登録販売者 過去問
令和6年度（東京都）
問32 (人体の働きと医薬品 問12)

a（誤）

加齢などにより皮膚の水分量が減少すると、皮膚のバリア機能が低下することはあるが、必ずしも有効成分が浸潤・拡散しやすくなるとは限りません。

皮膚の厚さや角質の状態にも影響されるため、この記述は誤りです。

b（誤）

小腸や腎臓にも薬物を代謝する酵素が存在しており、特に小腸粘膜にはシトクロムP450酵素があり、腎臓でも一部の代謝が行われます。

そのため、「代謝活性がない」という記述は誤りです。

c（誤）

口腔粘膜から吸収された医薬品の成分は、肝臓を経由せずに直接血液循環に入ります。

このため、初めに肝臓で代謝を受けるという記述は誤りです。

d（誤）

一般用医薬品の点鼻薬は、通常、局所の鼻粘膜に作用することを目的としており、全身作用を主目的とするものではありません。

医薬品の吸収及び代謝に関する問題です。

a～dについて解説していきます。

a)誤…誤りです。塗り薬の湿潤・拡散のしやすさは、皮膚のみずみずしさだけでなく使用する部位の皮膚の状態や厚みなどにも影響されます。

b)誤…誤りです。医薬品は主に肝臓で分解・代謝されますが、小腸や腎臓にも薬物代謝酵素が存在するため医薬品の代謝活性もあると言えます。

c)誤…誤りです。口腔粘膜から吸収される医薬品の例として、舌下錠やトローチ剤などがあります。これらは肝臓で代謝は受けず、血液中に直接取り込まれるため、効果の出現が比較的早いという特徴があります。

d)誤…誤りです。点鼻薬は全身作用ではなく、付着した部分に対する局所的な効果が期待されています。