社会保険労務士(社労士) 過去問
第56回(令和6年度)
問41 (健康保険法 問1)

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問題

社労士試験 第56回(令和6年度) 問41(健康保険法 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。
  • 任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失する。
  • 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者が、派遣就業に係る雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか遅い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は被保険者資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。
  • 保険医療機関の指定の取消処分を受けた医療機関に関して、健康保険法第65条第3項第1号において、当該医療機関がその取消しの日から5年を経過しないものであるときは、保険医療機関の指定をしないことができるとされているが、当該医療機関の機能、事案の内容等を総合的に勘案し、地域医療の確保を図るため特に必要があると認められる場合であって、診療内容又は診療報酬の請求に係る不正又は著しい不当に関わった診療科が、2年を経過した期間保険診療を行わない場合については、取消処分と同時に又は一定期間経過後に当該医療機関を保険医療機関として指定することができる。
  • 健康保険組合において、任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額が、当該被保険者の属する健康保険組合の全被保険者における前年度の9月30日の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額を超える場合は、規約で定めるところにより、資格喪失時の標準報酬月額をその者の標準報酬月額とすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

健康保険の資格喪失に関する条文ベースの出題です。いずれの選択肢も、細かな点が論点となります。任意継続被保険者の資格喪失日や標準報酬月額の決定方法は過去に何度も問われている論点です。

選択肢1. 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。

誤りです。

法7条の30各事業年度に係る業績評価に関する規定により、厚生労働大臣は設問に記載の評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならないとされています。

選択肢2. 任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失する。

誤りです。

「その申し出た・・・」ではなく「その申出が受理された・・・」申出るのみでは足りず、受理された月の月末までです。

選択肢3. 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者が、派遣就業に係る雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか遅い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は被保険者資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。

誤りです。

・・その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか「遅い日」・・ではなく、いずれか「早い日」です。

選択肢4. 保険医療機関の指定の取消処分を受けた医療機関に関して、健康保険法第65条第3項第1号において、当該医療機関がその取消しの日から5年を経過しないものであるときは、保険医療機関の指定をしないことができるとされているが、当該医療機関の機能、事案の内容等を総合的に勘案し、地域医療の確保を図るため特に必要があると認められる場合であって、診療内容又は診療報酬の請求に係る不正又は著しい不当に関わった診療科が、2年を経過した期間保険診療を行わない場合については、取消処分と同時に又は一定期間経過後に当該医療機関を保険医療機関として指定することができる。

誤りです。

「2年」を経過した期間ではなく、「相当の」期間です。平成20年9月30日「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」の改正についてより、(3) 地方厚生(支)局長及び都道府県知事は、戒告又は注意を受けた保険医療機関等に対しては、一定期間内に個別指導を実施する。とされています。

第7 再指定

保険医療機関等が取消処分を受け、5年を経過しない場合等においては、健康保険法第65条第3項の規定に基づき、その指定を拒むことができる。ただし、取消処分を受けた医療機関の機能、事案の内容等を総合的に勘案し、地域医療の確保を図るため特に必要があると認められる場合であって、診療内容又は診療報酬の請求に係る不正又は著しい不当に関わった診療科が、「相当の期間」保険診療を行わない場合については、取消処分と同時に又は一定期間経過後に当該医療機関を保険医療機関として指定することができる。とされています。

選択肢5. 健康保険組合において、任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額が、当該被保険者の属する健康保険組合の全被保険者における前年度の9月30日の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額を超える場合は、規約で定めるところにより、資格喪失時の標準報酬月額をその者の標準報酬月額とすることができる。

正しいです。

法47条「任意継続被保険者の標準報酬月額」の例外に関する規定です。保険者が健康保険組合である場合においては、被保険者の資格を喪失した時の標準報酬月額と9/30時点の組合員全員の平均した標準報酬月額を比較し、前者が後者を超える場合には、設問のような取扱いとするとされています。

まとめ

任意継続被保険者の資格取得時には受理された日という規定がなく、喪失時も同じように考えてしまい、正解の判断をしてしまう受験生が多いかと推測できます。

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02

健康保険法に関する、分野を横断したやや難しい問題です。

選択肢1. 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。

誤りです。

全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行い、当該評価の結果を公表しなければならないのは、「厚生労働大臣」であり、「全国健康保険協会」ではありません。

選択肢2. 任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失する。

誤りです。

任意継続被保険者の申出による被保険者資格の喪失は、「申出が受理された日の属する月の末日が到来したときにおけるその翌日」です。「その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときの、その翌日」ではありません。

選択肢3. 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者が、派遣就業に係る雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか遅い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は被保険者資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。

誤りです。

「いずれか遅い日」ではなく、「いずれか早い日」です。

選択肢4. 保険医療機関の指定の取消処分を受けた医療機関に関して、健康保険法第65条第3項第1号において、当該医療機関がその取消しの日から5年を経過しないものであるときは、保険医療機関の指定をしないことができるとされているが、当該医療機関の機能、事案の内容等を総合的に勘案し、地域医療の確保を図るため特に必要があると認められる場合であって、診療内容又は診療報酬の請求に係る不正又は著しい不当に関わった診療科が、2年を経過した期間保険診療を行わない場合については、取消処分と同時に又は一定期間経過後に当該医療機関を保険医療機関として指定することができる。

誤りです。

「2年を経過した期間」ではなく、「相当の期間」です。

選択肢5. 健康保険組合において、任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額が、当該被保険者の属する健康保険組合の全被保険者における前年度の9月30日の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額を超える場合は、規約で定めるところにより、資格喪失時の標準報酬月額をその者の標準報酬月額とすることができる。

正しいです。

保険者が健康保険組合である場合の「任意継続被保険者の標準報酬月額」に関する正しい内容です。

まとめ

正解してライバルに差を付けましょう。

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03

健康保険法に関する問題です。

各選択肢についてみていきましょう。

選択肢1. 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。

誤りです。

協会が公表を行うのではなく、厚生労働大臣が公表を行います。

根拠は健康保険法第7条の30 第1項、第2項です。

選択肢2. 任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失する。

誤りです。

文中に「申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは

その翌日から」とありますが、

正しくは「申し出た日の属する月の翌月1日」です。

選択肢3. 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者が、派遣就業に係る雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか遅い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は被保険者資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。

誤りです。

文中の「いずれか遅い日をもって」という部分が誤りで、

正しくは「いずれか早い日をもって」です。

選択肢4. 保険医療機関の指定の取消処分を受けた医療機関に関して、健康保険法第65条第3項第1号において、当該医療機関がその取消しの日から5年を経過しないものであるときは、保険医療機関の指定をしないことができるとされているが、当該医療機関の機能、事案の内容等を総合的に勘案し、地域医療の確保を図るため特に必要があると認められる場合であって、診療内容又は診療報酬の請求に係る不正又は著しい不当に関わった診療科が、2年を経過した期間保険診療を行わない場合については、取消処分と同時に又は一定期間経過後に当該医療機関を保険医療機関として指定することができる。

誤りです。

5年を経過しないと再指定されません。

地域医療を担っている保険医療機関が指定の取り消しを受け、

事業譲渡により5年を経過せず再指定されることはあります。

「指定期日の遡及」に該当しない場合は、原則の5年経過の扱いです。

選択肢5. 健康保険組合において、任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額が、当該被保険者の属する健康保険組合の全被保険者における前年度の9月30日の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額を超える場合は、規約で定めるところにより、資格喪失時の標準報酬月額をその者の標準報酬月額とすることができる。

正しいです。文のとおりです。

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