通関士の過去問
第53回(令和元年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問104

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問題

通関士試験 第53回(令和元年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問104 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税法に規定する輸出してはならない貨物に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
  • 意匠権を侵害する物品であっても、郵便物として輸出するものである場合には、輸出してはならない貨物に該当しない。
  • 税関長は、特許権を侵害する物品で輸出されようとする貨物を没収することはできるが、これを廃棄することはできない。
  • 税関長は、輸出されようとする貨物のうちに著作権を侵害する物品に該当する貨物があると思料する場合であっても、その著作権に係る輸出差止申立てが行われていないときは、当該貨物が著作権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続を執ることを要しない。
  • 商標権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物を輸出しようとする者は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該貨物が商標権を侵害する貨物に該当するか否かについて特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。
  • 特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が関税法第6章(通関)に定めるところに従い輸出されようとする場合は、当該貨物について当該税関長又は他の税関長が、当該貨物が当該特許権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続を執るべきことを申し立てることができる。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 誤りです。
 関税法第69条の2第1項第3号に、意匠権を侵害する物品は輸出してはならない貨物に掲げられています。郵便物として輸出したら輸出してはならない等の例外規定は存在しません。

2. 誤りです。
 関税法第69条の2第2項より、税関長は特許権を侵害する物品を没収して廃棄することができます。

3. 誤りです。
 関税法第69条の3第1項より、税関長は輸出されようとする貨物のうち著作権を侵害する物品に該当する貨物があると思料される場合があるときは、当該貨物が輸出してはならない貨物になるか否かを認定するための手続きを執らなければいけません。関税法第69条の4に掲げている輸出してはならない貨物に係る申立て手続きは、その権利を有する者に与えられた権利です。税関長は、この権利の行使の有無にかかわらず、権利を侵害する物品があると思料した場合は認定手続きを執る必要があります。

4. 誤りです。
 関税法第69条の7第1項より、特許権、実用新案権若しくは意匠権を侵害する物品の輸出者は認定手続きが取られている期間に限り、税関長に対しその権利に応じて特許庁長官若しくは経済産業大臣の意見を聴くことができるとされています。しかしながら、商標権に関して意見を聴くことは定められておりません。

5. 正解です。
 関税法第69条の4第1項より、特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が関税法第6章に定めるところに従い輸出されようとする場合は、当該貨物について当該税関長又は他の税関長が、当該貨物が特許権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続きを執るべきことを申し立てすることができます。

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02

関税法に規定されている、輸出してはならない貨物に関する問題です。

選択肢1. 意匠権を侵害する物品であっても、郵便物として輸出するものである場合には、輸出してはならない貨物に該当しない。

誤った内容です。

関税法第69条の2に、意匠権を侵害する物品であれば、郵便物として輸出する場合には、輸出してはならない貨物に該当します。

選択肢2. 税関長は、特許権を侵害する物品で輸出されようとする貨物を没収することはできるが、これを廃棄することはできない。

誤った内容です。

関税法第69条の2第2項に、税関長は、特許権を侵害する物品る貨物で、輸出されようとするものを没収して廃棄することができると規定されております。

選択肢3. 税関長は、輸出されようとする貨物のうちに著作権を侵害する物品に該当する貨物があると思料する場合であっても、その著作権に係る輸出差止申立てが行われていないときは、当該貨物が著作権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続を執ることを要しない。

誤った内容です。

関税法第69条の3第1項に、税関長は、輸出されようとする貨物のうちに著作権を侵害する物品に該当する貨物があると思料する場合は、その著作権に係る輸出差止申立てが行われていないときであっても、政令で定めるところにより、認定手続を執らなければならないと規定されております。

選択肢4. 商標権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物を輸出しようとする者は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該貨物が商標権を侵害する貨物に該当するか否かについて特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。

誤った内容です。

関税法第69条の7第1項の内容で、特許権、実用新案権、意匠権を侵害する貨物については、特許庁長官の意見を聴くことを求めることが出来るが、商標権を侵害する貨物については、特許庁長官の意見を聴くことを求めることが出来ないとされております。

選択肢5. 特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が関税法第6章(通関)に定めるところに従い輸出されようとする場合は、当該貨物について当該税関長又は他の税関長が、当該貨物が当該特許権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続を執るべきことを申し立てることができる。

正解です。

関税法第69条の4第1項より、特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が関税法第6章に定めるところに従い輸出されようとする場合は、当該貨物について当該税関長又は他の税関長が、当該貨物が特許権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続きを執るべきことを申し立てすることができると規定されております。

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03

関税法に規定されている、輸出してはならない貨物に関する問題です。

選択肢1. 意匠権を侵害する物品であっても、郵便物として輸出するものである場合には、輸出してはならない貨物に該当しない。

誤った内容です。

関税法第69条の2に、

意匠権を侵害する物品であれば、郵便物として輸出する場合には、輸出してはならない貨物に該当します。

選択肢2. 税関長は、特許権を侵害する物品で輸出されようとする貨物を没収することはできるが、これを廃棄することはできない。

誤った内容です。

関税法第69条の2第2項に、

税関長は、特許権を侵害する物品る貨物で、輸出されようとするものを没収して廃棄することができる。

と規定されています。

選択肢3. 税関長は、輸出されようとする貨物のうちに著作権を侵害する物品に該当する貨物があると思料する場合であっても、その著作権に係る輸出差止申立てが行われていないときは、当該貨物が著作権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続を執ることを要しない。

誤った内容です。

関税法第69条の3第1項に、

税関長は、輸出されようとする貨物のうちに著作権を侵害する物品に該当する貨物があると思料する場合は、その著作権に係る輸出差止申立てが行われていないときであっても、政令で定めるところにより、認定手続を執らなければならない。

と規定されています。

選択肢4. 商標権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物を輸出しようとする者は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該貨物が商標権を侵害する貨物に該当するか否かについて特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。

誤った内容です。

関税法第69条の7第1項に、

特許権、実用新案権、意匠権を侵害する貨物については、特許庁長官の意見を聴くことを求めることが出来るが、商標権を侵害する貨物については、特許庁長官の意見を聴くことを求めることが出来ない。

と規定されています。

選択肢5. 特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が関税法第6章(通関)に定めるところに従い輸出されようとする場合は、当該貨物について当該税関長又は他の税関長が、当該貨物が当該特許権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続を執るべきことを申し立てることができる。

正しい内容です。

関税法第69条の4第1項に、

特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が関税法第6章に定めるところに従い輸出されようとする場合は、当該貨物について当該税関長又は他の税関長が、当該貨物が特許権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続きを執るべきことを申し立てすることができる。

と規定されています。

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