社会保険労務士(社労士) 過去問
第56回(令和6年度)
問33 (労務管理その他の労働に関する一般常識 問3)

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問題

社労士試験 第56回(令和6年度) 問33(労務管理その他の労働に関する一般常識 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働すること」、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」、「詳細に定められた労働条件」であり、労働条件を詳細に定めていなかった場合には、労働契約が成立することはない。
  • 労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は、同法施行規則第52条の2各号に掲げる、常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこととされているが、労働契約法第7条柱書きの場合の就業規則の「周知」は、それらの方法に限定されるものではなく、実質的に判断される。
  • 労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件ではないため、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況を労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮してはならない。
  • 労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、期間の定めのある労働契約(以下本問において「有期労働契約」という。)は、試みの使用期間(試用期間)を設けることが難しく、使用者は労働者の有する能力や適性を事前に十分に把握できないことがあることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、同法第16条に定めるいわゆる解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも広いと解される。
  • 労働契約法第18条第1項によれば、労働者が、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超えた場合には、当該使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなすこととされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

労働契約法は出題論点が比較的に明確です。正解肢の特定が難しいかもしれませんが、誤りの選択肢の正誤判断が比較的に容易です。多くの受験生が得点できたと推測できます。

選択肢1. 労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働すること」、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」、「詳細に定められた労働条件」であり、労働条件を詳細に定めていなかった場合には、労働契約が成立することはない。

誤りです。

法6条により、労働契約は労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立するとされています。詳細に定めるかどうかは問われません。

選択肢2. 労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は、同法施行規則第52条の2各号に掲げる、常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこととされているが、労働契約法第7条柱書きの場合の就業規則の「周知」は、それらの方法に限定されるものではなく、実質的に判断される。

正しいです。

平30j.12.28基発1228第17号により、「周知」とは労働者が知ろうと思えばいつでも就業規則の存在や内容を知り得るようにしておくことを言い、労働基準法に規定する周知の方法に限定されるものではないとされています。

選択肢3. 労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件ではないため、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況を労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮してはならない。

誤りです。

前段の、・・・法的効果を生じさせるための要件ではない・・が正しいが、合理性判断に際して考慮され得るものであるとされています。

選択肢4. 労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、期間の定めのある労働契約(以下本問において「有期労働契約」という。)は、試みの使用期間(試用期間)を設けることが難しく、使用者は労働者の有する能力や適性を事前に十分に把握できないことがあることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、同法第16条に定めるいわゆる解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも広いと解される。

誤りです。

前段から中断までが正しいが、末尾の・・の場合よりも広いと解されるではなく、・・狭いと解されるが正しいです。わざわざ期間を指定して契約しているため、解雇権乱用法理より狭い範囲で検討がなされるとされています。

選択肢5. 労働契約法第18条第1項によれば、労働者が、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超えた場合には、当該使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなすこととされている。

誤りです。

労働契約の申し込みが自動的にあったものとみなされるのではなく、労働者が当該使用者に対して、そういった申し込みをしたときにはとされています。無条件に期間の定めのない契約になるとはされていません。

まとめ

労働契約法は労働一般では頻出の法律です。統計調査等と相対比較では、過去問を繰り返し説くことで、ある程度出題される論点は確認できるため、対策ができると考えられます。

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02

労働契約等に関する問題です。

労働契約に関連する法規としては、労働契約法、労働基準法、

労働組合法などがあります。

では、選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働すること」、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」、「詳細に定められた労働条件」であり、労働条件を詳細に定めていなかった場合には、労働契約が成立することはない。

労働契約法第6条には

「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、

使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、

労働者及び使用者が合意することによって成立する。」とあります。

労働条件に関しては、後からの変更も可能なため、

契約時点で「詳細」まで求められません。

選択肢2. 労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は、同法施行規則第52条の2各号に掲げる、常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこととされているが、労働契約法第7条柱書きの場合の就業規則の「周知」は、それらの方法に限定されるものではなく、実質的に判断される。

正しいです。文のとおりです。

選択肢3. 労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件ではないため、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況を労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮してはならない。

誤りです。

就業規則は不利益に変更することは許されるものではないため、

合理的判断に際して考慮が必要です。

 

選択肢4. 労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、期間の定めのある労働契約(以下本問において「有期労働契約」という。)は、試みの使用期間(試用期間)を設けることが難しく、使用者は労働者の有する能力や適性を事前に十分に把握できないことがあることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、同法第16条に定めるいわゆる解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも広いと解される。

誤りです。

本選択肢文の文末の「広いと解される」が誤りで、

正しくは「狭いと解される」です。

選択肢5. 労働契約法第18条第1項によれば、労働者が、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超えた場合には、当該使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなすこととされている。

誤りです。 

本選択肢文の文末の「申し込みをしたものとみなす」が誤りです。

 

労働契約法第18条第1項を以下に引用します。

 

「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約

(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の

契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が

5年を超える労働者が、当該使用者に対し、

現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、

当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない

労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。

この場合において、

当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、

現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と

同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)

について別段の定めがある部分を除く。)とする。」

 

こちらには「労働契約の締結の申し込みをしたときは」とあります。

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03

労働契約法等に関する問題です。

選択肢1. 労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働すること」、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」、「詳細に定められた労働条件」であり、労働条件を詳細に定めていなかった場合には、労働契約が成立することはない。

誤りです。

労働契約の成立の要件として、労働条件を詳細に定めていなかった場合であっても、労働契約そのものは成立し得ます。

選択肢2. 労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は、同法施行規則第52条の2各号に掲げる、常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこととされているが、労働契約法第7条柱書きの場合の就業規則の「周知」は、それらの方法に限定されるものではなく、実質的に判断される。

正しいです。

労働基準法106条の「周知」は、労働基準法施行規則52条の2により、次の❶から❸までのいずれかの方法によるべきこととされています。

❶ 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること

❷ 書面を労働者に交付すること

❸  使用者の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体をもって調製ファイルに記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

 

これに対して、労働契約法7条の「周知」は、上記の3つの方法に限定されるものではなく、実質的に判断されます。

選択肢3. 労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件ではないため、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況を労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮してはならない。

誤りです。

使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況は、労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮され得るものです。

なお、問題文前段は正しいです。

選択肢4. 労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、期間の定めのある労働契約(以下本問において「有期労働契約」という。)は、試みの使用期間(試用期間)を設けることが難しく、使用者は労働者の有する能力や適性を事前に十分に把握できないことがあることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、同法第16条に定めるいわゆる解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも広いと解される。

誤りです。

「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されています。

選択肢5. 労働契約法第18条第1項によれば、労働者が、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超えた場合には、当該使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなすこととされている。

誤りです。

使用者が申込みをするのではなく、申込みは労働者が行い、これに対し、使用者は当該申込みを承諾したものとみなすこととされています。

まとめ

合格のためには正解しておきたいところです。

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