通関士の過去問
第52回(平成30年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問41

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問題

通関士試験 第52回(平成30年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税の確定及び納付に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  • 税関長は、納税申告に係る貨物の関税の納付前にする更正であって、課税標準又は納付すべき税額を減額するものについては、更正通知書の送達に代えて、当該納税申告をした者に当該納税申告に係る書面に記載した課税標準又は納付すべき税額を是正させることによってすることができる。
  • 申告納税方式が適用される貨物を輸入する場合であっても、当該貨物に係る関税が無税のときは、当該貨物に係る関税の納付に関する申告は要しない。
  • 税関長は、輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けて引き取られた貨物に係る課税標準又は納付すべき税額につきその納税申告に誤りがないと認めた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)のほか、当該貨物に係る輸入申告書の番号及び品名その他参考となるべき事項を、書面により、当該引取りの承認を受けた者に通知する。
  • 税関長は、過少申告加算税を徴収しようとするときは、納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達することにより、納税の告知をしなければならない。
  • 関税を納付しようとする者は、その納付すべき税額が1,000万円未満の場合であって、当該関税を納付しようとする者のクレジットカードによって決済することができる金額以下であるときは、当該クレジットカードの決済に係る業務を行う会社に対し、その納付を委託することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1と3です。

1→○
関税法第7条の16(更正及び決定)、第4項において、”納税申告に係る貨物の輸入の許可前にする更正は、これらの手続きに代えて、納税申告をしたものに当該納税申告に係る書面に記載した税額等を是正させ、又はこれを是正してその旨を当該納税申告をした者に通知することによってすることができる”とあります。
正しい記述です。

2→×
関税法第6条の2より、”納付すべき税額又は当該税額がないことが納税義務者のする申告により確定することを原則とし…”とあります。無税であっても申告は必要です。

3→○
関税法第7条の17より、”税関長の商品を受けて引き取られた貨物に係る税額等につきその納税申告に誤りがないと認めた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)その他政令で定める事項を、書面により、当該引き取りの承認を受けた者に通知する”とあります。
正しい記述です。

4→×
関税法第9条の3では、次に掲げる関税”以外”のものを徴収するとき、納税の告知をしなければならないとしています。
第三項で、”過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税”が挙げられています。
よって、過少申告加算税は納税の告知は不要です。

5→×
関税においてクレジットカードの決済に係る業務を行う会社に対し、その納付を委託することは、第52回通関士試験が行われた時点ではありません。

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02

関税の確定及び納付に関する問題です。

選択肢1. 税関長は、納税申告に係る貨物の関税の納付前にする更正であって、課税標準又は納付すべき税額を減額するものについては、更正通知書の送達に代えて、当該納税申告をした者に当該納税申告に係る書面に記載した課税標準又は納付すべき税額を是正させることによってすることができる。

正しい内容です。

関税法第7条16に、税関長が当該更正又は決定に係る課税標準、当該更正又は決定により納付すべき税額その他政令で定める事項を記載した更正通知書又は決定通知書を送達して行う。ただし、納税申告に係る貨物の輸入の許可前にする更正は、これらの手続に代えて、納税申告をした者に当該納税申告に係る書面に記載した税額等を是正させ、又はこれを是正してその旨を当該納税申告をした者に通知することによつてすることができると規定されております。

選択肢2. 申告納税方式が適用される貨物を輸入する場合であっても、当該貨物に係る関税が無税のときは、当該貨物に係る関税の納付に関する申告は要しない。

誤った内容です。

関税が無税である時も申告が必要です。

選択肢3. 税関長は、輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けて引き取られた貨物に係る課税標準又は納付すべき税額につきその納税申告に誤りがないと認めた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)のほか、当該貨物に係る輸入申告書の番号及び品名その他参考となるべき事項を、書面により、当該引取りの承認を受けた者に通知する。

正しい内容です。 

関税法第7条17に、税関長は、輸入の許可前における貨物の引取りの規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物に係る税額等につきその納税申告に誤りがないと認めた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)その他政令で定める事項を、書面により、当該引取りの承認を受けた者に通知すると規定されております。

選択肢4. 税関長は、過少申告加算税を徴収しようとするときは、納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達することにより、納税の告知をしなければならない。

誤った内容です。

過少申告加算税を徴収しようとするときは、賦課決定通知書を送達することにより、納税の告知を実施します。

選択肢5. 関税を納付しようとする者は、その納付すべき税額が1,000万円未満の場合であって、当該関税を納付しようとする者のクレジットカードによって決済することができる金額以下であるときは、当該クレジットカードの決済に係る業務を行う会社に対し、その納付を委託することができる。

誤った内容です。

その納付すべき税額が1,000万円未満であり、その者のクレジットカードによって決済することができる金額以下である場合、なおかつ、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを使用して行う納付受託者に対する通知を行うことが出来る場合は、財務省令で定めるものに基づき委託することができます。

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03

関税の確定及び納付に関する問題です。

細かい内容をポイントで覚えましょう。

選択肢1. 税関長は、納税申告に係る貨物の関税の納付前にする更正であって、課税標準又は納付すべき税額を減額するものについては、更正通知書の送達に代えて、当該納税申告をした者に当該納税申告に係る書面に記載した課税標準又は納付すべき税額を是正させることによってすることができる。

正しい記述です。

😃1.関税の納付前にする更正

2.減額する

3.是正させる(必ず「是正」という言葉を使います。)

選択肢2. 申告納税方式が適用される貨物を輸入する場合であっても、当該貨物に係る関税が無税のときは、当該貨物に係る関税の納付に関する申告は要しない。

「当該貨物に係る関税が無税のときは、当該貨物に係る関税の納付に関する申告は要しない」という内容が誤っています。

申告納税方式が適用される貨物を輸入する場合、関税の有無と関わらず、輸入申告をしなければならないと規定されております。

選択肢3. 税関長は、輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けて引き取られた貨物に係る課税標準又は納付すべき税額につきその納税申告に誤りがないと認めた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)のほか、当該貨物に係る輸入申告書の番号及び品名その他参考となるべき事項を、書面により、当該引取りの承認を受けた者に通知する。

正しい記述です。

1.輸入許可前の引取承認を受けた

2.納税申告に誤りがない

3.書面により通知する

選択肢4. 税関長は、過少申告加算税を徴収しようとするときは、納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達することにより、納税の告知をしなければならない。

納税告知書を送達することにより」という内容が誤っています。

過少申告加算税の税額は、賦課課税方式により確定されます

税関長は、過少申告加算税を徴収しようとするときは、賦課決定通知書に納税告知書を添付して、輸入者に送達すると規定されております。

選択肢5. 関税を納付しようとする者は、その納付すべき税額が1,000万円未満の場合であって、当該関税を納付しようとする者のクレジットカードによって決済することができる金額以下であるときは、当該クレジットカードの決済に係る業務を行う会社に対し、その納付を委託することができる。

当該クレジットカードの決済に係る業務を行う会社に対し、その納付を委託することができる」という内容が誤っています。設問のような規定はありません。

NACCSを使用した場合、口座振替による関税の納付が可能ですが、クレジットカードによる関税の納付はできません。

😃関税のクレカ決済はダメです

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