通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関業法 問30
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問題
通関士試験 第53回(令和元年) 通関業法 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関士となる資格及び通関士の資格の喪失に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- 通関士試験に合格した者は、どの税関の管轄区域内においても、通関士となる資格を有する。
- 偽りその他不正の手段により通関業法第31条第1項の確認(通関業者が通関士試験に合格した者を通関士としてその通関業務に従事させようとする場合における財務大臣の確認)を受けたことが判明し、通関士の資格を喪失し、通関士でなくなった者は、当該確認を受けた通関業者のその他の通関業務の従業者として通関業務に従事することはできない。
- 関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受け、通関士の資格を喪失し、通関士でなくなった者は、通関士試験の合格の決定についても取り消されることとなる。
- 通関士試験の合格の事実を偽って通関業法第31条第1項の確認(通関業者が通関士試験に合格した者を通関士としてその通関業務に従事させようとする場合における財務大臣の確認)を受けたことが判明した者は、通関士の資格を喪失し、通関士でなくなるものとされている。
- 通関業法第31条第1項の確認(通関業者が通関士試験に合格した者を通関士としてその通関業務に従事させようとする場合における財務大臣の確認)を受けた通関業者の通関業務に従事しないこととなった通関士は、通関士の資格を喪失し、通関士でなくなるものとされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1→○
通関業法第25条において、”通関士試験に合格した者は、どの税関の管轄区域内においても、通関士となる資格を有する。”とあります。
正しい記述です。
2→×
通関業法第32条において、”偽りその他不正の手段により第31条第1項の確認を受けたことが判明したとき”、通関士の資格を喪失します。ここまでは正しい記述です。
通関業者のその他の通関業務の従事者として通関業務に従事することについては問われていません。
3→×
通関業法第29条において、”税関長は、不正の手段によって通関士試験を受け、若しくは受けようとし、又は試験科目の免除を受け、若しくは受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができる。”とあります。
合格を取り消すことについて、問題文の違反行為については言及されていません。
4→×
問題文のように、通関士試験の合格の事実を偽って確認を受けた場合は、そもそも通関士の資格を有していないので、資格喪失に該当しません。
通関業法基本通達32-1(4)に記載があります。
5→○
問題文の通りです。
正しい記述です。
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02
通関士となる資格及び通関士の資格の喪失に関する問題です。
正しい内容です。
通関業法第25条に、通関士試験に合格した者は、どの税関の管轄区域内においても、通関士となる資格を有すると規定されております。
誤った内容です。
「偽りその他不正の手段により前条第一項の確認を受けたことが判明したとき」は通関業法第32条に規定されている通関士の資格の喪失の内容です。
ですが、通関士でなくなった者は、当該確認を受けた通関業者のその他の通関業務の従業者として通関業務に従事することはできないという規定はありません。
誤った内容です。
関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をした場合に関する内容については、合格の取り消しについての規定はされておりません。
誤った内容です。
通関士試験の合格の事実を偽って確認を受けた場合は、そもそも通関士の資格を有していないので、資格喪失に該当しません。
正しい内容です。
本問の内容通りです。
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03
本問は、通関士の資格とその喪失についての知識を問うものです。
正しい
通関業法25条の文言通りです。
通関業法25条では、「通関士試験に合格した者は、どの税関の管轄区域内においても、通関士となる資格を有する」と規定されています。
誤り
本肢のように、偽りその他不正な手段により通関士の確認を受けたことが判明した場合は、「通関士でなくなる」とされています(通関業法32条4号)。
通関士としての業務ができなくなるのみで、その他の通関業務の従事者として通関業務に従事することまでは禁止されていません。
誤り
関税法111条違反により通関士の資格を喪失(通関業法32条2号、6条4号イ)した場合、通関士試験合格の決定は取り消されません。
通関士試験の合格の決定が取り消されうるのは「不正の手段によって通関士試験を受け、若しくは受けようとし、又は試験科目の免除を受け、若しくは受けようとした者」です(通関業法29条1項)。
通関士資格の喪失と合格の取消との関係については、通関業法基本通達で以下の説明がされています。
「法第32条により通関士の資格を喪失した場合であっても同条第3号に該当する場合※を除き、通関士試験合格の資格は喪失しない。したがって、この場合には欠格事由に該当する場合を除き、再び法第31条第1項の規定による確認を受けて通関士となることができる。」(通関業法基本通達32-1⑷)。
※不正の手段によって通関士試験を受けたなどの理由で通関士試験の合格の決定が取り消された場合
誤り
「通関士の資格を喪失し、通関士でなくなるものとされている」という部分が誤りです。
通関士試験の合格を偽って通関業31条の確認を受けた者は、そもそも通関士試験に合格していないので「通関士」ではありません。
正しい
本肢は「確認を受けた通関業者の通関業務に従事しないこととなったとき」に該当し、通関士の資格を喪失する場合にあたります(通関業法32条1号)。
通関業法基本通達32-1(2)では、「通関業者の通関業務に従事しないこととなったとき」とは、退職や通関業者の通関業務以外の業務への転出をいう、とされています。
通関士の資格を喪失する場合と通関士試験の合格が取り消される場合の違いに注意が必要です。
通関業法基本通達32-1⑷でも説明されていますが、通関業法32条により通関士の資格を喪失した場合、必ずしも通関士試験合格の資格は喪失しません。
合格の資格も喪失するのは、不正の手段によって通関士試験を受けたなどの理由で通関士試験の合格の決定が取り消された場合です。
通関士の資格の喪失のみであれば、欠格事由に該当する場合を除き、再度通関業法31条1項の確認を受けて通関士となることができます(肢5のような場合など)。
なお、そもそも通関士試験に合格していない場合(肢4)は、通関士の資格・合格の資格どちらも有せず、喪失するかという問題にならないので、よく読む必要があります。
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