通関士の過去問
第53回(令和元年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問84

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問題

通関士試験 第53回(令和元年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問84 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、保税地域に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  • 単に運航の自由を失った船舶に積まれている外国貨物は「難破貨物」に含まれ、税関長の許可を受けることなく保税地域以外の場所に置くことができる。
  • 保税蔵置場において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物(信書を除く。)又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設けなければならない。
  • 税関空港における出国者に対する外国貨物の保税販売を行おうとする場合には、その物品の販売用施設(販売カウンター、ショーウィンドー及び保管棚等が置かれ、出国者に外国貨物を保税販売又は引渡す施設をいう。)又は保管用施設について、保税蔵置場の許可を受けなければならない。
  • 保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年であり、税関長は、特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定してこれを延長することができることとされているが、原油又は石油ガスを備蓄用に蔵置する場合は、この「特別の事由があると認めるとき」に該当しない。
  • 財務大臣は、指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由によりその全部又は一部を存置する必要がないと認めるときは、これについて指定保税地域の指定を取り消すことができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 誤りです。
 関税法基本通達30-1より、難破貨物とは遭難その他の事故により船舶(又は航空機)から離脱した貨物と定義づけられています。従って、単に運航の自由を失った船舶に積まれた貨物はこれにふくまれないため誤りです。

2. 正解です。
 関税法第34条の2より、(保税蔵置場を含む)保税地域において貨物を管理する者は、その管理するか外国貨物又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設けなければいけません。

3. 正解です。
  関税法基本通達42-15より、税関空港及び開港などにおける出国者に対する外国貨物の販売は、その物品の販売用施設(販売カウンター、ショーウィンドー及び保管棚等が置かれ、出国者に外国貨物を保税販売又は引き渡す施設をいう。)又は保管用施設について、保税蔵置場の許可を受けさせる必要があるとあります。

4. 誤りです。
 関税法第43条の2より、税関長は特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定して前項の期間(当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年)を延長することができるとあります。関税法基本通達43の2-2(1)より、税関長は特別の事由があると認めるときの定義に原油又は石油ガスを備蓄用に蔵置する場合が含まれているので誤りとなります。

5. 正解です。
 関税法第37条第2項より、財務大臣は指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由に因りその全部又は一部を存知する必要がないと認めるときは、これについて指定保税地域の指定を取り消すことができるとあります。

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02

関税法に規定されている保税地域に関する問題です。

選択肢1. 単に運航の自由を失った船舶に積まれている外国貨物は「難破貨物」に含まれ、税関長の許可を受けることなく保税地域以外の場所に置くことができる。

誤った内容です。

関税法基本通達30―1に、関税法第30条第1項第1号((外国貨物を置く場所の制限の例外としての難破貨物))に掲げる「難破貨物」とは、遭難その他の事故により船舶又は航空機から離脱した貨物をいう。したがつて、単に運航の自由を失つた船舶又は航空機に積まれている貨物は、これに含まれないと規定されております。

選択肢2. 保税蔵置場において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物(信書を除く。)又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設けなければならない。

正しい内容です。

関税法第34条の2に、保税地域(保税工場及び保税展示場を除く)において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設け、政令で定める事項を記載しなければならないと規定されております。

選択肢3. 税関空港における出国者に対する外国貨物の保税販売を行おうとする場合には、その物品の販売用施設(販売カウンター、ショーウィンドー及び保管棚等が置かれ、出国者に外国貨物を保税販売又は引渡す施設をいう。)又は保管用施設について、保税蔵置場の許可を受けなければならない。

正しい内容です。

関税法基本通達42―15に、税関空港及び開港等における出国者に対する外国貨物の保税販売は、その物品の販売用施設(販売カウンター、ショーウィンドー及び保管棚等が置かれ、出国者に外国貨物を保税販売又は引渡す施設をいう。)又は保管用施設について保税蔵置場の許可を受けさせ、これに蔵置して行わせるものとすると規定されております。

選択肢4. 保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年であり、税関長は、特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定してこれを延長することができることとされているが、原油又は石油ガスを備蓄用に蔵置する場合は、この「特別の事由があると認めるとき」に該当しない。

誤った内容です。  

関税法第43条の2より、保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年とし、税関長は、特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定して前項の期間を延長することができると規定されております。

この特別の事由があると認めるときの内容が、関税法基本通達43の2―2に具体的に以下のように、規定されております。

 (1) 原油又は石油ガスを備蓄用に蔵置する場合

 (2) 船舶又は航空機の部分品等を外国貿易船等の修繕用に蔵置する場合

 (3) 太平洋横断ケーブル用の物品を修繕用に蔵置する場合

 (4) 国際的な商品取引所(例えば、ロンドン金属取引所等)において取り引きするために蔵置す 

 る場合

 (5)国際的な商品取引や積戻しが見込まれる美術品等(個別に識別及び管理されるもの)の保管 

 を行うために蔵置する場合

 (6)ウイスキーの原酒等を熟成のために長期蔵置する場合

 (7)積戻し又は国内に引き取ることが契約等で確定しており、具体的な搬出予定がある場合

 (8)前記42―15及び42―16に規定する保税販売のため引き続き蔵置する場合

 (9)市況の急激な変動等により引き続き蔵置することがやむを得ないと認められる場合

選択肢5. 財務大臣は、指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由によりその全部又は一部を存置する必要がないと認めるときは、これについて指定保税地域の指定を取り消すことができる。

正しい内容です。

関税法第37条2項に、財務大臣は、指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由に因りその全部又は一部を存置する必要がないと認めるときは、これについて前項の指定を取り消すことができると規定されております。

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03

関税法に規定されている保税地域に関する問題です。

選択肢1. 単に運航の自由を失った船舶に積まれている外国貨物は「難破貨物」に含まれ、税関長の許可を受けることなく保税地域以外の場所に置くことができる。

誤った内容です。

関税法基本通達30―1に、

関税法第30条第1項第1号((外国貨物を置く場所の制限の例外としての難破貨物))に掲げる「難破貨物」とは、遭難その他の事故により船舶又は航空機から離脱した貨物をいう。したがつて、単に運航の自由を失つた船舶又は航空機に積まれている貨物は、これに含まれない。

と規定されています。

選択肢2. 保税蔵置場において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物(信書を除く。)又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設けなければならない。

正しい内容です。

関税法第34条の2に、保税地域(保税工場及び保税展示場を除く)において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設け、政令で定める事項を記載しなければならない。

と規定されています。

選択肢3. 税関空港における出国者に対する外国貨物の保税販売を行おうとする場合には、その物品の販売用施設(販売カウンター、ショーウィンドー及び保管棚等が置かれ、出国者に外国貨物を保税販売又は引渡す施設をいう。)又は保管用施設について、保税蔵置場の許可を受けなければならない。

正しい内容です。

関税法基本通達42―15に、

税関空港及び開港等における出国者に対する外国貨物の保税販売は、その物品の販売用施設(販売カウンター、ショーウィンドー及び保管棚等が置かれ、出国者に外国貨物を保税販売又は引渡す施設をいう。)又は保管用施設について保税蔵置場の許可を受けさせ、これに蔵置して行わせるものとする。

と規定されています。

選択肢4. 保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年であり、税関長は、特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定してこれを延長することができることとされているが、原油又は石油ガスを備蓄用に蔵置する場合は、この「特別の事由があると認めるとき」に該当しない。

誤った内容です。  

関税法第43条の2より、保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年とし、税関長は、特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定して前項の期間を延長することができると規定されております。

この特別の事由があると認めるときの内容が、関税法基本通達43の2―2に具体的に以下のように、規定されています。

 (1) 原油又は石油ガスを備蓄用に蔵置する場合

 (2) 船舶又は航空機の部分品等を外国貿易船等の修繕用に蔵置する場合

 (3) 太平洋横断ケーブル用の物品を修繕用に蔵置する場合

 (4) 国際的な商品取引所(例えば、ロンドン金属取引所等)において取り引きするために蔵置す 

 る場合

 (5)国際的な商品取引や積戻しが見込まれる美術品等(個別に識別及び管理されるもの)の保管 

 を行うために蔵置する場合

 (6)ウイスキーの原酒等を熟成のために長期蔵置する場合

 (7)積戻し又は国内に引き取ることが契約等で確定しており、具体的な搬出予定がある場合

 (8)前記42―15及び42―16に規定する保税販売のため引き続き蔵置する場合

 (9)市況の急激な変動等により引き続き蔵置することがやむを得ないと認められる場合

選択肢5. 財務大臣は、指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由によりその全部又は一部を存置する必要がないと認めるときは、これについて指定保税地域の指定を取り消すことができる。

正しい内容です。

関税法第37条2項に、

財務大臣は、指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由に因りその全部又は一部を存置する必要がないと認めるときは、これについて前項の指定を取り消すことができる。

と規定されています。

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