社会保険労務士(社労士) 過去問
第56回(令和6年度)
問3 (労働基準法及び労働安全衛生法 問3)

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問題

社労士試験 第56回(令和6年度) 問3(労働基準法及び労働安全衛生法 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 使用者は、労働基準法第14条第2項に基づき厚生労働大臣が定めた基準により、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
  • 使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。
  • 使用者が労働者に対して損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。
  • 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。
  • 労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。

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この過去問の解説 (3件)

01

労働契約は労働基準法の中でも難しい範囲です。

間違ってしまった問題はテキストで復習してください。

選択肢1. 使用者は、労働基準法第14条第2項に基づき厚生労働大臣が定めた基準により、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。

正しい内容です。

 

「3回、又は、1年を超えて、30日前」

接続詞、数字に誤りがないかしっかりと読み込みましょう。

有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準2条】

選択肢2. 使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。

正しい内容です。

法改正により、

就業の場所及び従事すべき業の変更の範囲」も

明示義務が課されました。

 

令和6年度以降では選択式でも要注意な語句です。

【令和5年10月12日基発1012第2号】

選択肢3. 使用者が労働者に対して損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。

正しい内容です。

賠償を「予定」することが禁止されていますので、

実際に労働者が生じさせた損害には賠償請求する旨の約定をしても、

労働基準法16条に抵触するものではありません。

【16条】

選択肢4. 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。

正しい内容です。

利子は最低「年5厘」と定められています。

 

対して「通帳保管」は、

利子をつける必要がありません。

18条4項】

選択肢5. 労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。

金品の返還請求があった際は、

「7日以内」に支払う必要があるため誤りです。

 

就業規則で通常の賃金と同一日に支払うことを規定していても、

23条が優先されますので、

7日以内に支払う必要があります。

【23条1項、昭和23年基発464号】

 

ただし、

退職手当は就業規則等で定められた支払時期に支払えば、

7日以内に支払わなくても労働基準法違反とはならない。

と通達されています。

【昭和63年基発150号】

まとめ

条文をベースにした問題でしたので、

正解して欲しい問題でした。

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02

一部法改正を含みますが、容易な内容です。労働基準法の条文ベースの出題であり、過去にも類似の出題が多くあります。上から順番に選択肢を見ていき、誤りの選択が比較的に明らかであり、正解しやすいと考えます。

選択肢1. 使用者は、労働基準法第14条第2項に基づき厚生労働大臣が定めた基準により、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。

正しいです。

有期労働契約基準に関する内容です。有期労働契約基準には雇止めの予告、雇止めの理由の明示、契約期間についての配慮の3点があります。「雇止めの予告」については、本肢の通り、契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならないこととされています。

選択肢2. 使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。

正しいです。

2024年4月からの法改正に関する内容です。募集広告や職業紹介を受ける際に、求人企業などから明示される労働条件が追加され、本肢を含む以下が追加となりました。

①    従事すべき業務の変更の範囲

②    就業場所の変更の範囲

③    有期労働契約を更新する場合の基準

選択肢3. 使用者が労働者に対して損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。

正しいです。

法16条賠償予定の禁止に関するものです。現実に生じた損害について使用者が損害請求することは認められ、損害賠償の金額を予定することを禁止しています。損害賠償があること自体を約束しておくことは禁止されていません。

選択肢4. 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。

正しいです。

任意貯蓄に関する規定です。使用者が労働者の委託を受けて貯蓄金の管理(社内貯金・通帳保管)をすることを任意貯金と言い、いくつかの要件があります。使用者は利子をつけなくてはらず、利率の最低限度は年5厘(年0.5%)とされています。

選択肢5. 労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。

誤りです。

金品の返還に関する内容です。使用者は、労働者の死亡又退職の場合には、賃金支払期日が到来していなくても、権利者の請求があれば、7日以内に支払わなくてはなりません。7日以内に所定の賃金支払期日が到来する場合はその期日に支払わなければなりません。

まとめ

いずれも条文ベースの基本論点であり、素早く正誤判断ができる必要があります。

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03

労働契約等に関する問題です。

選択肢1. 使用者は、労働基準法第14条第2項に基づき厚生労働大臣が定めた基準により、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。

正しいです。

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」に関する正しい記述です。

選択肢2. 使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。

正しいです。

・労働条件を明示すべき時期

・明示すべき労働条件

のいずれについても正しい記述となっています。

選択肢3. 使用者が労働者に対して損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。

正しいです。

現実に生じた損害について賠償を請求することは、「賠償予定の禁止」の規定によって禁止されるものではありません。

したがって、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしたとしても、労働基準法16条に抵触するものではありません。

選択肢4. 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。

正しいです。

なお、利率の最低限度は年0.5%、上限については制限はありません。

選択肢5. 労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。

誤りです。

労働基準法23条「金品の返還」の規定は強行法規です。

したがって、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときであっても、権利者からの請求があった場合は、7日以内に賃金を支払う必要があります。

まとめ

合格のためには正解しておきたいところです。

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