通関士の過去問
第54回(令和2年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問105

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問題

通関士試験 第54回(令和2年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問105 (訂正依頼・報告はこちら)

次に掲げる物品のうち、関税暫定措置法第8条の2第1項の特恵関税に関し、関税暫定措置法施行令第26条第1項第1号の特恵受益国等(同法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等をいう。)において完全に生産された物品(当該物品とみなすものを含む。)に該当しないものはどれか。以下の関税暫定措置法施行規則第8条(完全に生産された物品の指定)の規定を参考にし、該当しないものを一つ選び、その番号をマークしなさい。なお、該当しないものがない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
次に掲げる物品については、各選択肢に掲げる特恵受益国等から本邦へ輸出されるものとし、また、各選択肢に記載されている材料以外の使用されうる材料については考慮しないものとする。

(参考)関税暫定措置法施行規則
(完全に生産された物品の指定)
第八条令第二十六条第一項第一号(原産地の意義)に規定する財務省令で定める物品は、次に掲げる物品とする。
一 一の国又は地域(法第八条の二第一項又は第三項に規定する国又は地域をいう。以下同じ。)において採掘された鉱物性生産品
二 一の国又は地域において収穫された植物性生産品
三 一の国又は地域において生まれ、かつ、成育した動物(生きているものに限る。)
四 一の国又は地域において動物(生きているものに限る。)から得られた物品
五 一の国又は地域において狩猟又は漁ろうにより得られた物品
六 一の国又は地域の船舶により公海並びに本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物
七 一の国又は地域の船舶において前号に掲げる物品のみを原料又は材料として生産された物品八一の国又は地域において収集された使用済みの物品で原料又は材料の回収用のみに適するもの
九 一の国又は地域において行なわれた製造の際に生じたくず
十 一の国又は地域において前各号に掲げる物品のみを原料又は材料として生産された物品
  • 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等であるA国において漁ろうにより得られたたこ(オクトプス属のもの)をA国において切断し、加熱し、冷凍したたこ調製品
  • 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等以外の地域(非原産国)において採取した種を、当該特恵受益国等であるA国において播種し、栽培した後、収穫したごぼう(冷蔵したもの)
  • 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等であるインドネシアにおいて収穫されたカシューナットと当該特恵受益国等であるベトナムにおいて収穫されたカシューナットとを使用し、ベトナムにおいて煎ったカシューナット調製品
  • 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等であるA国において収穫されたぶどうと日本からA国に輸出された酸化防止剤とを使用し、A国において生産されたスパークリングワイン
  • 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等以外の地域(非原産国)で収穫されたぶどうと、日本から当該特恵受益国等であるA国に輸出された酸化防止剤とを使用し、A国において生産されたスパークリングワイン
  • 該当なし

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この過去問の解説 (2件)

01

1完全生産品に該当します

関税暫定措置法8条の2第一項に規定する特恵関税等であるA国において漁ろうにより得られたたこ(オクトプス属のもの)はA国の完全生産品であり、これをA国において切断し、加熱し、冷凍したたこ調整品は暫定則8条5号、同条10号から判断してA国の完全生産品に該当します。

2完全生産品に該当します

関税暫定措置法8条の2第一項に規定する特恵受益国等以外の地域(非原産国)において採取した種を、当該特恵受益国であるA国において採取し、栽培した後、収穫したごぼう(冷蔵したもの)は暫定則8条2号から判断してA国の完全生産品に該当します。

3完全生産品に該当します

関税暫定措置法8条の2第一項に規定する特恵受益国等であるインドネシアにおいて収穫されたカシューナットと当該特恵受益国等であるベトナムにおいて収穫されたカシューナットとを使用し、ベトナムにおいて煎ったカシューナット調製品は「東南アジア諸国」の完全生産品に該当します(暫定令26条1項1号、同条3項、暫定則8条2号、同条10号)。なお、特恵受益国であるインドネシアおよびベトナムは「東南アジア諸国」として累積原産地制度の適用があり「東南アジア諸国」を1つの国とみなして原産地認定が行われます。

4完全生産品に該当します

関税暫定措置法8条の2第一項に規定する特恵受益国等であるA国において収穫されたぶどうと日本からA国に輸出された酸化防止剤とを使用し、A国において生産されたスパークリングワインは完全生産品に該当します(暫定令26条2項1号)。

日本から輸出された酸化防止剤は自国関与品であり自国関与品の特例扱いとなります。

5完全生産品に該当しません

関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等以外の地域(非原産国)で収穫されたぶどうと、日本から当該特恵受益国等であるA国に輸出された酸化防止剤とを使用し、A国において生産されたスパークリングワインは原料のぶどうがA国で収穫された植物性生産品ではないためA国の完全生産品には該当しません。(暫定令26条1項1号、暫定則8条2号、同条10号)なお、日本から輸出された酸化防止剤とA国で収穫されたぶどうから生産されたスパークリングワインであれば、A国の完全生産品に該当します。

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02

関税暫定措置法の特恵関税に関し、完全生産品であるかどうかを問われる問題です。

選択肢1. 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等であるA国において漁ろうにより得られたたこ(オクトプス属のもの)をA国において切断し、加熱し、冷凍したたこ調製品

該当する

関税暫定措置法施行規則第8条第10号

「一の国又は地域において前各号に掲げる物品のみを原料又は材料として生産された物品」

に該当するため、A国の完全生産品に該当します。

選択肢2. 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等以外の地域(非原産国)において採取した種を、当該特恵受益国等であるA国において播種し、栽培した後、収穫したごぼう(冷蔵したもの)

該当する

関税暫定措置法施行規則第8条第2号

「一の国又は地域において収穫された植物性生産品」

に該当するため、A国の完全生産品に該当します。

選択肢3. 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等であるインドネシアにおいて収穫されたカシューナットと当該特恵受益国等であるベトナムにおいて収穫されたカシューナットとを使用し、ベトナムにおいて煎ったカシューナット調製品

該当する

関税暫定措置法施行規則第8条第10号

「一の国又は地域において前各号に掲げる物品のみを原料又は材料として生産された物品」

に該当するため、A国の完全生産品に該当します。

暫定令第26条第3項に規定する東南アジア諸国(インドネシア、フィリピン及びベトナムの3か国をいう)内で生産された物品については、累積原産地制度が適用される。

この制度は、東南アジア諸国のうち2以上の国を通じて生産が行われて、本邦へ輸出される物品については、東南アジア諸国全体を一の国とみなして完全生産品として、実質的変更基準及び自国関与基準を適用するものです。

選択肢4. 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等であるA国において収穫されたぶどうと日本からA国に輸出された酸化防止剤とを使用し、A国において生産されたスパークリングワイン

該当する

関税暫定措置法施行規則第8条第10号

「一の国又は地域において前各号に掲げる物品のみを原料又は材料として生産された物品」

に該当するため、A国の完全生産品に該当します。

暫定令第26条第2項1号に、その生産された物品が当該本邦から輸出された物品又はこれと前項第一号に掲げる物品のみを原料又は材料として生産された場合には、当該生産された物品は、当該国又は地域において完全に生産された物品とみなすとされております。

選択肢5. 関税暫定措置法第8条の2第1項に規定する特恵受益国等以外の地域(非原産国)で収穫されたぶどうと、日本から当該特恵受益国等であるA国に輸出された酸化防止剤とを使用し、A国において生産されたスパークリングワイン

該当しない

スパークリングワインの製造に関して、特恵受益国等以外の地域(非原産国)で収穫されたぶどうを使用しているため、完全に生産された物品とはみなされません。

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