測量士補の過去問
平成27年度(2015年)
問24

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問題

測量士補試験 平成27年度(2015年) 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

地理情報システム(以下「GIS」という。)は、地理空間情報を総合的に管理・加工し、視覚的にし、高度な分析や迅速な判断を可能にする情報システムである。
次の文は、様々な地理空間情報をGISで処理することによってできること及びGISで扱う数値データの特徴について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
  • 過去の市町村の行政界データを重ね合わせて、市町村合併の変遷を視覚化するシステムを構築する。
  • コンビニエンスストアの位置情報と、詳細な人口分布データ等を利用し、任意の地点から指定した距離を半径とする円内に出店されているコンビニエンスストアの数や居住人口を計算することで、新たなコンビニエンスストアの出店計画を支援する。
  • ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。
  • スキャナで読み込んだ紙地図のデータに含まれる等高線をラスタ・ベクタ変換して、等高線のベクタデータを作成する。
  • ベクタデータは、点、線、面を表現でき、いずれの場合も属性を付加することができる。

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この過去問の解説 (4件)

01

解説

GIS(地理情報システム)の利用に関する問題です。

選択肢1. 過去の市町村の行政界データを重ね合わせて、市町村合併の変遷を視覚化するシステムを構築する。

正しい

GISでは、各属性データ(問題文では過去の行政界データが該当)を重ね合わせて表示することができます。

選択肢2. コンビニエンスストアの位置情報と、詳細な人口分布データ等を利用し、任意の地点から指定した距離を半径とする円内に出店されているコンビニエンスストアの数や居住人口を計算することで、新たなコンビニエンスストアの出店計画を支援する。

正しい

GISは、基図や地図などの位置情報データと、様々な属性データを組み合わせる事で、多岐に渡る分野での利用が考えられます。

選択肢3. ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。

間違い

ベクタデータは点、線、面で表したデータで、ラスタデータは画素で表したデータですので、経路の検索にはベクタデータの方が適しています。

選択肢4. スキャナで読み込んだ紙地図のデータに含まれる等高線をラスタ・ベクタ変換して、等高線のベクタデータを作成する。

正しい

既成図を数値化するにはスキャナによる数値化が多く用いられており、ラスタデータは芯線化や細線化により自動的にベクタデータに変換されます。

選択肢5. ベクタデータは、点、線、面を表現でき、いずれの場合も属性を付加することができる。

正しい

ベクタデータには属性データ(属性コード)を付与することにより、これらのデータが何を表しているのかを属性データにより知ることができます。

まとめ

したがって、明らかに間違っているのは「ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。」となります。

参考になった数11

02

解答:「ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。

選択肢1. 過去の市町村の行政界データを重ね合わせて、市町村合併の変遷を視覚化するシステムを構築する。

正しい

GISには空間解析機能があるため、属性の異なる複数のレイヤーを重ねて表示することができます。

そのため、過去の市町村の行政界データを重ね合わせて、市町村合併の変遷を視覚化するシステムを構築できます。

選択肢2. コンビニエンスストアの位置情報と、詳細な人口分布データ等を利用し、任意の地点から指定した距離を半径とする円内に出店されているコンビニエンスストアの数や居住人口を計算することで、新たなコンビニエンスストアの出店計画を支援する。

正しい

GISの空解析機能を使い、点・線・面などの図形から等しい距離にある領域を特定することによって、勢力圏を設定することができます。

そのため、新たなコンビニエンスストアの出店計画を支援することができます。

選択肢3. ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。

間違い

ラスタデータは、画素数が多くなるとデータ量が増えてしまうので、ネットワーク解析による最短経路検索にはデータ量の少ないベクタデータが向いています。

選択肢4. スキャナで読み込んだ紙地図のデータに含まれる等高線をラスタ・ベクタ変換して、等高線のベクタデータを作成する。

正しい

スキャナで取得した紙画像データはラスタデータであり、データ量が少なく各種検索や計算処理に向いているベクタデータに変換することが推奨されています。

選択肢5. ベクタデータは、点、線、面を表現でき、いずれの場合も属性を付加することができる。

正しい

ベクタデータは点、線、面を表現することができ、それぞれに属性を付加することができます。

参考になった数3

03

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 過去の市町村の行政界データを重ね合わせて、市町村合併の変遷を視覚化するシステムを構築する。

問題文の通り、

地理情報システム(GIS:Geographic Information System)とは、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術です行政界のデータも管理している為、過去と現在の行政界を重ね合わせて変化を確認することができます。正しいです。

選択肢2. コンビニエンスストアの位置情報と、詳細な人口分布データ等を利用し、任意の地点から指定した距離を半径とする円内に出店されているコンビニエンスストアの数や居住人口を計算することで、新たなコンビニエンスストアの出店計画を支援する。

GISで管理している人口分布データを利用して商業計画等に活かすことが可能となっています。正しいです。

選択肢3. ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。

×

ラスタデータは画素(つまり画像)です。ベクタデータは点、線、面で表現されており、扱いやすさや正確性を含め最短経路検索の際はベクタデータの方が適しています。よって間違いです。

選択肢4. スキャナで読み込んだ紙地図のデータに含まれる等高線をラスタ・ベクタ変換して、等高線のベクタデータを作成する。

スキャナを使用し既成図の等高線などを読み込むことによりラスタデータ、ベクタデータに変換が可能です。正しいです。

選択肢5. ベクタデータは、点、線、面を表現でき、いずれの場合も属性を付加することができる。

属性データとは、図形に付随していない非図形情報のことです。例えば建物であれば、建物名(○○アパートなど)、階数(二階建てなど)、構造(木造、鉄骨造など)がそれにあたります。ベクタデータに付加することができます。正しいです。

まとめ

よって問の答えは「ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。」となります。

参考になった数2

04

GISについては、出題が多いため覚えておいてください。

選択肢1. 過去の市町村の行政界データを重ね合わせて、市町村合併の変遷を視覚化するシステムを構築する。

正しい。GISは、過去の行政界データを重ね合わせて表示できます。

選択肢2. コンビニエンスストアの位置情報と、詳細な人口分布データ等を利用し、任意の地点から指定した距離を半径とする円内に出店されているコンビニエンスストアの数や居住人口を計算することで、新たなコンビニエンスストアの出店計画を支援する。

正しい。GISは位置情報データとコンビニエンスストアなどの属性データと組み合わせることができ、出店計画などのマーケティングにも使用できます。

選択肢3. ネットワーク解析による最短経路検索には、一般にベクタデータよりラスタデータの方が適している。

間違い。ベクタデータは図形の形状を、点、線、面にわけ、それぞれの座標をベクトルの組み合わせで表したデータです。ラスタデータは画素で表したデータなので、最短経路検索はベクタデータの方が適しています。

選択肢4. スキャナで読み込んだ紙地図のデータに含まれる等高線をラスタ・ベクタ変換して、等高線のベクタデータを作成する。

正しい。スキャナで読み込んだ紙地図の等高線から、等高線のベクタデータを作成するのは、ラスタ・ベクタ変換です。

選択肢5. ベクタデータは、点、線、面を表現でき、いずれの場合も属性を付加することができる。

正しい。ベクタデータには、属性データを付与することができます。

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