通関士の過去問
第52回(平成30年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問49

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問題

通関士試験 第52回(平成30年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問49 (訂正依頼・報告はこちら)

次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。

1  本邦のMは、A国の家具製造者Xとの間で家具(一式)を本邦に到着させることを目的とした売買契約を締結した。その後、Mは本邦のYとの間で当該家具を本邦に到着させることを目的とした売買契約を締結し、当該家具は、Mの指示により、XからYへ向けて輸出され、Yにより本邦に輸入された。

2  MとXとの間の売買契約における当該家具の価格(FOB価格)は、1,200,000円である。

3  MとYとの間の売買契約における当該家具の価格(FOB価格)は、1,800,000円である。

4  Mは、Xからの請求に基づき、当該家具の価格とは別に、当該家具の生産に使用された工具に係る費用として80,000円を支払った。

5  Yは、当該家具の価格とは別に、次に掲げる費用を負担した。
イ  当該家具がA国の輸出港から本邦の輸入港に到着するまでの運送に要する運賃・・・・・・250,000円
ロ  A国における当該家具の包装に係る材料費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40,000円
ハ  A国における当該家具の包装作業に係る人件費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60,000円

6  上記の者のいずれの間にも特殊関係はない。
  • 2050000
  • 2060000
  • 2120000
  • 2150000
  • 2160000

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この過去問の解説 (3件)

01

輸入貨物の課税価格を計算する問題です。

加算要素と加算しない要素を判断しながら、進みましょう。

選択肢4. 2150000

1.「当該家具は、Mの指示により、XからYへ向けて輸出され、Yにより本邦に輸入された。」という内容から見ると、輸入者はYで、輸出者はXになります。

YとXの間に、Mが存在しますが、Yが家具を輸入するために、Mとの間の売買契約に基づき、当該家具の価格(FOB価格)1800000を支払いました。

つまり、現実支払価格=1800000

2.Mは、Xからの請求に基づき、当該家具の価格とは別に、当該家具の生産に使用された工具に係る費用として支払った80000円は、加算しません。買い手は、Yですから。

3.(イ)当該家具がA国の輸出港から本邦の輸入港に到着するまでの運送に要する運賃250000円は、加算します。

4.(ロ)A国における当該家具の包装に係る材料料40000円は、加算します。
5.(ハ)A国における当該家具の包装作業に係る人件費60000円は、加算します。

6.課税価格=1+3+4+5=1800000+250000+40000+60000=2150000

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02

課税価格の計算に関する問題です。

選択肢4. 2150000

関税定率法基本通達4-1⑵イの規定により、②が当該輸入貨物の現実支払価格となる。

①「本邦のMは、A国の家具製造者Xとの間で家具(一式)を本邦に到着させることを目的とした売買契約を締結」/ FOB価格 1,200,000円

 X(売り手)→ M(買い手)

②「Mは本邦のYとの間で当該家具を本邦に到着させることを目的とした売買契約を締結」

 M(売り手)→ Y(買い手)/ FOB価格 1,800,000円

③1,800,000円+250,000円+40,000円+60,000円=2,150,000円

(別払い費用”イ”、”ロ”、”ハ”が加算要素に該当します)

※「当該家具の生産に使用された工具に係る費用として支払った80,000円」は加算要素ではありません。②での取引の際に当該費用を考慮して加算した金額で契約しているため、2重で加算していることになってしまうからです。

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03

正解は4です。

現実支払い価格は、輸入する際に実際生じている取引がMとYの売買契約であることから、1,800,000円です。

また、加算要素として問題分の”イ”、”ロ”、”ハ”が該当します。(輸入するまでに発生した費用)

課税価格はこれらを合算し、
1,800,000円+250,000円+40,000円+60,000円=2,150,000円

答えは2,150,000円です。

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