測量士補の過去問
平成30年度(2018年)
問9
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問題
測量士補試験 平成30年度(2018年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、GNSS測量機を用いた測量の誤差について述べたものである。( ア )~( エ )に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。
GNSS測量機を用いた測量における主要な誤差要因には、GNSS衛星位置や時計などの誤差に加え、GNSS衛星から観測点までに電波が伝搬する過程で生じる誤差がある。そのうち、( ア )は周波数に依存するため、2周波の観測により軽減することができる。特に、10kmより長い基線の観測では、2周波を受信できるGNSS測量機を使う必要がある。一方、( イ )は周波数に依存せず、2周波の観測により軽減することができないため、基線解析ソフトウェアで採用している標準値を用いて近似的に補正が行われる。( ウ )法では、電子基準点の観測データから作られる補正量などを取得し、解析処理を行うことで、これらの誤差を軽減している。ただし、GNSS衛星から直接到達する電波以外に電波が構造物などに当たって反射したものが受信される現象である( エ )による誤差は、( ウ )法によっても補正できないので、選点に当たっては、周辺に構造物などが無い場所を選ぶなどの注意が必要である。
GNSS測量機を用いた測量における主要な誤差要因には、GNSS衛星位置や時計などの誤差に加え、GNSS衛星から観測点までに電波が伝搬する過程で生じる誤差がある。そのうち、( ア )は周波数に依存するため、2周波の観測により軽減することができる。特に、10kmより長い基線の観測では、2周波を受信できるGNSS測量機を使う必要がある。一方、( イ )は周波数に依存せず、2周波の観測により軽減することができないため、基線解析ソフトウェアで採用している標準値を用いて近似的に補正が行われる。( ウ )法では、電子基準点の観測データから作られる補正量などを取得し、解析処理を行うことで、これらの誤差を軽減している。ただし、GNSS衛星から直接到達する電波以外に電波が構造物などに当たって反射したものが受信される現象である( エ )による誤差は、( ウ )法によっても補正できないので、選点に当たっては、周辺に構造物などが無い場所を選ぶなどの注意が必要である。
- ア:電離層遅延誤差 イ:対流圏遅延誤差 ウ:ネットワーク型RTK エ:マルチパス
- ア:電離層遅延誤差 イ:成層圏遅延誤差 ウ:キネマティック エ:サイクルスリップ
- ア:成層圏遅延誤差 イ:対流圏遅延誤差 ウ:ネットワーク型RTK エ:アンテナ位相特性
- ア:対流圏遅延誤差 イ:成層圏遅延誤差 ウ:ネットワーク型RTK エ:マルチパス
- ア:対流圏遅延誤差 イ:電離層遅延誤差 ウ:キネマティック エ:サイクルスリップ
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この過去問の解説 (3件)
01
GNSS衛星から観測点までに電波が伝達する過程で、電離層遅延誤差や対流圏遅延誤差が生じます。
”電離層遅延誤差”は周波数に依存するため、2周波の観測により軽減することができます。
”対流圏遅延誤差”は、周波数に依存しないため、基線解析ソフトウェアで採用している標準値を用いて近似的な補正をします。
ネットワーク型RTK法では、このような誤差に対して、基準局の観測データから作られる補正量などを取得し、解析処理を行うことで軽減が図られています。
マルチパスによる誤差は、選点にあたり周辺に構造物が無い場所を選ぶことで避けます。
また、GNSSアンテナの向きをそろえて整置することで、アンテナ位相特性の影響を軽減することができます。
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02
この問題は、衛星測位システムによる観測作業における誤差に関する問題です。
(ア)は電離層遅延誤差が入ります。電離層遅延誤差は、GPS衛星からの電波が電離層を通過する際に屈折し、電波の到着時間が変化する誤差です。この誤差は、周波数の二乗に反比例します。(周波数に依存します。)GPS衛星からの電波を2つ発信することで、この誤差は軽減できます。
(イ)には対流圏遅延誤差が入ります。対流圏遅延誤差は、GPS衛星からの電波が対流圏を通過する際に生じる速度遅延による誤差です。この誤差は、周波数に依存しません。これを補正するためには、基線解析ソフトを使います。
(ウ)には、ネットワーク型RTK が入ります。ネットワーク型RTKは、3点以上の電子基準点からリアルタイムデータを利用し、仮想上の基準点を設けて、1台の受信機で基線ベクトルを求めるGPS測量の観測方法の一つです。ネットワーク型RTKでは、基準局の観測データから電離層などの状態空間モデルを生成し、このモデルから補正情報を計算するため、誤差が軽減されます。
(エ)にはマルチパスが入ります。マルチパスは、衛星からの電波を直接受信するものと、周囲の構造物などに反射して受信するものの双方が混在するために生じる誤差のことを言います。
衛星測位システムによる観測作業における誤差に関する問題でよく見かけるのは、マルチパスです。マルチパスは、語感から何となく意味が把握できるので、覚えやすい用語です。また、電離層乖離誤差が周波数に依存し、対流圏誤差が周波数に依存しないというのも、感覚的に理解できると思うので、覚えやすいでしょう。
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03
GNSS測量に関する問題です。
ア:○
電離層に対するL1とL2の2つの電波に関する説明です。
イ:○
周波数に依存しない対流圏層に関する説明です。
ウ:○
周囲の電子基準点データを各遅延誤差について処理しています。
エ:○
周囲の構造物などに反射して起こる誤差です。
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