通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問43

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問題

通関士試験 第53回(令和元年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税法第7条第3項の規定に基づく関税率表の適用上の所属の教示に係る照会(以下「事前照会」という。)に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  • 事前照会は、原則として、文書により照会を受け、文書で回答することにより行うこととされているが、これによらず、口頭により照会があった場合には、口頭で回答することとされている。
  • 文書による事前照会があった場合において、その照会書の記載事項に不明な点があるとき又は審査に必要な資料が不足しているときには、照会者に対して記載事項の補正又は資料の追加提出等を求め、当該記載事項の補正又は資料の追加提出等がなされるまでは、当該照会書を受理しないこととされている。
  • 文書による事前照会に係る貨物の内容及び回答書の内容について、その照会対象となった貨物が新規の輸入品であり、市場に流通する前に他者に知られることによりその照会者又はその関係者が不利益を受けるおそれがある場合であって、当該照会者から一定期間内(180日を超えない期間内)につき公開しないことを求める申出があったときは、当該貨物の内容及び回答書の内容は、当該申出に係る期間後に公開されることとされている。
  • 事前照会に対する回答書の内容は、その該当する限度において、当該回答書の交付又は送達のあった日から5年を経過する日まで、輸入(納税)申告の審査上、尊重するものとされている。
  • 事前照会に対する回答書の交付があった日後において、法令が改正され、当該回答書が参考とならなくなった場合であっても、当該回答書の内容は、当該交付があった日から3年を経過する日までは、輸入(納税)申告の審査上、尊重するものとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1,2,3となります。

【解説】
関税法第7条第3項の規定に基づく関税率表の適用上の所属の教示に係る照会(以下「事前照会」についてです。近年、TPP11協定などの経済連携協定が数多く締結して、関税率表の適用上の所属の教示に係る照会だけでなく、原産地に係る照会等も日々重要度を増しています。試験問題に頻出ということは、税関の出題者も制度を理解して利用して欲しいということだと思います。しっかり理解して、通関士として適切に制度を利用していきましょう。

1. 正解です。
関税法基本通達7-17より、事前照会は原則として文書による照会を受け、文書で回答するとありますが、これによらず口頭により照会があった場合には口頭で回答することとされています。

2. 正解です。
同法基本通達7-18(3)ハ(ロ)より、照会応答担当者は、照会書の記載事項に不明点があるとき又は審査に必要な資料が不足しているときには、紹介者に対して記載事項の補正または資料の追加提出などを求め、当該記載事項の補正又は資料の追加提出等がなされるまでは、当該照会書を受理しないこととされています。

3. 正解です。
同法基本通達7-18(6)イより、文書による事前照会に係る貨物の内容及び回答書の内容について、その照会対象となった貨物が新規の輸入品であり、市場に流通する前に他社に知られることによりその紹介者又はその関係者が不利益を受けるおそれがある場合であって、当該紹介者から言って期間内(180日を超えない期間内)につき公開しないことを求める申出があったときは、当該貨物の内容及び回答書の内容は、当該申出に係る期間後に公開されることとされています。

4. 誤りです。
 同法基本通達7-18(9)ロ(イ)より、事前照会に対する回答書の内容は、その該当する限度において、当該回答書の項又は送達のあった日から3年を経過する日まで、輸入(納税)申告の審査上、尊重されるものとされています。

5. 誤りです。
 同法基本通達7-18(9)ロ(ハ)より、事前照会に対する回答書の交付があった日後において法令または通達の改正により、参考とならなくなった事前照会の回答書等は、輸入(納税)申告の審査上、尊重されないとされています。

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02

関税率表の適用上の事前照会に関する問題です。

選択肢1. 事前照会は、原則として、文書により照会を受け、文書で回答することにより行うこととされているが、これによらず、口頭により照会があった場合には、口頭で回答することとされている。

正しい内容です。

関税法基本通達7-17に、原則として、文書により照会を受け、文書で回答することにより行うこととするとされておりますが、これによらず、口頭により照会があった場合には、口頭で回答することとすると規定されております。

選択肢2. 文書による事前照会があった場合において、その照会書の記載事項に不明な点があるとき又は審査に必要な資料が不足しているときには、照会者に対して記載事項の補正又は資料の追加提出等を求め、当該記載事項の補正又は資料の追加提出等がなされるまでは、当該照会書を受理しないこととされている。

正しい内容です。

関税法基本通達7-18(3)に、本問の内容が規定されております。

選択肢3. 文書による事前照会に係る貨物の内容及び回答書の内容について、その照会対象となった貨物が新規の輸入品であり、市場に流通する前に他者に知られることによりその照会者又はその関係者が不利益を受けるおそれがある場合であって、当該照会者から一定期間内(180日を超えない期間内)につき公開しないことを求める申出があったときは、当該貨物の内容及び回答書の内容は、当該申出に係る期間後に公開されることとされている。

正しい内容です。

関税法基本通達7-18(6)に本問の内容が規定されております。

選択肢4. 事前照会に対する回答書の内容は、その該当する限度において、当該回答書の交付又は送達のあった日から5年を経過する日まで、輸入(納税)申告の審査上、尊重するものとされている。

誤った内容です。

関税法基本通達7-18(9)より、当該回答書の交付又は送達のあった日から3年を経過する日までが正しい内容です。

選択肢5. 事前照会に対する回答書の交付があった日後において、法令が改正され、当該回答書が参考とならなくなった場合であっても、当該回答書の内容は、当該交付があった日から3年を経過する日までは、輸入(納税)申告の審査上、尊重するものとされている。

誤った内容です。

関税法基本通達7-18(9)に、法令が改正され、当該回答書が参考とならなくなった場合には、3年以内であっても、輸入申告の審査上、尊重されないとされております。

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03

本問は、事前照会についての知識を問う問題です。

選択肢1. 事前照会は、原則として、文書により照会を受け、文書で回答することにより行うこととされているが、これによらず、口頭により照会があった場合には、口頭で回答することとされている。

正しい

関税法基本通達7-17で規定されている通りです。

選択肢2. 文書による事前照会があった場合において、その照会書の記載事項に不明な点があるとき又は審査に必要な資料が不足しているときには、照会者に対して記載事項の補正又は資料の追加提出等を求め、当該記載事項の補正又は資料の追加提出等がなされるまでは、当該照会書を受理しないこととされている。

正しい

関税法基本通達7-18(3)ハ(ロ)本文にて規定されている通りです。

選択肢3. 文書による事前照会に係る貨物の内容及び回答書の内容について、その照会対象となった貨物が新規の輸入品であり、市場に流通する前に他者に知られることによりその照会者又はその関係者が不利益を受けるおそれがある場合であって、当該照会者から一定期間内(180日を超えない期間内)につき公開しないことを求める申出があったときは、当該貨物の内容及び回答書の内容は、当該申出に係る期間後に公開されることとされている。

正しい

関税法基本通達7-18(6)柱書、イの通りです。

照会貨物の内容及び回答の内容は、回答後原則として公開されますが、公開により照会者又はその関係者が不利益を受けるおそれがある場合の公開の時期や内容についての例外が定められています。

 

関税法基本通達7-18(6)柱書では以下規定されています。

「関税率表適用上の所属区分等の適用及び原産地認定の透明性の向上を図っていく観点から、照会貨物の内容及び回答の内容は、回答後原則として公開とし、税関ホームページ等を利用して輸入者等一般の閲覧に供するものとする。

ただし、次の要件に該当する場合で、照会者から一定期間内(180日を超えない期間内)につき公開しないことを求める申出があったものについては、当該申出に係る期間後に公開することとする。」

上の例外が認められる要件の一つとして、関税法基本通達7-18(6)イで

「照会対象となった貨物が新規の輸入品であり、市場に流通する前に他者に知られることにより照会者又はその関係者が不利益を受けるおそれがある場合」が定められています。

選択肢4. 事前照会に対する回答書の内容は、その該当する限度において、当該回答書の交付又は送達のあった日から5年を経過する日まで、輸入(納税)申告の審査上、尊重するものとされている。

誤り

「5年を経過する日まで」という部分が誤りです。正しくは「3年を経過する日まで」となります(関税法基本通達7-17(9)イ、ロ(イ)より)。

 

関税法基本通達7-17(9)イにより「輸入(納税)申告書に、(中略)申告者に対して交付若しくは送達された回答書(中略)が添付されている場合には、当該申告書の審査上、当該回答書(中略)に記載された関税率表適用上の所属区分、関税率及び統計品目番号並びに原産地を尊重する」と規定されています。

そして、関税法基本通達7-17(9)ロ(イ)で、「その発出日(中略)から3年を経過した回答書等」は「輸入(納税)申告書の審査上、尊重しない」とされています。

選択肢5. 事前照会に対する回答書の交付があった日後において、法令が改正され、当該回答書が参考とならなくなった場合であっても、当該回答書の内容は、当該交付があった日から3年を経過する日までは、輸入(納税)申告の審査上、尊重するものとされている。

誤り

法令の改正により参考とならなくなった回答書の内容は、参考とならなくなった部分については尊重されません(関税法基本通達7-17(9)イ、ロ(ハ)より)。

 

関税法基本通達7-17(9)イにより「輸入(納税)申告書に、(中略)申告者に対して交付若しくは送達された回答書(中略)が添付されている場合には、当該申告書の審査上、当該回答書(中略)に記載された関税率表適用上の所属区分、関税率及び統計品目番号並びに原産地を尊重する」と規定されています。

そして、関税法基本通達7-17(9)ロ(ハ)「法令又は通達の改正により、参考とならなくなった回答書等」は「該当する限度において、輸入(納税)申告書の審査上、尊重しない」

まとめ

尊重されるのは、文書による回答が添付されているときであることにも注意が必要です。

関税法基本通達でも「尊重される回答を希望する場合には、(中略)文書による回答を求める必要がある」と度々注意書きがなされています。

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