通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関業法 問28
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問題
通関士試験 第53回(令和元年) 通関業法 問28 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関業者又は通関士の義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- 通関業者が営業所に通関士を置くことを要しない場合における当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうこととされている。
- 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないこととされており、法令に規定する証人、鑑定人として裁判所において陳述する場合は、この「正当な理由」があるときに該当する。
- 通関業者は、関連業務の料金の額を営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならないこととされており、掲示する料金表の様式及び掲示場所については、社会通念上妥当と考えられる方法により各通関業者が自由に定めて差し支えないこととされている。
- 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないこととされており、依頼者の許諾がある場合であっても、この「正当な理由」があるときに該当しない。
- 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないこととされており、この「通関業務に関して知り得た秘密」とは、通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般には知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいうこととされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1,2,3,5です。
1→○
通関業法第13条より、”当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が第3条第2項の規定により一定の種類の貨物のみに限られている場合は、この限りではない。”とあります。
また、一定の種類の貨物とは、簡易かつ定型化されているものを指しますので、正しい記述です。
2→○
通関業者及び通関士、その他通関業務従事者は、通関業法第19条により、”正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない”とあります。しかし法令に規定する証人、鑑定人として裁判所において陳述する場合は、正当な理由とされます。
正しい記述です。
3→○
通関業法第18条において、”通関業者は通関業務の料金の額を営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならない。”とあり、その場所については社会通念上妥当と考えられる方法により各通関業者が自由に定めて差支えありません。
正しい記述です。
4→×
問題文の”依頼者の許諾がある場合”は正当な理由に該当します。
誤りです。
5→○
通関業法第19条により、”通関業者及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。”とあります。この通関業務に関して知り得た秘密とは、一般的には知られておらず、かつ、知られていないことによって、依頼者やその関係者に利益があると客観的に認められるものをいいます。
正しい記述です。
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02
通関業者又は通関士の義務に関する問題です。
通関業法基本通達に関する内容を問われており、難易度は高いですが、同じような問題が出題された場合は確実に正解出来るようにしておいて下さい。
正しい内容です。
通関業法基本通達 13―1に、 「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうと規定されております。
正しい内容です。
通関業法基本通達19―1 、第19条((秘密を守る義務))の規定の適用について、「正当な理由がある場合」とは、次のような場合をいう。
イ 依頼者の許諾がある場合
ロ 法令に規定する証人、鑑定人等として裁判所において陳述する場合
ハ その他法令に基づく求めに応じて陳述する場合
正しい内容です。
通関業法基本通達18―2
料金の額の掲示に係る様式及び掲示場所については、社会通念上妥当と考えられる方法により各通関業者が自由に定めることとして差し支えないものとする。また、通関業者が当該料金の額の掲示について、インターネット上で閲覧を可能とする方法により行う場合(営業所において料金の額を表示する方法により行わない場合に限る。)には、当該通関業者に対し、当該料金の額を掲載したホームページのアドレス(二次元コードを含む。)を営業所において依頼者に見やすいように掲示することを求めるものとする。
誤った内容です。
通関業法基本通達19―1 、第19条((秘密を守る義務))の規定の適用について、「正当な理由がある場合」とは、次のような場合をいう。
イ 依頼者の許諾がある場合
ロ 法令に規定する証人、鑑定人等として裁判所において陳述する場合
ハ その他法令に基づく求めに応じて陳述する場合
依頼者の許諾がある場合は「正当な理由」に該当します。
正しい内容です。
通関業法基本通達19―1 ⑵、 「通関業務に関して知り得た秘密」とは、通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般に知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいうと規定されております。
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03
本問は、通関業者と通関士の義務の内容を問う問題です。
正しい。
通関業法基本通達13-1の通りです。
営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が、通関業の許可に付された条件により一定の種類の貨物のみに限られている場合には、その営業所に通関士を置くことを要しないとされています(通関業法13条但書)。
そして、「一定の種類の貨物のみに限られている場合」がどのような場合かについては通関業法基本通達で規定されています。
通関業法基本通達13-1によると「行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合」であり、「限定された通関手続のみを反復継続的に行い、当該手続が全体として簡易であり、貨物全般の通関に関する広い知識の有無にかかわらず適正な手続の完了が期待できる」必要があるとされています。
正しい。
通関業法基本通達19-1(1)ロの通りです。
正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用する行為は、通関業法19条で禁止されており、「正当な理由」がどのような場合かは通関業法基本通達で規定されています。
通関業法基本通達19-1(1)では、「正当な理由がある場合」とは、イ「依頼者の許諾がある場合」ロ「法令に規定する証人、鑑定人等として裁判所において陳述する場合」ハ「その他法令に基づく求めに応じて陳述する場合」、をいうとされています。
正しい。
通関業法18条により、「通関業者は、通関業務(第7条に規定する関連業務を含む。)の料金の額を営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならない」とされています。
通関業法基本通達18-2で「料金の額の掲示に係る様式及び掲示場所については、社会通念上妥当と考えられる方法により各通関業者が自由に定めることとして差し支えない」とされています。
なお、掲示の様式や場所については上の通りですが、料金の額については、依頼者を保護するため、分かりやすく、金額が予測できることが必要とされています。通関業法基本通達18-1では「依頼者にとって分かりやすいものでなければなら」ず、「貨物の特性、取扱規模等の事情により料金に割増・割引が生じる場合等についてはその適用がある旨を、当該料金の額に含まれない実費を別途請求する場合についてはその旨を記載したものでなければならない」とされています。
誤り。
通関業法基本通達19-1(1)イによると、「依頼者の許諾がある場合」は通関業法19条の「正当な理由」があるときに該当するとされています。
正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用する行為は、通関業法19条で禁止されており、「正当な理由」がどのような場合かは通関業法基本通達で規定されています。
通関業法基本通達19-1(1)では、「正当な理由がある場合」とは、イ「依頼者の許諾がある場合」ロ「法令に規定する証人、鑑定人等として裁判所において陳述する場合」ハ「その他法令に基づく求めに応じて陳述する場合」、をいうとされています。
正しい。
通関業法基本通達19-1(2)の通りです。
正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用する行為は、通関業法19条で禁止されており、「通関業務に関して知り得た秘密」とはどのようなものをいうかは通関業法基本通達で規定されています。
通関業法基本通達19-1(2)によると、「通関業務に関して知り得た秘密」とは、「通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般に知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいう」とされています。
各肢の解説で記載した通関業法基本通達の内容を確認しておきましょう。
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