社会保険労務士(社労士) 過去問
第56回(令和6年度)
問12 (労働者災害補償保険法 問2)
問題文
通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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問題
社労士試験 第56回(令和6年度) 問12(労働者災害補償保険法 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを打刻した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害とは認められない。
- マイカー通勤をしている労働者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため、通常通り自分の勤務先を通り越して通常の通勤経路を450メートル走行し、配偶者の勤務先で配偶者を下車させて自分の勤務先に向かって走行中、踏切で鉄道車両と衝突して負傷した場合、通勤災害とは認められない。
- 頸椎を手術した配偶者の看護のため、手術後1か月ほど姑と交替で1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、当該病院から徒歩で出勤する途中、横断歩道で軽自動車にはねられ負傷した場合、当該病院から勤務先に向かうとすれば合理的である経路・方法をとり逸脱・中断することなく出勤していたとしても、通勤災害とは認められない。
- 労働者が、退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えをして事業場施設内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んだために足を滑らせ、階段を5段ほど落ちて腰部を強打し負傷した場合、通勤災害とは認められない。
- 長年営業に従事している労働者が、通常通りの時刻に通常通りの経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。
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この過去問の解説 (3件)
01
通勤災害に関する事例問題です。
個別事例の復習よりも、
通勤災害の定義をしっかりと復習しましょう。
通勤災害とは、
「通勤に通常伴う危険が具体化して生じた負傷、疾病、障害又は死亡」
と定められています。
定義をもとに事例の正誤判断を行いましょう。
【平成3年基発75号】
この選択肢は誤りです。
通勤災害と認められます。
【昭和49年6月19日基収1739号】
この選択肢は誤りです。
通勤災害と認められます。
【昭和49年3月4日基収289号】
この選択肢は誤りです。
通勤災害と認められます。
【昭和52年12月23日基収981号】
この選択肢は正しいです。
「事業場施設内における業務に就くための出勤又は業務を終えた後の退勤で業務と接続しているものは、
業務行為そのものではないが、業務に通常付随する準備後始末行為と認められる」とされています。
業務と接続されているため通勤災害ではなく「業務災害」に該当します。
通勤災害とは認められないです。
【昭和49年4月9日基収314号、昭和50年12月25日基収1724号】
この選択肢は誤りです。
急性心不全で死亡したことと、
通勤には因果関係がありません。
したがって通勤災害とは認められません。
【則18条の4】
冒頭でも述べましたが、
通勤災害の定義を復習しましょう。
事例問題は模試を活用して事例を丸暗記するのも、
良い攻略方法だと思います。
一度見たことがある事例と初見の事例では、
本番中の心理状況でも大きな違いがあります。
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02
通勤災害に関する問題です。
業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害に該当するか否かは、事例ごとに、個別の事情を考慮して判断されます。
誤りです。
本肢のケースにおいて、職場に到着してタイムカードを打刻した場合であっても、通勤から時間の経過がほとんどないことから、通勤災害と認められます。
誤りです。
本肢のケースにおいて、配偶者の勤務先を経由することは合理的な経路として取り扱われるため、通勤災害と認められます。
誤りです。
本肢のケースにおいて、「病院」は「住居」とされるため、通勤災害と認められます。
正しいです。
本肢のケースにおける退勤は、終業直後の行為であって、業務と接続する行為と認められること等から、通勤災害ではなく「業務災害」として取り扱われます。
誤りです。
本肢のケースにおける「急性心不全」は、「通勤による疾病」とは認められないため、通勤災害と認められません。
合格のためには正解しておきたいところです。
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03
この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。通勤災害の定義「労働者の通勤による負傷、疾病、傷害又は死亡」であるかを個々の事例について検討します。通勤によるとは通勤と相当因果関係のあること、つまり、通勤に通常伴う危険が具体化しことを言います。
認められます。
マイカー通勤者が車のライト消し忘れなどに気づき、駐車場に引き返すことは一般にありうることであって、通勤とかけ離れた行為でなく、この場合、いったん事業場構内に入った後であっても、まだ時間の経過もほとんどないことなどから、通勤による災害として取り扱うことが妥当である。(S49.6.19基収1739)とされています。
認められます。
通勤経路は経済合理的経路上である必要があります。マイカー通勤の共稼ぎの労働者で、勤務先が同一方向にあって、しかも夫の通勤経路から、さほど離れていなければ(450メートル)、二人の通勤をマイカーの相乗りで行い、妻の勤務先を経由することは、通常行なわれることであり、このような場合は、合理的な経路として取扱うのが妥当である。(S49.3.4基収289)とされています。
認められます。
病院が「住居」本人の就業のための拠点に当たるかどうかを考えます。入院中の夫の看護のため妻が病院に寝泊りすることは社会慣習上通常行なわれることであり、かつ、手術当日から長期間継続して寝泊りしていた事実があることからして、被災当日の当該病院は、被災労働者にとって就業のための拠点としての性格を有する住居と認められる(S52.12.23基収981)とされました。
認められません。
通勤災害ではなく、業務上災害です。既にタイムカードを打刻し、着替えを行っていることから事業主の支配管理下において発生した災害であるので、業務上の災害です。「住居」と「就業の場所」との間の災害には相当しません。
認められます。
労働者の通勤による疾病とは考えられません。通勤による負傷又は通勤に関連ある種々の状態(突発的又は異常なできごと等)が原因となって発病したことが医学的に明らかに認められるものをいいます。本件労働者の通勤途中発生した急性心不全による死亡については、特に発病の原因となるような通勤による負傷又は通勤に関連する突発的なできごと等が認められないことから、「通勤に通常伴う危険が具体化したもの」とは認められない(S50.6.9基収4039)とされています。
出題は通達からであり、なかなか難しい内容ですが、過去に何度も出題実績がある通達です。過去問を繰り返すことで得点できる問題です。
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