通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問42
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問題
通関士試験 第53回(令和元年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問42 (訂正依頼・報告はこちら)
下表の左欄(「物品」の欄)に掲げる物品については、これらの物品が生鮮のものである場合には、同表の右欄(「関税率表の項」の欄)に掲げる関税率表の項に属するものであるが、これらの物品を水煮により調理し、冷凍した場合、属する類の変更が生じることとなるものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- 物品:牛肉 関税率表の項:第02.01項
- 物品:殻付きのかに 関税率表の項:第03.06項
- 物品:殻を除いてあるえび 関税率表の項:第03.06項
- 物品:にんじん 関税率表の項:第07.06項
- 物品:ストロベリー 関税率表の項:第08.10項
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1,3となります。
【解説】
類は2桁、項は4桁、号は6桁の数字で表されます。今回の場合は、類変更なので2桁の変更を問われています。一般的に、加熱などの加工をすると、肉や魚などに代表される類(2,3または5類)は16類に、野菜や果物(7,8類)は20類に行くと考えられますが、殻付きのかにと殻を除いてあるえびに代表されるように紛らわしいものもあります。このような事例は、関税率表の単純に知識を問う問題から、申告書作成に実務の総合力を問う問題としても使用されるので、しっかり覚えていきましょう。
1.正解です。
第16類の注1より、第2類、第3類又は第05.04項に定める方法により調整し又は保存に適する処理をした肉、くず肉、魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物を含まないとあります。牛肉を水煮により調理し、冷凍した場合の加工は第2類には記載されていないので、第16.02項に変更が生じるので類変更になります。
2.誤りです。
第03.06項の項注より、蒸気または水煮による調理をした殻付きの甲殻類(冷凍したものであるかを問わない)とあるので、殻付きのかに(甲殻類)は第03.06項からの変更はありません。
3.正解です。
選択肢2とほとんど同じですが、今回は同じ甲殻類のえびでも、殻を除いて蒸気または水煮による調理をしたものになるので、第3類に記載されたような加工を超えています。従って、第16.05項に変更が生じるので類変更になります。
4. 誤りです。
第07.10項の項注より、冷凍野菜(調理していないもの及び蒸気又は水煮による調理をしたものに限る)とあります。従って、第07.06項のにんじんを水煮により調理して冷凍した場合、第07.10項に変更が起こりますが、項変更ですが類変更にはなりません。
5. 誤りです。
第08.11項の項注より、冷凍果実及びナット(調理していないもの及び蒸気又は水煮による調理をしたものに限る)とあります。従って、第08.10項のストロベリーを水煮により調理して冷凍した場合、第08.11項に変更が起こりますが、項変更ですが類変更にはなりません。
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02
関税率表の分類変更に関する問題です。
変更が生じる
第16.02「その他の調製をし又は保存に適する処理をした肉、くず肉、血及び昆虫類」に類が変更となります。
変更が生じない
第03.06項「殻類、くん製した甲殻類(殻を除いてあるかないか又はくん製する前に若しくはくん製する際に加熱による調理をしてあるかないかを問わない。)及び蒸気又は水煮による調理をした殻付きの甲殻類」のままです。
変更が生じる
水煮による調理をした殻を除いたえびは、第3類に定める方法により調製したものでない(水煮による調理をして殻を除くことは、第03.06項に定める調理法ではない)ことからえびの調製品として第16類に分類されます。
変更が生じない
第07.06項のにんじんを水煮により冷凍調理した場合、第07.10項へ変更となります。ですが、類の変更ではありません。
変更が生じない
第08.10項のストロベリーを水煮により冷凍した場合、第08.11項へ変更となります。ですが、類変更ではありません。
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03
本問は、関税率表での品目の分類についての知識を問う問題です。
類の変更が生じる
2類から16類に変更となります。
牛肉は生鮮であれば関税率表02.01項に該当、2類に含まれます。関税率表2類に含まれる肉及び食用のくず肉には、生鮮、冷蔵、冷凍したものと、塩蔵し、塩水漬けし、乾燥し又はくん製したもの、食用の粉及びミールとがあり、水煮したものは含まれていません。
水煮により調理し、冷凍した肉は、16類(16.02項の「その他の調製をし又は保存に適する処理をした肉」)に該当します。
類の変更は生じない
殻付きのかには生鮮でも水煮して冷凍したものも3類に含まれます。
関税表03.06項には「甲殻類(生きているもの、生鮮のもの及び冷蔵し、冷凍し、乾燥し、塩蔵し又は塩水漬けしたものに限るものとし、殻を除いてあるかないかを問わない。)、くん製した甲殻類(殻を除いてあるかないか又はくん製する前に若しくはくん製する際に加熱による調理をしてあるかないかを問わない。)及び蒸気又は水煮による調理をした殻付きの甲殻類(冷蔵し、冷凍し、乾燥し、塩蔵し又は塩水漬けしたものであるかないかを問わない。)」とあります。
類の変更が生じる
3類から16類に変更になります。
甲殻類について、生鮮であれば殻を除いたものも3類に含まれますが、水煮による調理をしたものについては、殻付きのものは3類、殻を除いたものは16類に含まれます。
03.06項には「甲殻類(生きているもの、生鮮のもの及び冷蔵し、冷凍し、乾燥し、塩蔵し又は塩水漬けしたものに限るものとし、殻を除いてあるかないかを問わない。)、くん製した甲殻類(殻を除いてあるかないか又はくん製する前に若しくはくん製する際に加熱による調理をしてあるかないかを問わない。)及び蒸気又は水煮による調理をした殻付きの甲殻類(冷蔵し、冷凍し、乾燥し、塩蔵し又は塩水漬けしたものであるかないかを問わない。)」とあります。
類の変更は生じない
項のみ変更となります。
にんじんは7類に含まれ、生鮮では07.06項「にんじん(中略)その他これらに類する食用の根(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る。)」に該当します。
水煮による調理をし、冷凍したものについては、07.10項「冷凍野菜(調理してないもの及び蒸気又は水煮による調理をしたものに限る。)」に該当します。
類の変更は生じない
項のみ変更となります。
ストロベリーは8類に含まれ、生鮮では08.10項「その他の果実(生鮮のものに限る。)」に該当します。
水煮による調理をし、冷凍したものについては、08.11項「冷凍果実及び冷凍ナット(調理してないもの及び蒸気又は水煮による調理をしたものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない。)」に該当します。
表の全てを覚えることは不可能ですが、過去に出題された品目について確認して、ポイントを押さえておきましょう。
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