通関士の過去問
第57回(令和5年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問44
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
通関士試験 第57回(令和5年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問44 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、課税価格の計算方法に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には「該当なし」を選びなさい。
- 課税価格を計算する場合において、輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて輸入申告の時(関税法第4条第1項第2号から第8号まで(課税物件の確定の時期)に掲げる貨物にあっては、当該各号に定める時)までに当該輸入貨物に変質があったと認められるときは、当該輸入貨物の課税価格は、当該変質がなかったものとした場合に計算される課税価格からその変質があったことによる減価に相当する額を控除して得られる価格とする。
- 輸入貨物に係る輸入取引が延払条件付取引である場合において、その延払金利の額が明らかであるときは、当該延払金利の額は関税定率法第4条第1項に規定する当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まないものとする。
- 輸入貨物に係る輸入取引に関し、買手による当該輸入貨物の処分又は使用についての制限で法令により課されるものがあることは、関税定率法第4条第1項の規定により当該輸入貨物の課税価格を決定することができないこととなる事情には該当しない。
- 買手が自己のために行う輸入貨物についての広告宣伝に係る費用で買手が負担するものは、当該広告宣伝が売手の利益になると認められる活動に係るものである場合に限り、当該費用は関税定率法第4条第1項に規定する当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に加算するものとされている。
- 航空機による運送方法以外の運送方法による輸入貨物の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃の額が当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃の額を著しく超えるものである場合には、当該輸入貨物の当該輸入港までの運賃は、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃とする。
- 該当なし
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
課税価格の計算方法に関する問題です。
課税価格の決定の原則では、「輸入取引であること」及び「特別な事情がないこと」を条件として、現実支払価格に加算要素を加えることで、課税価格が計算されます。
課税価格=現実支払価格+加算要素
◯
「輸入申告の時」という時点がポイントです。
輸入申告前の変質また損傷の場合、申告価格を低減する方法により課税価格を算出します。
輸入申告の時から輸入許可までに変質また損傷の場合、減税の対象になります。
◯
ポイント:延払金利→加算しない
◯
正しい記述です。
✖
買手が自己のために→加算しない
買手が自己のために行うことは、輸入取引との関連性が低いため、課税価格に影響を与えないと考えられます。
◯
キーワード:特殊な事情→通常運賃
法律でも、例外を配慮している感じですね。
参考になった数19
この解説の修正を提案する
02
関税法及び関税定率法等に規定されている、課税価格の計算方法に関する問題です。
正しい内容です。
課税価格を計算する場合において、その輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて輸入申告の時までに当該輸入貨物に変質又は損傷があつたと認められるときは、当該輸入貨物の課税価格は、当該変質又は損傷がなかつたものとした場合に計算される課税価格からその変質又は損傷があつたことによる減価に相当する額を控除して得られる価格とする。
(関税定率法第4条の5)
正しい内容です。
当該輸入貨物に係る輸入取引が延払条件付取引である場合における延払金利は、現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まないものとする。
(関税定率法施行令第1条の4)
正しい内容です。
買手による当該輸入貨物の処分又は使用についての制限で法令により課されるものがあることは、課税価格を決定することができないこととなる事情には該当しない内容です。
(関税定率法第4条)
誤った内容です。
買手が自己のために行う活動のうち法第4条第1項各号((加算要素))に規定する加算の対象となる活動以外の活動に係る支払(例えば、買手のための広告宣伝、販売促進、アフターサービス等に係る支払)は、売手の利益になると認められる活動に係るものであっても、売手に対する間接的な支払に該当しないものとする。したがって、当該活動に係る費用は、現実支払価格に加算しない
(関税定基本通達4-2(4))
正しい内容です。
課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物が航空機により運送された貨物であるときは、これらの貨物のうち、無償の見本又は災害の救助、公衆の衛生の保持その他これらに準ずる目的のため緊急に輸入する必要があると認められる貨物その他これらに類する貨物で政令で定めるものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとする。
(関税定率法第4条の6第1項)
参考になった数7
この解説の修正を提案する
前の問題(問43)へ
第57回(令和5年)問題一覧
次の問題(問45)へ