業主とする。

選択肢3. 保険給付に関する請求書等の事務手続及びその代行、雇用保険二事業に係る事務手続及びその代行、印紙保険料に関する事項などは、事業主が労働保険事務組合に処理を委託できる労働保険事務の範囲に含まれない。

委託業務の範囲に関する問です(平12.3.31発労徴31号)。

委託できない労働保険事務として、ざっくりと以下のものです。

①印紙保険料に関するもの

②労災の保険給付及び特別支給金に関するもの

③雇用保険の保険給付に関するもの

④雇用保険二事業に関するもの

選択肢4. 労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業場の所在地を管轄する行政庁が、当該労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する行政庁と異なる場合、当該事業場についての一般保険料の徴収は、労働保険事務組合の主たる事務所の所在地の都道府県労働局歳入徴収官が行う。

管轄の特例に関する問です(則69条)。労働保険事務組合の主たる事業所の所在地を管轄する行政庁が取り扱います。

第六十九条 労働保険事務組合にその処理を委託された労働保険事務(雇用保険法施行規則第一条の雇用保険に関する事務を除く。)については、当該労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長及び公共職業安定所長並びに都道府県労働局労働保険特別会計歳入徴収官(労働保険事務組合であつて、事業主から処理を委託される労働保険事務が労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち法第三十九条第一項の規定に係る事業及び労災保険法第三十五条第一項の承認に係る団体(以下「労災二元適用事業等」という。)のみに係るものについては、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長及び労働基準監督署長並びに都道府県労働局労働保険特別会計歳入徴収官)を、それぞれ、所轄都道府県労働局長及び所轄公共職業安定所長並びに所轄都道府県労働局歳入徴収官(労働保険事務組合であつて、事業主から処理を委託される労働保険事務が労災二元適用事業等のみに係るものについては、所轄都道府県労働局長及び所轄労働基準監督署長並びに所轄都道府県労働局歳入徴収官)とする。

選択肢5. 労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があったときは、委託を受けた日の翌日から起算して14日以内に、労働保険徴収法施行規則第64条に定める事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

遅滞なく・・提出しなくてはなりません(則64条)。

(委託等の届出)

第六十四条 労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があつたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託があったときは、委託を受けた日の翌日から起算して14日以内に、労働保険徴収法施行規則第64条に定める事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

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03

正解:5

1:設問の通りです(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第68条第1項第3号)。

2:設問の通りです(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第62条第1項)。

 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第62条第1項により「事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主『以外の』事業主」であっても、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができることになっています。

3:設問の通りです(「「徴収関係事務取扱手引Ⅰ(徴収・収納)」の改訂について」(平成15年3月21日付基発第0331002号))。

 労働保険事務組合が処理できる労働保険事務の範囲はおおむね以下のものがあります。①概算保険料、確定保険料などの申告及び納付に関する事務、②保険関係成立届、任意加入の申請、雇用保険の事業所設置届の提出等に関する事務、③労災保険の特別加入の申請等に関する事務、④雇用保険の被保険者に関する届出等の事務、⑤その他労働保険についての申請、届出、報告に関する事務。この中には、(A)印紙保険料に関するもの、(B)労災の保険給付及び特別支給金に関するもの、(C)雇用保険の保険給付に関するもの、(D)雇用保険二事業に関するもの、などが含まれていません。

4:設問の通りです(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第69条)。

5:「委託を受けた日の翌日から起算して14日以内に」ではなく「遅滞なく」になります(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第64条)。

以上より誤っている選択肢は5で、これが正解となります。

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