登録販売者の過去問
令和4年度（東京都）
人体の働きと医薬品 問14

a【〇】　問題文の通りです。また、有効成分が薬効を発現させるためには、標的細胞の細胞外液または細胞内液に、一定以上の濃度で分布する必要があります。

b【×】　有効成分の代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回ると、血中濃度はピーク（最高血中濃度）に達し、その後は低下していきます。

c【〇】　有効成分がその作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液中に、一定以上の濃度で分布している場合に、薬効が現れます。また、最小有効濃度を下回ると薬効は消失します。

d【〇】　血中濃度がある濃度以上になると薬効は頭打ちとなる一方で、副作用が現れやすくなります。そのため、その有効成分の血中濃度が有効域の範囲に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められています。

ａ：トランスポーターは、伝達物質・薬物・代謝物などの輸送を行うタンパク質で、体内の恒常性の維持にとって非常に重要です。

ｂ：血中濃度はある時点でピーク（最高血中濃度）に達し、その後は低下していきますが、これは代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るためです。

ｃ：細胞外液、細胞内液中の医薬品成分の量を直接調べることは容易ではないため、血液中に溶けている物質の濃度をあらわす血中濃度を目安としています。

ｄ：最小有効濃度と毒性が現れる濃度域の間の範囲を有効域といいます。

有効域は、治療域とも呼ばれています。

正解です。

・循環血液中に移行した有効成分は、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現します。

・血中濃度はある時点でピーク（最高血中濃度）に達し、その後は低下していきますが、これは代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るためです。

・医薬品が効果を発揮するためには、有効成分がその作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液中に、一定以上の濃度で分布する必要があります。

・全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が、最小有効濃度と毒性が現れる濃度域の間の範囲に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められています。