通関士の過去問
第56回(令和4年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問23

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問題

通関士試験 第56回(令和4年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税定率法第4条に規定する課税価格の決定の原則に関するものであるが、( ハ )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選びなさい。

1 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により( イ )直接に提供された当該輸入貨物の生産のために使用された工具に要する費用は、課税価格に算入されない。
2 輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される( ロ )は、課税価格に算入されないこととされている。
3 買手による輸入貨物の( ハ )につき制限(買手による輸入貨物の販売が認められる地域についての制限等を除く。)があるときは、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することができない。
4 輸入貨物の( ニ )が当該輸入貨物の売手と買手との間で取引される当該輸入貨物以外の貨物の取引数量に依存して決定されるべき旨の条件その他当該輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件が当該輸入貨物の輸入取引に付されているときは、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することができない。
5 買手による輸入貨物の( ハ )による収益で間接に売手に帰属するものとされているものの額が( ホ )ときは、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することができない。
  • 明らかでない
  • 明らかな
  • 買付手数料
  • 加工により付加された価額
  • 現実支払価格
  • 国内における販売に係る通常の利潤及び一般経費
  • 国内販売価格
  • 仕入書価格を上回る
  • 処分又は使用
  • 仲介手数料
  • 取引価格
  • 値引きをして
  • 販売手数料
  • 無償で
  • 有償で

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は関税定率法4条「課税価格の決定の原則」に関する語群選択問題です。

課税価格の決定の原則に関する内容ついては、関税定率法4条の中で規定されております。

なお、課税価格とは、関税が課される算定の基礎となる価格のことを言います。

輸入貨物の課税価格は、売手(輸出者)と買手(輸入者)との現実支払い価格に対して、その含まれていない限度において運賃、手数料等の額を加えた価格となります。

なお、加算する費用の内容については細かく関税定率法、関税定率法施行令にて定められているので、過去問や条文をよく読み理解する必要があります。

では問題に進みましょう

選択肢4. 加工により付加された価額

不正解です。

具体的な加算要素は関税定率法4条2に記載がありますが、条文にはそのような記載はない為、不正解だと判断します。

選択肢5. 現実支払価格

不正解です。

具体的な加算要素は関税定率法4条2に記載がありますが、条文にはそのような記載はない為、不正解だと判断します。

選択肢7. 国内販売価格

不正解です。

具体的な加算要素は関税定率法4条2に記載がありますが、条文にはそのような記載はない為、不正解だと判断します。

選択肢9. 処分又は使用

具体的には関税定率法4条2に記載があり、以下となります。

輸入貨物に係る輸入取引に関し、次に掲げる事情のいずれかがある場合における当該輸入貨物の課税価格の決定については、次条から第四条の四まで(課税価格の決定方法の例外)に定めるところによる。

(1) 買手による当該輸入貨物の処分又は使用につき制限があること。

(2) 当該輸入貨物の取引価格が当該輸入貨物の売手と買手との間で取引される当該輸入貨物以外の貨物の取引数量又は取引価格に依存して決定されるべき旨の条件その他当該輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件が当該輸入貨物の輸入取引に付されていること。

(3) 買手による当該輸入貨物の処分又は使用による収益で直接又は間接に売手に帰属するものとされているものの額が明らかでないこと。

(4) 売手と買手との間に特殊関係がある場合において、当該特殊関係のあることが当該輸入貨物の取引価格に影響を与えていると認められること

(1)~(4) までの事情がある場合は原則的な課税価格の決定の方法にて課税価格を算定することができないこととなっています。

選択肢10. 仲介手数料

不正解です。

具体的な加算要素は関税定率法4条2に記載がありますが、条文にはそのような記載はない為、不正解だと判断します。

選択肢11. 取引価格

不正解です。

具体的な加算要素は関税定率法4条2に記載がありますが、条文にはそのような記載はない為、不正解だと判断します。

選択肢13. 販売手数料

不正解です。

具体的な加算要素は関税定率法4条2に記載がありますが、条文にはそのような記載はない為、不正解だと判断します。

まとめ

関税定率法4条2の原則的な課税価格の決定方法にて算定できない場合についての問題です。

どのような場合が原則的な方法で算定できない取引であるかを理解し、その他の取引に関して、問題が出た場合も回答出来るようにしておきましょう。

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02

課税価格の決定の原則に関する問題です。

選択肢9. 処分又は使用

正解は、「処分又は使用」につき制限があるとき です。

例えば、家電製品を輸入し、日本で販売する際に値引きすることが禁じられていたとします。その場合競合商品に競り負け、在庫を抱えてしまいうリスクがあります。買い手としてはリスクがある場合、その分安く価格設定する交渉をすることが想像できますね。その安い金額は妥当な価格とは言えません。他の輸入者が同機能の家電製品を輸入している価格より安くなると不平等ですよね。ですので課税価格の決定の原則を用いることはできません。

参考になった数9