通関士の過去問
第56回(令和4年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問31

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問題

通関士試験 第56回(令和4年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、特例輸入者及び特定輸出者に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 特例申告を行う場合は、特例申告に係る貨物で輸入の許可を受けたものについて、特例申告書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならない。
  • 特例輸入者が、本邦に迅速に引き取られる必要がない貨物を保税地域等に入れないで輸入申告をする場合は、当該貨物を保税地域等に入れないで輸入申告をすることにつき税関長の承認を受け、かつ、当該輸入申告を電子情報処理組織を使用して行わなければならない。
  • 税関長は、関税、内国消費税及び地方消費税の保全のために必要があると認めるときは、特例輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税、内国消費税及び地方消費税につき担保の提供を命ずることができ、特例輸入者が過去1年間において過少申告加算税を課された場合は、この「保全のために必要があると認めるとき」に該当することとされている。
  • 特定輸出者は、特定輸出申告を行った場合においては、当該特定輸出申告に係る貨物で輸出の許可を受けたものについて、貨物確認書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならない。
  • 特定輸出者は、特定輸出申告が行われ、輸出の許可を受けた貨物が輸出されないこととなったことにより当該貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなったときは、その許可をした税関長に対し、当該許可を取り消すべき旨の申請をすることはできず、当該貨物に係る輸入申告を行い、輸入の許可を受けなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

 特例申告は今の時代ではかなり広まってきています。出題されやすい範囲となります。

選択肢1. 特例申告を行う場合は、特例申告に係る貨物で輸入の許可を受けたものについて、特例申告書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならない。

正しい。

翌月末日が正解ですが、「その年の末日」や「当月末日」、「翌々月末日」などで引っ掛けてきます。9月5日に許可を受けた場合は10月31日が期限となります。

選択肢2. 特例輸入者が、本邦に迅速に引き取られる必要がない貨物を保税地域等に入れないで輸入申告をする場合は、当該貨物を保税地域等に入れないで輸入申告をすることにつき税関長の承認を受け、かつ、当該輸入申告を電子情報処理組織を使用して行わなければならない。

誤り。

電子情報処理組織を使用して行わなければならないという点は正しいです。税関長の承認は当該貨物に対して行われるものではなく、輸入者が承認を受け特例輸入者となりますのでこの点が誤りです。特例輸入者は保税地域への搬入前に輸入(引取)申告を行う事ができます。

選択肢3. 税関長は、関税、内国消費税及び地方消費税の保全のために必要があると認めるときは、特例輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税、内国消費税及び地方消費税につき担保の提供を命ずることができ、特例輸入者が過去1年間において過少申告加算税を課された場合は、この「保全のために必要があると認めるとき」に該当することとされている。

正しい。

税の確実な確保の観点で命じられる場合があります。

選択肢4. 特定輸出者は、特定輸出申告を行った場合においては、当該特定輸出申告に係る貨物で輸出の許可を受けたものについて、貨物確認書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならない。

誤り。

特定輸出者は輸出の許可の日の翌日から5年間、帳簿やその他書類を保存しなければなりません。

選択肢5. 特定輸出者は、特定輸出申告が行われ、輸出の許可を受けた貨物が輸出されないこととなったことにより当該貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなったときは、その許可をした税関長に対し、当該許可を取り消すべき旨の申請をすることはできず、当該貨物に係る輸入申告を行い、輸入の許可を受けなければならない。

誤り。

特定輸出者は輸出許可を取り消すべき申請をすることができます。その場合輸入申告を行う必要はありません。

参考になった数33

02

この問題は特例輸入者及び特定輸出者に関する問題です。

それぞれの違いを理解できるようにしっかり理解し問題を解きましょう。

では問題にすすみましょう。

選択肢1. 特例申告を行う場合は、特例申告に係る貨物で輸入の許可を受けたものについて、特例申告書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならない。

正解です。

当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならないとされております。

選択肢2. 特例輸入者が、本邦に迅速に引き取られる必要がない貨物を保税地域等に入れないで輸入申告をする場合は、当該貨物を保税地域等に入れないで輸入申告をすることにつき税関長の承認を受け、かつ、当該輸入申告を電子情報処理組織を使用して行わなければならない。

不正解です。

当該輸入申告を電子情報処理組織を使用して行わなければならないという規定はありません。

選択肢3. 税関長は、関税、内国消費税及び地方消費税の保全のために必要があると認めるときは、特例輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税、内国消費税及び地方消費税につき担保の提供を命ずることができ、特例輸入者が過去1年間において過少申告加算税を課された場合は、この「保全のために必要があると認めるとき」に該当することとされている。

正解です。

特例例輸入者が過去1年間において過少申告加算税を課された場合は該当することとされております。

選択肢4. 特定輸出者は、特定輸出申告を行った場合においては、当該特定輸出申告に係る貨物で輸出の許可を受けたものについて、貨物確認書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出しなければならない。

不正解です。

「特定輸出者」ではなく、「特定製造貨物輸出者」が、特定製造貨物輸出申告に貨物確認書を作成し、税関長に提出しなければなりません。

特定輸出申告は、「特定輸出者」がコンプライアンスの体制が整備された者としてあらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者が、保税地域等に貨物を搬入することなく輸出申告を行い、輸出の許可を受けることが出来る制度です。

 

選択肢5. 特定輸出者は、特定輸出申告が行われ、輸出の許可を受けた貨物が輸出されないこととなったことにより当該貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなったときは、その許可をした税関長に対し、当該許可を取り消すべき旨の申請をすることはできず、当該貨物に係る輸入申告を行い、輸入の許可を受けなければならない。

不正解です。

特定輸出者は、特定輸出申告が行われ輸出の許可を受けた貨物が輸出されないこととなったこと、その他の自由により当該特例輸出貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなった時は、その許可をした税関長に対し、当該許可を取り消すべき旨の申請をすることが出来るとされています。

まとめ

特定輸出者、特例輸入者制度は、貨物のセキュリティ管理とコンプライアンスの体制が整備された事業者に対し、税関が承認し、税関手続の簡素化策を提供する制度です。

問題を何度も解き、通常の輸出入者との違いを理解することが大切です。

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