測量士補の過去問
平成28年度(2016年)
問18

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問題

測量士補試験 平成28年度(2016年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、公共測量における航空レーザ測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
  • 航空レーザ測量は、航空機からレーザパルスを照射し、地表面や地物で反射して戻ってきたレーザパルスを解析し、地形を計測する測量方法である。
  • 航空レーザ測量では、レーザ測距装置、GNSS/IMU装置などにより構成されたシステムを使用する。
  • 航空レーザ測量では、計測データを基にして数値地形モデルを作成することができる。
  • 航空レーザ測量で計測したデータには、地表面だけでなく、構造物や植生で反射したデータも含まれる。
  • 航空レーザ測量では、雲の影響を受けずにデータを取得することができる。

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この過去問の解説 (4件)

01

解答 5

解説
航空レーザ測量に関する問題です。


1.正しい
問題文の通り。
航空レーザ測量は、航空機に搭載したレーザ測距儀からレーザを照射し、地上からの反射時間により飛行機と地上との距離を決定し、GNSS測量機、IMU(慣性計測装置)から得られる航空機の位置情報より地上の標高や地形の形状を調べる測量方法です。

2.正しい
航空レーザ測量のシステム構成の説明です。

3.正しい
数値地形モデル(DTM)とは、建物や樹木の高さを除いた地表面の高さモデルの事です。
DTMはグラウンドデータとも呼ばれ、オリジナルデータから地表面以外のデータを除く作業(フィルタリング)により作成された、地表面の標高データです。

4.正しい
航空レーザ測量で計測されたデータは、交通施設や建物、植生などレーザを反射させるものの高さが含まれています。
これを地表面以外のデータを取除く作業(フィルタリング)を行い、グラウンドデータ(数値地形モデル:DTM)とします。

5.間違い
航空レーザ測量は、航空機からレーザパルスを照射して計測を行うため、天候条件に左右されます。
特に、レーザ照射に影響を与える降雨や降雪、濃霧、雲のある状況では計測が困難となります。


したがって、間違った選択肢は 5 となります。

参考になった数5

02

解答:5

1:正しい
航空レーザ測量は、航空機からレーザパルスを照射し、地表面や地物で反射して戻ってきたレーザパルスを解析し、地形・地物の三次元計算をする測量方法です。

2:正しい
航空レーザ測量システムは、レーザ測距装置及びGNSS/IMU装置、解析ソフトウェアにより構成されています。

3:正しい
航空レーザ測量は、格子状の標高データである数値標高モデルなどの数値地形図データを作成する作業なので、このような計測データから数値地形モデル(DTM)を作成することはできます。

4:正しい
航空レーザ測量で計測したデータには、地表面だけでなく、構造物や植生で反射したデータも含まれます。
地表面だけの標高データを作成するためには、フィルタリングを行う必要があります。

5:間違い
雲が航空機の下にある場合には、影響を受けデータを取得することができません。
しかし、雲が航空機よりも上空にある場合には、影響を受けずに計測することが可能です。

参考になった数3

03

航空レーザ測量に関する問題です。

選択肢1. 航空レーザ測量は、航空機からレーザパルスを照射し、地表面や地物で反射して戻ってきたレーザパルスを解析し、地形を計測する測量方法である。

正しい。航空レーザー測量とは、航空機に搭載したレーザー測距儀から地上に向けてレーザーを照射し、地上からの反射波との時間差より地上までの距離を求める測量方法です。

選択肢2. 航空レーザ測量では、レーザ測距装置、GNSS/IMU装置などにより構成されたシステムを使用する。

正しい。航空レーザ測量では、レーザ測距装置、GNSS/IMU装置などにより構成されたシステムを使用します。

選択肢3. 航空レーザ測量では、計測データを基にして数値地形モデルを作成することができる。

正しい。航空レーザ測量では、計測データを基にして数値地形モデルを作成することができます。

選択肢4. 航空レーザ測量で計測したデータには、地表面だけでなく、構造物や植生で反射したデータも含まれる。

正しい。航空レーザ測量で計測したデータには、地表面だけでなく、構造物や植生で反射したデータも含みます。

選択肢5. 航空レーザ測量では、雲の影響を受けずにデータを取得することができる。

間違い。航空レーザ測量は雨や雪、雲などの影響を受けます。

参考になった数2

04

1.〇

航空レーザー測量とは、航空機に搭載したレーザスキャナーから地上に向けてレーザー光を照射し、地上から反射するレーザー光との時間差より得られる地上までの距離と、GNSS測量機、IMU(慣性計測装置)から得られる航空機の位置情報より、地上の標高地形の形状を調べる測量方法をいいます。

2.〇

1の解説通り、GNSS測量機IMU(慣性計測装置)から得られる航空機の位置情報も使用します。正しいです。

3.〇

数値地形モデルとはDTM(Digital Terrain Model)と呼ばれ、標高、勾配、斜面等の地形の特徴を三次元座標でデジタル表現するモデルをいいます。航空レーザー測量ではこれらのデータも測量資料として上がってくる為、作成可能です。正しいです。

4.〇

3で解説した数値地形モデル(DTM)は、あくまでも地表面の高さ表現となります。変わって建物や植栽などの高さを合わせて表現したものを数値表面モデル(DSM; Digital Surface Model)といいます。航空レーザー測量は両方のモデル出力が可能です。正しいです。

5.×

航空レーザー測量は、航空機からレーザを飛ばして計測を行う為、レーザの影響を受ける降雨、降雪、濃霧などにより計測が難しくなる場合があります。間違いです。

よって問の答えは 5 となります。

※補足

・数値標高モデル(DEM)・・・航空レーザー測量の元データ

・数値表面モデル(DSM)・・・DEMをいじって建物や植栽の高さを残したデータ

・数値地形モデル(DTM)・・・DEMをいじって建物も植栽も消して、地球の地表面のみの表現をしたもの

参考になった数2