登録販売者 過去問
令和6年度(東京都)
問90 (主な医薬品とその作用 問30)

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問題

登録販売者試験 令和6年度(東京都) 問90(主な医薬品とその作用 問30) (訂正依頼・報告はこちら)

外皮用薬に配合されるサリチル酸メチルの作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と同様の化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物として、抗炎症作用をもたらす。
  • 主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺(ひ)を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている。
  • 肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える作用を示す。
  • 末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、血管の拡張による血行促進作用をもたらす。
  • 患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

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この過去問の解説 (3件)

01

外皮用薬に配合されるサリチル酸メチルの作用に関する問題です。

サリチル酸メチルは血行促進や鎮痛効果を期待され、

軟膏やパップ剤に配合される成分です。

選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と同様の化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物として、抗炎症作用をもたらす。

誤りです。

この文は、ステロイド性抗炎症成分についての説明です。

サリチル酸メチルはステロイド性抗炎症成分ではありません。

 

ステロイド性抗炎症成分の主なものに、デキサメタゾン、

プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、

プレドニゾロン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン、

ヒドロコルチゾン酪酸エステル、

ヒドロコルチゾン酢酸エステル等があります。

選択肢2. 主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺(ひ)を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている。

正しいです。文のとおりです。

選択肢3. 肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える作用を示す。

誤りです。

この文は抗ヒスタミン成分についての説明です。

サリチル酸メチルは抗ヒスタミン成分ではありません。

 

抗ヒスタミン成分の主なものに、ジフェンヒドラミン、

ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、

ジフェニルイミダゾール、イソチペンジル塩酸塩等があります。

選択肢4. 末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、血管の拡張による血行促進作用をもたらす。

誤りです。

この文は、毛髪用薬に用いられる

カルプロニウム塩化物に関する文です。

選択肢5. 患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

誤りです。

この文は、収れん・皮膚保護成分に関する文で、

代表的なものに酸化亜鉛があります。

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02

サリチル酸メチルは、外皮用薬に配合される成分の一つで、主に鎮痛や血行促進の目的で使用されます。 

筋肉痛や関節痛を和らげるために用いられることが多く、外用鎮痛薬や消炎薬に含まれています。

その作用には、局所刺激による血行促進や、痛みを感じる神経の働きを一時的に抑える効果があるとされています。

選択肢1. 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と同様の化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物として、抗炎症作用をもたらす。

誤りです。
サリチル酸メチルは、ステロイド骨格を持たず、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)とは構造も作用も異なります。 

抗炎症作用はあるが、ステロイドとは異なるメカニズムで働くため、この記述は誤りです。

選択肢2. 主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺(ひ)を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている。

正しいです。
サリチル酸メチルは、局所刺激作用によって血行を促進し、知覚神経を軽く麻痺させることで痛みを和らげると考えられています。 

主に外用鎮痛薬や消炎薬に配合されることが多く、筋肉痛や関節痛の緩和を目的として使用されます。

選択肢3. 肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える作用を示す。

誤りです。
ヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす成分であり、抗ヒスタミン薬がヒスタミン受容体と結合を妨げることで作用を抑えます。 

しかし、サリチル酸メチルはこのような作用を持たず、ヒスタミンの働きを抑える成分ではありません。

選択肢4. 末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、血管の拡張による血行促進作用をもたらす。

誤りです。
アセチルコリンに類似した作用(コリン作用)は、血管を拡張させることがありますが、サリチル酸メチルにはこのような作用はありません。 血行促進の仕組みは異なるため、この記述は誤りです。

選択肢5. 患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

誤りです。
皮膜を形成して皮膚を保護する作用は、酸化亜鉛や亜鉛華軟膏などの成分に見られますが、サリチル酸メチルは皮膜形成作用を持ちません。 

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03

この問題は「サリチル酸メチルの作用」についての問題です。

 

サリチル酸メチルの作用:主として、局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられています。

選択肢1. 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と同様の化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物として、抗炎症作用をもたらす。

誤りです。

グリチルリチン酸二カリウムについての説明です。

選択肢2. 主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺(ひ)を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている。

正しい選択肢です。

選択肢3. 肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える作用を示す。

誤りです。

抗ヒスタミン成分についての説明です。

クロルフェニラミンマイレン塩酸、カルビノキサミンマイレン酸塩、クレマスチンフマル酸塩などがあげられます。

選択肢4. 末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、血管の拡張による血行促進作用をもたらす。

誤りです。

カルプロニウム塩化物についての説明です。

選択肢5. 患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

誤りです。

収斂・皮膚保護成分(酸化亜鉛)についての説明です。

まとめ

この解説は厚生労働省作成「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)」を参考にして作成しています。

登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月):

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html

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