通関士の過去問
第57回(令和5年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問4

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問題

通関士試験 第57回(令和5年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

日本国とⅩ国とを締約国とする二国間の経済連携協定に、下表1の原産地規則が定められている場合において、下表2のAからEまでの原材料を使用して製品YがX国において生産されたものとする。製品YのFOB価格が4,000円であるとした場合に、次の1から5までのうち、製品Yが当該協定に基づくX国の原産品とされるものはどれか。X国の原産品とされるものすべてを選びなさい。なお、原材料A、B、C、D、E以外の原材料は、製品Yの生産に使用されないものとする。
問題文の画像
  • X国の原産材料である原材料EとX国の原産材料でない原材料A、B、C、Dを使用して生産された製品Y
  • X国の原産材料である原材料B、CとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料A、D、Eを使用して生産された製品Y
  • X国の原産材料である原材料AとX国の原産材料でない原材料B、C、D、Eを使用して生産された製品Y
  • X国の原産材料である原材料A、DとX国の原産材料でない原材料BとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料C、Eを使用して生産された製品Y
  • X国の原産材料である原材料BとX国の原産材料でない原材料C、DとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料A、Eを使用して生産された製品Y

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この過去問の解説 (2件)

01

経済連携協定の原産地基準の判断に関する問題です。

 

選択肢1. X国の原産材料である原材料EとX国の原産材料でない原材料A、B、C、Dを使用して生産された製品Y

X国の原産品とされます。

①4,000円ー1,800円(A,B,C,D,の合計)=2,200円 

②2,200円÷4,000円X100=55.0%

③50%以上の為、問題文の原産品判定基準から原産品とされます。

 

選択肢2. X国の原産材料である原材料B、CとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料A、D、Eを使用して生産された製品Y

X国の原産品とされます。

①4,000円ー1,900円(A,D,Eの合計)=2,100円 

②2,100円÷4,000円X100=52.5%

③50%以上の為、問題文の原産品判定基準から原産品とされます。

選択肢3. X国の原産材料である原材料AとX国の原産材料でない原材料B、C、D、Eを使用して生産された製品Y

X国の原産品とされません。

①4,000円ー2,500円(B,C,D,Eの合計)=1,500円 

②1,500円÷4,000円X100=37.5%

③50%以下の為、問題文の原産品判定基準から原産品とされません。

選択肢4. X国の原産材料である原材料A、DとX国の原産材料でない原材料BとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料C、Eを使用して生産された製品Y

X国の原産品とされます。

①4,000円ー1,900円(B,C,Eの合計)=2,100円 

②2,100円÷4,000円X100=52.5%

③50%以上の為、問題文の原産品判定基準から原産品とされます。

選択肢5. X国の原産材料である原材料BとX国の原産材料でない原材料C、DとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料A、Eを使用して生産された製品Y

X国の原産品とされません。

①4,000円ー2,600円(A,C,D,Eの合計)=1,400円 

②1,400円÷4,000円X100=35.0%

③50%以下の為、問題文の原産品判定基準から原産品とされません。

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02

経済連携協定のルールに従って、原産品と認められる物の判断に関する問題です。

「原産地原則」によると、原産地材料割合(A)が50%以上の物は原産品と認められます。

A=(FOBーVNM)/FOB

原産品になるには、

A>0.5が必要です。

(FOBーVNM)/FOB>0.5

VNM/FOB<0.5のものは、原産品になります。

FOB=4000

最終的に、VNM<2000という判断基準になります。

この式で判断しましょう。

 

選択肢1. X国の原産材料である原材料EとX国の原産材料でない原材料A、B、C、Dを使用して生産された製品Y

VNMA+B+C+D=300+200+700+600=1800<2000

選択肢2. X国の原産材料である原材料B、CとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料A、D、Eを使用して生産された製品Y

VNMA+D+E=300+600+1000=1900<2000

選択肢3. X国の原産材料である原材料AとX国の原産材料でない原材料B、C、D、Eを使用して生産された製品Y

VNMB+C+D+E=200+700+600+1000=2500>2000

選択肢4. X国の原産材料である原材料A、DとX国の原産材料でない原材料BとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料C、Eを使用して生産された製品Y

C、Eの原産地がわからないので、条件付きで考えましょう。

一つの可能性は、C、E全部非原産材料の場合です。

この時、

VNMB+C+E=200+700+1000=1900<2000

つまり、B、C、E全部が非原産の材料でも、製品Yは原産品と認められます。

 

選択肢5. X国の原産材料である原材料BとX国の原産材料でない原材料C、DとX国の原産材料であるかないかが不明な原材料A、Eを使用して生産された製品Y

A、Eの原産地がわからないので、条件付きで考えましょう。

一つの可能性は、A、E全部が非原産材料の場合です。

VNM=A+C+D+E=300+700+600+1000=2600>2000

この場合は、非原産品になります。

非原産品の可能性があるため、原産品と断定できないので、選択しない判断になります。

 

まとめ

設問の原産地ルールをしっかり理解するのが大事です。

この問題は実は計算問題になります。

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