通関士の過去問
第54回(令和2年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問72

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問題

通関士試験 第54回(令和2年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問72 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を計算する場合に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  • 輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料のうち、専ら買手の管理の下で買手の計算と危険負担により、買付けに係るクレーム処理に関する交渉を行う業務をする者に対し、当該業務の対価として支払われるものの額は課税価格に含まれない。
  • 輸入貨物である繊維製品の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された物品のうち、当該繊維製品に縫い付けられている我が国の法律に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルに要する費用の額は課税価格に含まれない。
  • 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により値引きをして提供された役務のうち、当該輸入貨物の生産のために必要とされた意匠であって本邦において開発されたものに要する費用の額は課税価格に含まれる。
  • 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された当該輸入貨物に組み込まれている部分品について、その部分品の取得に係る業務を当該買手が代理人に委託した場合において、当該買手により当該代理人に対し、当該取得に係る業務の対価として支払われる手数料の額は課税価格に含まれない。
  • 輸入貨物が航空機により運送された貨物である場合において、当該貨物が公衆の衛生の保持のため緊急に輸入する必要があると認められるものであるときは、当該貨物についての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1,2,5となります。

1. 正しいです。

関税定率法基本通達4-9(3)の本文に買付手数料の定義がされています。設問から、今回は➀専ら買手の管理の下で買手の計算と危険負担によるものであること、②買付に係るクレーム処理に関する交渉を行う業務をするものに対する対価として支払われる額であることから、当該手数料は同通達4-9(3)イ(ニ)より買付手数料とみなされるものののうちのクレーム処理に関するものと考えることができます。従って、買付手数料は関税定率法第4条第1項第2号イカッコ書より課税価格に算入されないので、設問は正しいです。

2. 正しいです。

関税定率法基本通達4-12(1)より、輸入貨物である繊維製品の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された物品のうち、当該繊維製品に縫い付けられているわが国の法律に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルに要する費用の額は課税価格に含まれません。ここで特筆すべきは、のみとされている点なので、わが国の法律に基づき表示することが義務付けられているものと、そうでないものが混合されて表示されているラベルは課税価格に含まれるので要注意です。

3. 誤りです。

関税定率法第4条第1項第3号よりニ、及び同施行令第1条の5第3項より、輸入貨物の生産に必要とされている、本邦で開発された意匠(デザイン)に関する費用は、課税価格に含まれません。

4. 誤りです。

関税定率法基本通達4-12(6)より、買手が物品を取得する又は技術等の提供を受けるために要した費用(買手が自己の代理人に対し支払う手数料等)は、課税価格に含めるとあります。従って、本問のように買手により無償で提供された輸入貨物に組み込まれる部分品について、その部分品の取得を買手に代わり代理人に委託した場合の手数料は加算されることになります。

5. 正解です。

関税定率法第4条の6第1項より、輸入貨物が航空機により運送された貨物である場合において、当該貨物が公衆の衛生の保持のため緊急に輸入する必要があると認められるものであるときは、当該貨物についての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされています。

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02

関税定率法に規定されている課税価格の決定の原則に関する問題です。

選択肢1. 輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料のうち、専ら買手の管理の下で買手の計算と危険負担により、買付けに係るクレーム処理に関する交渉を行う業務をする者に対し、当該業務の対価として支払われるものの額は課税価格に含まれない。

正しい内容です。

買付手数料に該当するか否かの判断は、契約書等における名称のみに よるものではなく、手数料を受領する者が輸入取引において果たしている 役割及び提供している役務の性質を考慮して行うものとすると規定されております。

(関税定率法基本通達4-9(3))

選択肢2. 輸入貨物である繊維製品の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された物品のうち、当該繊維製品に縫い付けられている我が国の法律に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルに要する費用の額は課税価格に含まれない。

正しい内容です。

食品衛生法に基づく品名、原産国、原材 料等の表示ラベル、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品に対する品質、 洗濯ラベル等我が国の法律等に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルは含まないものとし、当該ラベルに要する費用の額は課税価格に算入しないものとする。

(関税定率法基本通達4-12(1))

選択肢3. 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により値引きをして提供された役務のうち、当該輸入貨物の生産のために必要とされた意匠であって本邦において開発されたものに要する費用の額は課税価格に含まれる。

誤った内容です。

輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により値引きをして提供された役務のうち、当該輸入貨物の生産のために必要とされた意匠であって本邦において開発されたものに要する費用の額は課税価格に含まれません。

(関税定率法第4条1項3号)

選択肢4. 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された当該輸入貨物に組み込まれている部分品について、その部分品の取得に係る業務を当該買手が代理人に委託した場合において、当該買手により当該代理人に対し、当該取得に係る業務の対価として支払われる手数料の額は課税価格に含まれない。

誤った内容です。

買手が物品を取得する又は技術等の提供を受けるために要した費用は、課税価格に含めると規定されております。

(関税定率法基本通達4-12(6))

選択肢5. 輸入貨物が航空機により運送された貨物である場合において、当該貨物が公衆の衛生の保持のため緊急に輸入する必要があると認められるものであるときは、当該貨物についての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされている。

正しい内容です。

輸入貨物が航空機により運送された貨物であるときは、これらの貨物のうち、無償の見本(航空機による運賃及び保険料により計算した場合の課税価格が少額であるものとして政令で定める額を超えないものに限る。)又は災害の救助、公衆の衛生の保持その他これらに準ずる目的のため緊急に輸入する必要があると認められる貨物その他これらに類する貨物で政令で定めるものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとする。

(関税定率法第4条の6第1項)

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03

【正解】

1.2.5

【解説】

1.正しい記述です

(定率法基本通達4ー9(3)イ(ニ))

2正しい記述です

(定率法基本通達4ー12(1))

3.誤った記述です

輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により値引きをして提供された

役務のうち、当該輸入貨物の生産のために必要とされた意匠であって本邦に

おいて開発されたものに要する費用の額は課税価格に含まれません。

(定率法4条1項3号ニ、定率令1条の5第3項)

4.誤った記述です

輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された当該

輸入貨物に組み込まれている部分品について、その部分品の取得に係る業務を

当該買手が代理人に委託した場合において、当該買手により当該代理人に対し

、当該取得に係る業務の対価として支払われる手数料の額は課税価格に含まれ

ます。

(定率法4条1項3号イ、定率令1条の5第2項、定率法基本通達4ー12(6)ニ)

5.正しい記述です

(定率法4条の6第1項)

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