社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
厚生年金保険法 問3
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問題
社労士試験 第55回(令和5年度) 選択式 厚生年金保険法 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文中の( C )の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1.厚生年金保険法第100条の9の規定によると、同法に規定する厚生労働大臣の権限(同法第100条の5第1項及び第2項に規定する厚生労働大臣の権限を除く。)は、厚生労働省令(同法第28条の4に規定する厚生労働大臣の権限にあっては、政令)で定めるところにより、( A )に委任することができ、( A )に委任された権限は、厚生労働省令(同法第28条の4に規定する厚生労働大臣の権限にあっては、政令)で定めるところにより、( B )に委任することができるとされている。
2.甲は20歳の誕生日に就職し、厚生年金保険の被保険者の資格を取得したが、40代半ばから物忘れによる仕事でのミスが続き、46歳に達した日に退職をし、その翌日に厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した。退職した後、物忘れが悪化し、退職の3か月後に、当該症状について初めて病院で診察を受けたところ、若年性認知症の診断を受けた。その後、当該認知症に起因する障害により、障害認定日に障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあると認定された。これにより、甲は障害年金を受給することができたが、障害等級2級に該当する程度の障害の状態のまま再就職することなく、令和5年4月に52歳で死亡した。甲には、死亡の当時、生計を同一にする50歳の妻(乙)と17歳の未婚の子がおり、乙の前年収入は年額500万円、子の前年収入は0円であった。この事例において、甲が受給していた障害年金と乙が受給できる遺族年金をすべて挙げれば、( C )となる。
3.令和Ⅹ年度の年金額改定に用いる物価変動率がプラス0.2%、名目手取り賃金変動率がマイナス0.2%、マクロ経済スライドによるスライド調整率がマイナス0.3%、前年度までのマクロ経済スライドの未調整分が0%だった場合、令和Ⅹ年度の既裁定者(令和Ⅹ年度が68歳到達年度以後である受給権者)の年金額は、前年度から( D )となる。なお、令和Ⅹ年度においても、現行の年金額の改定ルールが適用されているものとする。
4.厚生年金保険法第67条第1項の規定によれば、配偶者又は子に対する遺族厚生年金は、その配偶者又は子の所在が( E )以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子又は配偶者の申請によって、その所在が明らかでなくなったときにさかのぼって、その支給を停止する。
1.厚生年金保険法第100条の9の規定によると、同法に規定する厚生労働大臣の権限(同法第100条の5第1項及び第2項に規定する厚生労働大臣の権限を除く。)は、厚生労働省令(同法第28条の4に規定する厚生労働大臣の権限にあっては、政令)で定めるところにより、( A )に委任することができ、( A )に委任された権限は、厚生労働省令(同法第28条の4に規定する厚生労働大臣の権限にあっては、政令)で定めるところにより、( B )に委任することができるとされている。
2.甲は20歳の誕生日に就職し、厚生年金保険の被保険者の資格を取得したが、40代半ばから物忘れによる仕事でのミスが続き、46歳に達した日に退職をし、その翌日に厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した。退職した後、物忘れが悪化し、退職の3か月後に、当該症状について初めて病院で診察を受けたところ、若年性認知症の診断を受けた。その後、当該認知症に起因する障害により、障害認定日に障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあると認定された。これにより、甲は障害年金を受給することができたが、障害等級2級に該当する程度の障害の状態のまま再就職することなく、令和5年4月に52歳で死亡した。甲には、死亡の当時、生計を同一にする50歳の妻(乙)と17歳の未婚の子がおり、乙の前年収入は年額500万円、子の前年収入は0円であった。この事例において、甲が受給していた障害年金と乙が受給できる遺族年金をすべて挙げれば、( C )となる。
3.令和Ⅹ年度の年金額改定に用いる物価変動率がプラス0.2%、名目手取り賃金変動率がマイナス0.2%、マクロ経済スライドによるスライド調整率がマイナス0.3%、前年度までのマクロ経済スライドの未調整分が0%だった場合、令和Ⅹ年度の既裁定者(令和Ⅹ年度が68歳到達年度以後である受給権者)の年金額は、前年度から( D )となる。なお、令和Ⅹ年度においても、現行の年金額の改定ルールが適用されているものとする。
4.厚生年金保険法第67条第1項の規定によれば、配偶者又は子に対する遺族厚生年金は、その配偶者又は子の所在が( E )以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子又は配偶者の申請によって、その所在が明らかでなくなったときにさかのぼって、その支給を停止する。
- 0.1%の引下げ
- 0.2%の引下げ
- 0.5%の引下げ
- 1か月
- 1年
- 3か月
- 3年
- 国税庁長官
- 財務大臣
- 市町村長
- 障害基礎年金、遺族基礎年金
- 障害基礎年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金
- 障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金
- 障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金
- 据置き
- 地方厚生局長
- 地方厚生支局長
- 都道府県知事
- 日本年金機構理事長
- 年金事務所長
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この過去問の解説 (3件)
01
障害厚生年金と遺族厚生年金の支給要件に関する事例問題です。
障害厚生年金の支給を受けるためには、次の要件をすべて満たさなければなりません。
①初診日において被保険者であること(初診日要件)
②障害認定日において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあること(障害認定日要件)
③初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間がある場合は、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上であること(保険料納付要件)
本問の甲は、初診日において被保険者ではないことから、初診日要件を満たさず、障害厚生年金の支給を受けることはできません。
また、遺族厚生年金の支給を受けるためには、死亡日要件として、次の①~④のいずれかを満たす必要があります。
①被保険者が死亡したとき
②被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき
③障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
④老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が死亡したとき
本問の甲は、20歳から46歳までの26年間、厚生年金保険の被保険者であったことから、上記④のうち「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者」に該当するため、死亡日要件を満たし、遺族である妻(乙)には、遺族厚生年金が支給されます。
したがって、甲は障害厚生年金の支給を受けることができず、乙は遺族厚生年金の支給を受けることができることから、正しい選択肢は「障害基礎年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金」です。
なお、障害基礎年金及び遺族基礎年金については、すべての選択肢に含まれているため、本問を解くにあたっての検討は不要です。
事例問題を解くにあたっては、基礎的な知識が重要となります。
事例を知識に当てはめ、正誤判断をするようにしましょう。
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02
受給できる年金の種類についての事例問題です。この問題は時系列の順に、甲がどの被保険者であるかを整理することができるかがポイントといえます。また、それぞれの年金の受給要件をしっかり理解していないと引っかかってしまうこともありますので、しっかり整理しておきましょう。
時系列の順の整理していきますと、以下の通りになります。
・20歳の誕生日に就職⇒厚生年金保険の被保険者
・46歳に退職⇒国民年金の第1号被保険者
・退職の3か月後に初めて若年性認知症の診断を受ける⇒障害年金の初診日
・障害認定日に障害等級2級と診断⇒2級の障害年金の受給要件を満たす
・52歳で死亡⇒残された遺族である妻と子が遺族年金の受給要件を満たす
【ポイント」
1.退職して3か月後に初めて病院で診察を受けているため、厚生年金保険の被保険者ではなく、国民年金の第1号被保険者の時に初診日があるということ
⇒これにより、障害厚生年金の受給要件は満たしていないことになるため、障害年金は障害基礎年金のみが受給できる可能性がある事になります。
2.死亡当時の遺族が妻と子(17歳)であることから、遺族年金は遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を受給できるということ
⇒甲さんが死亡した時点で子が17歳であるため、妻は「子のある配偶者」に該当するため、遺族基礎年金の受給権者となります。また、甲さんは20歳から46歳までの26年間、厚生年金保険の被保険者であったことから、遺族厚生年金の死亡した者の要件を満たしていることになります。
以上のことより、甲が受給していた障害年金は「障害基礎年金」、乙が受給できる遺族年金は「遺族基礎年金と遺族厚生年金」となります。
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03
正しいものは「障害基礎年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金」です。
これは、事例問題ですので難しいでしょう。
選択肢は
「障害基礎年金、遺族基礎年金 」
「障害基礎年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金 」
「障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金 」
「障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金、遺族厚生年」
ですが、まず障害基礎年金が受給できることが出来ますので遺族給付として何が受給できるかという点ですが、甲には、死亡の当時、生計を同一にする50歳の妻(乙)と17歳の未婚の子がおり、乙の前年収入は年額500万円、子の前年収入は0円であった。
とありますので妻乙は子のある配偶者で生計維持要件がありますので遺族基礎年の受給権が発生します。
さらに死亡した甲は20歳の誕生日に就職し,46歳に達した日に退職していますので厚生年金保険の加入期間は26年間となり、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていますので、妻乙は長期要件による遺族厚生年金を受け取ることが出来ます。
かなり、応用的な問題ですが遺族基礎年金、遺族厚生年金の受給要件を理解しておけば解答は不可能ではないでしょう。
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