通関士 過去問
第56回(令和4年)
問99 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問9)

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問題

通関士試験 第56回(令和4年) 問99(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額を選びなさい。

1 本邦の輸入者M(買手)は、A国の輸出者X(売手)との間において、プラスチック製品150個に係る延払条件付の売買契約を締結し、当該売買契約により当該プラスチック製品150個を輸入する。
2 当該売買契約には、次の事項が規定されている。
   イ  単価(工場渡し価格) ・・・ 50,000円/個
   ロ  数量値引きとして、当該売買契約における当該プラスチック製品の契約数量150個のうち、51個から100個までの50個については5%を、101個から130個までの30個については10%を、131個から150個までの20個については15%を1個当たりの単価から差し引く旨
   ハ  当該プラスチック製品の代金に係る支払期日を経過した場合には延払金利が発生する旨
3 Mは、A国所在の仲介者Bに対し、当該売買契約に係る輸入取引の成立のための仲介業務の手数料として、Xに支払う当該プラスチック製品150個の代金とは別に、200,000円を支払う。
4 Mは、当該プラスチック製品が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃として、当該プラスチック製品150個の代金とは別に、180,000円を運送会社に、当該運送に要する保険料60,000円を保険会社に対してそれぞれ支払う。ただし、当該プラスチック製品に損害がなかったため、保険会社からMに対し、保険契約に基づき支払った保険料のうち25,000円が払い戻されることとなっている。
5 Mは、当該プラスチック製品150個の代金に係る支払期日を経過したため、延払金利として、当該プラスチック製品150個の代金とは別に、100,000円をXに支払う。
6 M、X及びBの間には、それぞれ特殊関係はない。
  • 7,490,000円
  • 7,500,000円
  • 7,510,000円
  • 7,520,000円
  • 7,530,000円

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は課税価格の決定の原則の加算費用や控除費用を理解しておく必要があります。

選択肢1. 7,490,000円

2ロ の値引き後の価格を計算する

 定価50,000円x50個=2,500,000円

 5%値引き47,500円x50個=2,375,000円

 10%値引き45,000円x30個=1,350,000円

 15%値引き42,500円x20個=850,000円

 これらの合計は7,075,000円となります。

3の買手が負担する仲介手数料は加算費用となります。

4の輸入港までの運賃と保険料は加算費用となります。払い戻された保険料は控除します。

5の延払い金利は商品の価値とは関係ありませんので加算する必要はありません。

これを計算すると7,075,000円+200,000円+180,000円+60,000円ー25,000円=7,490,000円となります。

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02

課税価格価格の決定の原則に関する問題です。

選択肢1. 7,490,000円

加算要素は以下の内容です。

①製品価格 7,075,000円

 50,000円 x 50個=2,500,000円

 47,500円(5%値引き) x 50個=2,375,000円 

 45,000円(10%値引き) x 30個=1,350,000円

 42,500円(15%値引き) x 20個=850,000円

②輸入取引の成立のための仲介手数料 200,000円

③輸入港までの運賃保険料と払戻し保険料 (180,000円+60,000円ー25,000円) 215,000円

合計 7,490,000円となります

まとめ

「延払金利」 については、その額が明らかであるときは、現実支払価格に含まれませんので加算項目ではありません。また、払い戻された保険料については控除できますので覚えておきましょう。

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03

本問は、輸入貨物の課税価格を求める際の、数量値引きの処理や加算要素に該当するものについての知識を問う問題です。

選択肢1. 7,490,000円

1 まず、現実支払価格を求めます。

「輸入貨物の売手が数量値引き(貨物の取引数量に応じた当該貨物の価格の割引き)を行うこととしている場合で、当該輸入貨物に係る納税申告の際に当該値引きが行われることが確定しており、かつ、当該値引き後の価格が買手により現実に支払われるときは、当該値引き後の価格が法第4条第1項に規定する現実支払価格となる」と規定されています(関税定率法基本通達4-3柱書)。

 

本問では、1~50個   単価50,000円

51~100個  単価47,500円

101~130個 単価45,000円

131~150個 単価42,500円

現実支払価格は、

50,000×50+47,500×50+45,000×30+42,500×20=7,075,000円

なお、本契約には延払条件が付されていますが、

MがXに対して支払う延払金利100,000円(問題文5)は額が明らかであり、現実支払価格には含まれません。(関税定率法基本通達4-4(3))

 

2 次に、問題文に挙げられた各費用について加算要素に該当するか検討します。

・MがBに支払う仲介業務手数料200,000円(問題文3)

 →加算要素に該当する(関税定率法4条1項2号イ)

 

・輸入港までの運賃180,000円(問題文4)

加算要素に該当する(関税定率法4条1項1号)

 

・輸入港までの運送に係る保険料(問題文4)

加算要素に該当する(関税定率法4条1項1号)

また、「納税申告時の状況により払い戻される保険料の額が明らかである場合は、当該払い戻される額を控除した保険料をいう」とされているので(関税定率法基本通達4-8(4)ロ)、

加算する金額は

60,000-25,000=35,000円

 

以上より、現実支払価格+加算要素に該当する額により課税価格を計算すると、

7,075,000+200,000+180,000+35,000=7,490,000円 

参考になった数0