通関士の過去問
第57回(令和5年)
通関業法 問27

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問題

通関士試験 第57回(令和5年) 通関業法 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関士の設置に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに通関士の審査を要する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない。
  • 通関業者は、通関業務を行う営業所における業務量からみて通関士を置く必要がないと認められるときは、当該営業所に通関士を置くことを要しない。
  • 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、専任の通関士を1名以上置かなければならない。
  • 通関業者が通関業務を行う営業所に通関士を置くことを要しない場合における当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうこととされている。
  • 通関業者は、通関業務を行う営業所の新設の許可の条件として、その取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、当該営業所に通関士を置くことはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

通関士の設置に関する問題です。

 

選択肢1. 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに通関士の審査を要する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない。

正しい記述ですので、ポイントで覚えましょう。

😃①審査を要する通関書類の数、種類及び内容

必要な員数

選択肢2. 通関業者は、通関業務を行う営業所における業務量からみて通関士を置く必要がないと認められるときは、当該営業所に通関士を置くことを要しない。

通関士を置かなくてもいい条件をしっかり覚えましょう。

★①通関業務に係る貨物が、一定の種類のみに限られている

②通関業務の内容が簡易かつ定型化されている

😃業務量と関係ないですね。

選択肢3. 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、専任の通関士を1名以上置かなければならない。

専任の通関士を1名以上」という記述が誤っています。専任の通関士を設置する必要がないです。

😃専任という言葉自体は、もうアウトですね。法律が変わりましたからね。

選択肢4. 通関業者が通関業務を行う営業所に通関士を置くことを要しない場合における当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうこととされている。

正しい記述です。しっかりと覚えましょう。

★①通関業務に係る貨物が、一定の種類のみに限られている

②通関業務の内容が簡易かつ定型化されている

選択肢5. 通関業者は、通関業務を行う営業所の新設の許可の条件として、その取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、当該営業所に通関士を置くことはできない。

「通関士を置くことはできない」という記述が誤っています。

「取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、当該営業所に通関士の設置を要しない」と規定されております。

しかし、通関業者の判断により、設置しても構いません。ただし、設置した場合、通関士が通関書類の審査義務を負うことになります。

 

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02

通関業法に規定されている、通関士の設置に関する問題です。

選択肢1. 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに通関士の審査を要する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない。

正しい内容です。

通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びにる通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならないと規定されております。

(通関業法施行令第5条)

選択肢2. 通関業者は、通関業務を行う営業所における業務量からみて通関士を置く必要がないと認められるときは、当該営業所に通関士を置くことを要しない。

誤った内容です。

通関業者は、通関業務を適正に行うため、その通関業務を行う営業所ごとに、政令で定めるところにより、通関士を置かなければならない。ただし、当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が一定の種類の貨物のみに限られている場合は、この限りでないと規定されております。

当該営業所に通関士を置くことを要しない内容は、一定の種類の貨物のみに限られている場合のみです。

(通関業法第13条)

選択肢3. 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、専任の通関士を1名以上置かなければならない。

誤った内容です。

通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに次条に規定する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならないと規定されております。

なお、平成29年10月に施行された通関業法施行令の改正により専任の通関士の設置は必要なくなりました。
(通関業法施行令第5条)

選択肢4. 通関業者が通関業務を行う営業所に通関士を置くことを要しない場合における当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうこととされている。

正しい内容です。

通関士の設置に規定する「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうと規定されております。

(通関業法基本通達13-1)

選択肢5. 通関業者は、通関業務を行う営業所の新設の許可の条件として、その取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、当該営業所に通関士を置くことはできない。

誤った内容です。

取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合であっても当該営業所に通関士を置くことは出来ます。

(通関業法第13条)

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03

本問は、営業所に置く通関士の人数の基準、通関士を置かなくてもよい場合、について問う問題です。

選択肢1. 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに通関士の審査を要する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない。

正しい

通関業者は、「通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類」、通関士の審査を要する「通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない」ことが規定されています(通関業法13条、同法施行令5条、6条)。

選択肢2. 通関業者は、通関業務を行う営業所における業務量からみて通関士を置く必要がないと認められるときは、当該営業所に通関士を置くことを要しない。

誤り

通関業法13条但書で、通関士を置かなくてもよい場合が規定されていますが、業務量によって通関士を置く必要の有無を判断するわけではありません。

同但書では、その営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が、通関業の許可に付された条件により一定の種類の貨物のみに限られている場合を挙げています。

 

通関業法基本通達13-1によると、これは、「行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合」であり、「限定された通関手続のみを反復継続的に行い、当該手続が全体として簡易であり、貨物全般の通関に関する広い知識の有無にかかわらず適正な手続の完了が期待できる」必要があるとされています。つまり、通関業務が単純で定型化されていれば専門知識のある通関士を置かなくても通関業務を適正に処理できるだろう、ということです。

選択肢3. 通関業者は、通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、専任の通関士を1名以上置かなければならない。

通関士の人数は「営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに次条に規定する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数」(通関業法13条、同法施行令5条)と規定されています。

専任かどうかは問題とされていません。

選択肢4. 通関業者が通関業務を行う営業所に通関士を置くことを要しない場合における当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が「一定の種類の貨物のみに限られている場合」とは、その行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合をいうこととされている。

正しい

通関士を置くことを要しない場合として、通関業法13条但書で規定されている「一定の種類の貨物のみに限られている場合」については、通関業法基本通達13-1に以下のように規定されています。

「行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合」であり、「限定された通関手続のみを反復継続的に行い、当該手続が全体として簡易であり、貨物全般の通関に関する広い知識の有無にかかわらず適正な手続の完了が期待できる」必要があるとされています。

 

選択肢5. 通関業者は、通関業務を行う営業所の新設の許可の条件として、その取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、当該営業所に通関士を置くことはできない。

誤り

取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合、通関士の設置義務はありませんが、通関士を置くことができないわけではありません

通関業法13条によると、「通関士を置かなければならない」という規定の例外(置かなくてもよい)として、その営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が通関業の許可に付された条件により一定の種類の貨物のみに限られている場合を規定しています。

 

まとめ

整理すると、以下のようになります。

 

1 原則:通関業務を行う営業所ごとに、通関士を置かなくてはならない。(通関業務の適正のため)

 人数は、「通関業務に係る貨物の数量及び種類」、通関士の審査を要する「通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数」(通関業法13条、同法施行令5条、6条)

 

2 例外:通関士を置かなくてもよい(置いてもよい)場合。

 その営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が、通関業の許可に付された条件により一定の種類の貨物のみに限られている場合(通関業法13条但書)

 ※通関士を置かなくても通関業務の適正が守られることが必要

 通関業法基本通達13-1:「行う通関業務に係る貨物が一定種類に限られており、通関業務の内容が簡易かつ、定型化されている場合」で、

  「限定された通関手続のみを反復継続的に行い、当該手続が全体として簡易であり、貨物全般の通関に関する広い知識の有無にかかわらず適正な手続の完了が期待できる」必要

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