通関士の過去問
第49回(平成27年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問83

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問題

通関士試験 第49回(平成27年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問83 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税の徴収に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 関税の徴収権の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない。
  • 関税の徴収権の時効は、納税に関する告知に係る部分の関税については、その告知の効力が生じた時に中断し、その告知に指定された納付に関する期限までの期間を経過した時から更に進行する。
  • 関税の徴収権の時効は、督促に係る部分の関税については、その督促の効力が生じた時に中断し、その督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して20日を経過した日から更に進行する。
  • 関税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた関税に係るものの時効は、当該関税の法定納期限等から5年間は、進行しない。
  • 関税についての関税の徴収権の時効が中断した場合であっても、その中断した部分の関税に係る延滞税についての関税の徴収権については、その時効は中断しない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:正しい
関税法基本通達14の2-1に
「納税者による時効の援用を要せず、また、時効完成後における
利益の放棄は認められない」
と規定されています
これにより時効の完成後に関税の納付があった場合には、
過誤納金として納税者に還付されることになります。

2:正しい
関税法第十四条の二第二項に
関税の徴収権について国税通則法第七十三条を準用すると
されており、同法では
「国税の徴収権の時効は納税に関する告知に指定された納付に
関する期限までの期間は完成せず、当該期間を経過したときから
新たに時効の進行を始める。」
と規定されています。
したがって、関税の徴収権の時効についても
納税に関する告知に係る部分の関税については、
その告知の効力が生じた時に中断し、その告知に指定された
期限までの期間を経過した時から更に進行することになります

3:誤り
本問についても国税通則法第七十三条の規定が準用されており
同法第四号には
「督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して
“10日”を経過した日」まで時効が中断すると規定されています
関税法第十四条の二において関税の徴収権についても上記規定が準用されるため、
督促状等を発した日から”20日”は誤りとなります

4:誤り
国税通則法第七十三条第三項には
「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れた国税
に係る時効は、当該国税の法定納期限から”二年間”は進行しない」
と規定されています
関税法第十四条の二において関税の徴収権についても
同法の規定が準用されるため”五年間”は誤りとなります

5:誤り
国税通則法第七十三条第五項の規定によれば
国税についての徴収権の時効が中断した場合は当該国税に係る延滞税の
徴収権の時効も同様に中断することとなっております。
関税法第十四条の二において上記規定が準用されるため、
関税の徴収権の時効が中断した場合、その中断した部分の関税に係る
延滞税の徴収権についても、その”時効が中断”します。
したがって、本問中の”中断しない”は誤りです。

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02

関税の徴収についての設問です。

基本的には税関長の権限は国家権力に基づくもののため、

納税(義務)者を守るために規定されている部分が多いです。

選択肢1. 関税の徴収権の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない。

正しい選択肢です。

関税法基本通達に「納税者による時効の援用を要せず、

また時効完成後における利益の放棄は認められない」

と規定されています。

時効の援用とは時効の完成によって利益を受ける者(納税者)が

時効の完成を主張することです。

つまり「時効の援用を要せず」とは納税者が事項の完成を主張しなくても

時効が成立するということです。

これにより時効の完成後に関税の納付があった場合には、

過誤納金として納税者に還付されることになります。

選択肢2. 関税の徴収権の時効は、納税に関する告知に係る部分の関税については、その告知の効力が生じた時に中断し、その告知に指定された納付に関する期限までの期間を経過した時から更に進行する。

正しい選択肢です。

関税の徴収権について国税通則法第七十三条を準用すると

されており、同法では

「国税の徴収権の時効は納税に関する告知に指定された納付に

関する期限までの期間は完成せず、当該期間を経過したときから

新たに時効の進行を始める。」

と規定されています。

関税の徴収権の時効についても

納税に関する告知に係る部分の関税については、

その告知の効力が生じた時に中断し、その告知に指定された

期限までの期間を経過した時から更に進行することになります。

選択肢3. 関税の徴収権の時効は、督促に係る部分の関税については、その督促の効力が生じた時に中断し、その督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して20日を経過した日から更に進行する。

誤っている選択肢です。

国税通則法第七十三条の規定が準用されており

同法第四号には

「督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して

10日”を経過した日」まで時効が中断すると規定されています。

関税法第十四条の二において関税の徴収権についても上記規定が準用されるため、

督促状等を発した日から”20日”は誤りとなります。

選択肢4. 関税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた関税に係るものの時効は、当該関税の法定納期限等から5年間は、進行しない。

誤っている選択肢です。

国税通則法第七十三条第三項には

「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れた国税

に係る時効は、当該国税の法定納期限から”2年間”は進行しない」

と規定されています。

関税法第十四条の二において関税の徴収権についても

同法の規定が準用されるため”5年間”は誤りとなります。

選択肢5. 関税についての関税の徴収権の時効が中断した場合であっても、その中断した部分の関税に係る延滞税についての関税の徴収権については、その時効は中断しない。

誤っている選択肢です。

国税通則法第七十三条第五項の規定によれば

国税についての徴収権の時効が中断した場合は当該国税に係る延滞税の

徴収権の時効も同様に中断することとなっております。

関税法第十四条の二において上記規定が準用されるため、

関税の徴収権の時効が中断した場合、その中断した部分の関税に係る

延滞税の徴収権についてもその”時効が中断”します。

したがって、本問中の”中断しない”は誤りです。

参考になった数15

03

関税の徴収に関する問題です。

選択肢1. 関税の徴収権の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない。

正しい記述です。

選択肢2. 関税の徴収権の時効は、納税に関する告知に係る部分の関税については、その告知の効力が生じた時に中断し、その告知に指定された納付に関する期限までの期間を経過した時から更に進行する。

正しい記述です。

選択肢3. 関税の徴収権の時効は、督促に係る部分の関税については、その督促の効力が生じた時に中断し、その督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して20日を経過した日から更に進行する。

誤っている記述です。

督促に係る部分の関税については、その督促の効力が生じた時に中断し、その督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して10日を経過した日から更に進行します。

選択肢4. 関税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた関税に係るものの時効は、当該関税の法定納期限等から5年間は、進行しない。

誤っている記述です。

偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた関税に係るものの時効は、当該関税の法定納期限等から2年間は進行しません。

選択肢5. 関税についての関税の徴収権の時効が中断した場合であっても、その中断した部分の関税に係る延滞税についての関税の徴収権については、その時効は中断しない。

誤っている記述です。

関税についての関税の徴収権の時効が中断した場合、その中断した部分の関税に係る延滞税についての関税の徴収権については、その時効は中断されます。

参考になった数10