社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
健康保険法 問7
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問題
社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 健康保険法 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 健康保険組合は、組合債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならないが、組合債の金額の変更(減少に係る場合に限る。)又は組合債の利息の定率の変更(低減に係る場合に限る。)をしようとするときは、この限りではない。
- 出産育児一時金の受取代理制度は、被保険者が医療機関等を受取代理人として出産育児一時金を事前に申請し、医療機関等が被保険者に対して請求する出産費用の額(当該請求額が出産育児一時金として支給される額を上回るときは当該支給される額)を限度として、医療機関等が被保険者に代わって出産育児一時金を受け取るものである。
- 指定訪問看護事業者の指定を受けようとする者は、当該指定に係る訪問看護事業の開始の予定年月日等を記載した申請書及び書類を当該申請に係る訪問看護事業を行う事業所の所在地を管轄する地方厚生局長等に提出しなければならないが、開始の予定年月日とは、指定訪問看護の事業の業務開始予定年月日をいう。
- 被保険者が分娩開始と同時に死亡したが、胎児は娩出された場合、被保険者が死亡したので出産育児一時金は支給されない。
- 保険者等(被保険者が全国健康保険協会が管掌する健康保険の任意継続被保険者である場合は全国健康保険協会、被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合は当該健康保険組合、これら以外の場合は厚生労働大臣をいう。)は、被保険者に関する保険料の納入の告知をした後に告知をした保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったとき、又は納付した被保険者に関する保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったときは、その超えている部分に関する納入の告知又は納付を、その告知又は納付の日の翌日から6か月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
解答:「被保険者が分娩開始と同時に死亡したが、胎児は娩出された場合、被保険者が死亡したので出産育児一時金は支給されない。」が正解です。
〇
正しいです。
また、組合債の金額の変更(減少に係る場合に限る。)又は組合債の利息の定率の変更(低減に係る場合に限る。)をしようとするときは、「軽微な変更」に当たりますので遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければなりません。
〇
出産育児一時金の受取代理制度は、医療機関等が被保険者に代わって出産育児一時金を受け取る制度です。
〇
指定訪問看護事業者の指定を受けようとする者は、地方厚生局長等に申請書の提出が必要です。
×
被保険者が分娩開始時は生存していますので、胎児が娩出された場合、被保険者が死亡したとしても出産育児一時金は支給されます。
〇
保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったとき、又は納付した被保険者に関する保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったときは、その超えている部分に関する納入の告知又は納付を、その告知又は納付の日の翌日から6か月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなします。
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02
解説は以下のとおりです。
正
大正十五年勅令第二百四十三号健康保険法施行令 令22条からの出題です。
(組合債)
第二十二条 健康保険組合は、組合債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。ただし、厚生労働省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
2 健康保険組合は、前項ただし書の厚生労働省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
正
出産育児一時金の受取代理制度の規定の問です。
「出産育児一時金等の受取代理制度」実施要綱 平成23年1月31日制定平成27年1月1日改正
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000075017.pdf
正
保険医療機関等の指定、保険医等の登録等、指定訪問看護事業者の指定等は厚生労働大臣の権限は地方厚生局長等に委任されています。
(指定訪問看護事業者に係る指定の申請)
第七十四条 法第八十八条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書及び書類を当該申請に係る訪問看護事業を行う事業所の所在地を管轄する地方厚生局長等に提出しなければならない。(中略)
三 当該指定に係る訪問看護事業の開始の予定年月日
誤
分娩は被保険者の生存中に開始され、分娩完了前に死亡しています。死亡の当日は被保険者としての資格を有するため、出産一時金は支給されます。S8.3.14保規61
被保険者が分娩開始と同時に死亡したが、胎児は娩出された場合、被保険者が死亡したので出産育児一時金は支給されない。
正
保険料の納付期限に関する問です。
(保険料の納付)
第百六十四条 被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。ただし、任意継続被保険者に関する保険料については、その月の十日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)までとする。
2 保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の任意継続被保険者である場合は協会、被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合は当該健康保険組合、これら以外の場合は厚生労働大臣をいう。次項において同じ。)は、被保険者に関する保険料の納入の告知をした後に告知をした保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったとき、又は納付した被保険者に関する保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったときは、その超えている部分に関する納入の告知又は納付を、その告知又は納付の日の翌日から六月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる。
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03
解説は以下の通りです。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法施行令第22条,健康保険法施行規則第11条
【ポイント・考え方】
設問文のとおり、変更については原則として認可をうける必要があるが、それが軽微な場合は認可をうける必要がない場合がある点を、理解しておくとよいでしょう。
なお、認可をうける必要がない場合でも、届出が必要な場合はあります。
【学習・実務でのワンポイント】
本設問文の学習は、実務でも触れる機会が少ないと考えられるので、優先度を下げてもよいと筆者は考えています。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】平成23年1月31日保発0131第2号
【ポイント・考え方】
通常は、被保険者が医療機関に出産にかかる費用を支払った後に、出産育児一時金を受け取ることになります。
その際、出産にかかる費用は、数十万といった単位の額になるので、一時的に支払いが困難となる場合を考慮し、設問文のような規定があると理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
このような被保険者に対する金銭面での融通にかかる規定は、実生活でも役に立つので、ぜひ学習しておきましょう。
なお、この制度が使用できない医療機関がある点も留意しておくとよいでしょう。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法施行規則第74条1項3号,令和2年3月5日保発0305第5号
【ポイント・考え方】
設問文のとおり理解しておきましょう。
【学習・実務でのワンポイント】
設問文のような指定や届出を行う場合の書類等の提出先は、通常はその事業所の所在地を管轄する機関となる点は、各種法令で共通的な事項であり、理解しておくとよいでしょう。
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】健康保険法第101条,昭和8年3月14日保規61号
【ポイント・考え方】
出産育児一時金の支給要件は「分娩」であるので、被保険者が死亡した場合でも分娩の実態があれば支給されると理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
上記ポイントを簡単に押さえておけばよいでしょう。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法第164条2項
【ポイント・考え方】
設問文のような場合、その払い戻し・再納付等の手間を削減するため、このような規定があると理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
保険料以外に、保険給付においても、同様に払い戻し・返還等の手間を削減するため、別目的の支給要件の内払いとみなす規定があるので、あわせて整理しておくとよいでしょう。
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