通関士の過去問
第55回(令和3年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問94

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問題

通関士試験 第55回(令和3年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問94 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定(以下「アセアン包括協定」という。)における関税についての特別の規定による便益に係る税率(以下「アセアン税率」という。)に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書の様式については、関税暫定措置法第8条の2(特恵関税等)の規定による特恵関税制度に基づく原産地証明書の様式で代用することができる。
  • アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、アセアン包括協定に基づく締約国原産品である旨を記載し、かつ、当該締約国原産品の輸出者が署名した仕入書で代用することができる。
  • アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする貨物がアセアン包括協定の締約国以外の地域を経由して本邦に運送されたものである場合において、当該貨物の課税価格の総額が30万円以下であるときは、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しない。
  • アセアン包括協定の規定により連続する原産地証明書の発給を受けた締約国原産品であって、かつ、当該連続する原産地証明書を発給した国から当該国以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送された貨物について、アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合は、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しない。
  • 関税法第76条第1項に規定する郵便物についてアセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合におけるアセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、日本郵便株式会社から税関長への当該郵便物の提示の日において、災害その他やむを得ない理由によることなく、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならないこととされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 .アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書の様式については、関税暫定措置法第8条の2(特恵関税等)の規定による特恵関税制度に基づく原産地証明書の様式で代用することができる。

→誤った記述です。代用することはできません。アセアン包括協定においては、当該原産地証明書の発給について権限を有する機関が発給したものでなければなりません。

2 .アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、アセアン包括協定に基づく締約国原産品である旨を記載し、かつ、当該締約国原産品の輸出者が署名した仕入書で代用することができる。

→誤った記述です。 仕入書で代用することはできません。アセアン包括協定においては、当該原産地証明書の発給について権限を有する機関が発給したものでなければなりません。

3 .アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする貨物がアセアン包括協定の締約国以外の地域を経由して本邦に運送されたものである場合において、当該貨物の課税価格の総額が30万円以下であるときは、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しない。

→誤った記述です。20万円以下が規定となります。

4 .アセアン包括協定の規定により連続する原産地証明書の発給を受けた締約国原産品であって、かつ、当該連続する原産地証明書を発給した国から当該国以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送された貨物について、アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合は、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しない。

→正しい記述です。

5 .関税法第76条第1項に規定する郵便物についてアセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合におけるアセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、日本郵便株式会社から税関長への当該郵便物の提示の日において、災害その他やむを得ない理由によることなく、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならないこととされている。

→正しい記述です。

参考になった数14

02

【正解】

4、5

【解説】

1.誤った記述です

アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書の様式については、

関税暫定措置法8条の2(特恵関税等)の規定による特恵関税制度に基づく

原産地証明書の様式で代用することはできません。

締約国原産地証明書はアセアン包括協定 において当該原産地証明書の発給につき

権限を有する機関が発給したものでなければならないと

関税法68条、施行令61条1項2号イ(1)、基本通達68-5-14に定められています。

2.誤った記述です

アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、アセアン包括協定に基づく

締約国原産品である旨を記載し、かつ、当該締約国原産品の輸出者が署名した仕入書で

代用することはできません。

締約国原産地証明書はアセアン包括協定において当該原産地証明書の発給につき

権限を有する機関が発給したものでなければならないと

関税法68条、施行令61条1項2号イ(1)、基本通達68-5-14に定められています。

3.誤った記述です

アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする貨物がアセアン包括協定の

締約国以外の地域を経由して本邦に運送されたものである場合において、

当該貨物の課税価格の総額が20万円以下であるときは、

当該貨物に係る輸入申告の際に、

アセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しないと

施行令61条1項2号ロに定められています。

4.正しい記述です

5.正しい記述です

参考になった数8

03

アセアン包括協定に関する問題です。

選択肢1. アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書の様式については、関税暫定措置法第8条の2(特恵関税等)の規定による特恵関税制度に基づく原産地証明書の様式で代用することができる。

誤った内容です。

関税暫定措置法第8条の2(特恵関税等)の規定による特恵関税制度に基づく原産地証明書の様式で代用することはできません。アセアン包括協定においては、当該原産地証明書の発給について権限を有する機関が発給したものでなければなりません。

(関税法施行令第61条1項2号)

選択肢2. アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、アセアン包括協定に基づく締約国原産品である旨を記載し、かつ、当該締約国原産品の輸出者が署名した仕入書で代用することができる。

誤った内容です。

締約国原産品の輸出者が署名した仕入書で代用することができるすることはできません。アセアン包括協定においては、当該原産地証明書の発給について権限を有する機関が発給したものでなければなりません。

(関税法施行令第61条1項2号)

選択肢3. アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする貨物がアセアン包括協定の締約国以外の地域を経由して本邦に運送されたものである場合において、当該貨物の課税価格の総額が30万円以下であるときは、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しない。

誤った内容です。

アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする貨物がアセアン包括協定の締約国以外の地域を経由して本邦に運送されたものである場合において、当該貨物の課税価格の総額が20万円以下であるときは、当該貨物に係る輸入申告の際に、アセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しないと規定されております。

(関税法施行令61条1項2号ロ)

選択肢4. アセアン包括協定の規定により連続する原産地証明書の発給を受けた締約国原産品であって、かつ、当該連続する原産地証明書を発給した国から当該国以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送された貨物について、アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合は、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しない。

正しい内容です。

アセアン包括協定の規定により連続する原産地証明書の発給を受けた締約国原産品であって、かつ、当該連続する原産地証明書を発給した国から当該国以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送された貨物について、アセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合は、当該貨物に係る輸入申告の際にアセアン包括協定に基づく運送要件証明書を提出することを要しないと規定されております。

(関税法施行令61条1項2号ロ)

選択肢5. 関税法第76条第1項に規定する郵便物についてアセアン税率の適用を受けて輸入しようとする場合におけるアセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、日本郵便株式会社から税関長への当該郵便物の提示の日において、災害その他やむを得ない理由によることなく、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならないこととされている。

正しい内容です。

アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、日本郵便株式会社から税関長への当該郵便物の提示の日において、災害その他やむを得ない理由によることなく、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならないこととされている。ただし、災害その他やむを得ない理由によりその期間を経過したものであるときは、この限りではない。

(関税法施行令61条3項)

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