問題
a 心不全の既往がある人は、薬剤による心不全を起こしやすい。
b 不整脈の発症リスクは、代謝機能の低下によって高まることがあるので、腎機能や肝機能の低下、併用薬との相互作用等に留意するべきである。
c 排尿困難や尿閉の症状が現れるのは、前立腺肥大の基礎疾患のある男性に限られる。
d 排尿困難や尿閉の症状は、多くの場合、原因となる医薬品の使用を中止するだけでは改善しにくい。
これは循環器系及び泌尿器系に現れる医薬品の副作用についての問題です。
a:息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰などの症状を認めた場合は鬱血性心不全の可能性を疑い、早期に医師の診療を受ける必要があります。
b:不整脈は、心筋の自動性や興奮伝導の異常が原因で心臓の拍動リズムが乱れる病態です。
c:排尿困難や尿閉の症状の現れは、前立腺肥大の基礎疾患がない人や、男性に限らず女性においても、発症が報告されています。
d:排尿困難や尿閉の症状は、多くの場合、原因となる医薬品の使用を中止することにより速やかに改善します。まれに医療機関での処置を必要とする場合もあります。
循環器系及び泌尿器系に現れる医薬品の副作用に関する問題です。
a【〇】 心不全の既往がある人は、プソイドエフェドリン塩酸塩や芍薬甘草湯などを含む医薬品を使用すると、心臓病の症状を悪化させる恐れがあるため使用してはなりません。
b【〇】 高齢者においては、腎機能や肝機能および代謝機能の低下により、鬱血性心不全や不整脈の副作用が現れやすくなるため配慮が必要となります。
c【×】 排尿困難や尿閉の症状は、前立腺肥大の基礎疾患のない場合でも現れ、男女問わず発症が報告されています。
d【×】 排尿困難や尿閉の症状は、多くの場合、原因となる医薬品の使用を中止すると改善します。副作用が生じた場合は使用を中止し、改善されない場合は医療機関を受診します。
循環器系及び泌尿器系に現れる医薬品の副作用についての問題です。
正解です。
・心不全の既往がある人は、薬剤による心不全を起こしやすいです。
・不整脈は、代謝機能の低下によって発症リスクが高まることがあるので、腎機能や肝機能の低下、併用薬との相互作用等に留意するべきです。
・排尿困難や尿閉の症状は前立腺肥大等の基礎疾患がない人でも現れることがあります。
・排尿や尿閉の症状は、原因となる医薬品の使用を中止することにより速やかに改善します。
本解説は、厚生労働省作成「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)」より引用して作成しています。
登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和5年4月):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html