測量士補の過去問
平成30年度(2018年)
問10

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問題

測量士補試験 平成30年度(2018年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、水準測量を実施するときに留意すべき事項について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
  • レベル及び標尺は、作業期間中においても点検調整を行う。
  • 標尺は2本1組とし、往路及び復路の出発点で立てる標尺を同じにする。
  • レベルの望遠鏡と三脚の向きを常に特定の標尺に対向させて整置し、観測する。
  • 視準距離は等しく、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に設置する。
  • 水準点間のレベルの設置回数(測点数)は、偶数回にする。

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この過去問の解説 (3件)

01

解答:2

1:正しい
点検調整は、観測着手前に水準測量作業用電卓または観測手簿に記録します。
ただし、1級水準測量または2級水準測量では、観測期間中10日ごとに行います。

2:間違い
標尺は2本1組とし、往路の出発点で立てる標尺と復路の出発点で立てる標尺は交換します。

3:正しい
レベルの整置点数を偶数点とし、レベルの望遠鏡と三脚の向きを特定の標尺に対向せて観測することで、鉛直軸誤差を小さくすることができます。

4:正しい
レベルの視準軸誤差、球差の影響を消去するために、レベルの前視と後視の標尺を距離を等しくします。
また、レベルはできるだけ両標尺を結ぶ直線上に設置します。

5:正しい
水準点間のレベルの設置回数は、標尺の零目盛誤差を消去するために偶数回とします。

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02

水準測量に関する問題です。

選択肢2. 標尺は2本1組とし、往路及び復路の出発点で立てる標尺を同じにする。

×

標尺の零目盛誤差を消去するために、往路及び復路で標尺は交換します。

参考になった数1

03

 この問題は、水準測量における注意事項に関する問題です。レベルを使った水準測量を行う場合に、必ず知っておくべき事項に関して一定の理解があるかどうかを確認しています。 

選択肢1. レベル及び標尺は、作業期間中においても点検調整を行う。

水準測量においては、観測に使用する機器は、適宜点検及び調整します。1級及び2級水準測量では、観測期間中の点検はおおむね10日ごとに行います。従って、本肢は正しいです。

選択肢2. 標尺は2本1組とし、往路及び復路の出発点で立てる標尺を同じにする。

標尺は2本1組とし、往路及び復路の出発点で立てる標尺は同じものにならないように、往路の到達点で建てた標尺は、復路の観測を始める前に交換します。標尺を交換するのは、標尺の零目盛誤差(標尺の底面(零目盛)が削られてしまい、地表からの視準線の正しい高さが読み取れないために起きる誤差)を軽減するためです。従って、本肢は誤りです。

選択肢3. レベルの望遠鏡と三脚の向きを常に特定の標尺に対向させて整置し、観測する。

レベルの鉛直軸誤差を軽減するため、レベルの望遠鏡と三脚の向きを常に特定の標尺に対向させて整置します。従って、本肢は正しいです。

選択肢4. 視準距離は等しく、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に設置する。

レベルの視準線誤差や球差を軽減するため、視準距離は等しく、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に設置します。従って、本肢は正しいです。

選択肢5. 水準点間のレベルの設置回数(測点数)は、偶数回にする。

標尺の零目盛誤差を軽減するため、水準点間のレベルの設置回数(測点数)は、偶数回にします。従って、本肢は正しいです。

まとめ

水準測量における注意事項に関する問題では、出発点に立てた標尺と到着点に立てた標尺が同じくなるように、標尺の設置回数は奇数回(レベルの設置回数は偶数回)とし、また、復路の観測を始める前に標尺を入れ替えることを、知っているかどうかを確認する問題が繰り返し出されています。よって、これはよく理解しておきましょう。

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