通関士の過去問
第57回(令和5年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問14

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

通関士試験 第57回(令和5年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

日本国とA国とを締約国とする二国間の経済連携協定に以下の原産地規則が定められている場合において、次に掲げる物品のうち、当該協定に基づく締約国の原産品とされるものはどれか。以下の原産地規則を参考にし、当該協定に基づく締約国の原産品とされるもの一つを選びなさい。なお、当該協定に基づく締約国の原産品とされるものがない場合には、「該当なし」を選びなさい。また、各選択肢に記載されている材料以外の使用されうる材料については考慮しないものとする。

(原産地規則)
≪原産品≫
この協定の適用上、次のいずれかの産品は、締約国の原産品とする。
1.  当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品
2.  非原産材料を使用して当該締約国において生産される産品であって、≪品目別原産地規則≫を満たすもの

≪完全に得られる産品≫
次に掲げる産品は、締約国において完全に得られ、又は生産される産品とする。
1.  当該締約国において収穫され、採取され、又は採集される植物及び植物生産品
2.  当該締約国において(a)に規定する産品のみから得られ、又は生産される産品

≪品目別原産地規則≫
問題文の画像
  • B国(非締約国)から輸入したB国で収穫したトマト(第07.02項)を使用して、A国で生産されたトマトペースト(第20.02項)
  • C国(非締約国)から輸入したC国で収穫したパイナップル(第08.04項)を使用して、A国で生産されたパイナップルジュース(第20.09項)
  • D国(非締約国)から輸入したD国で収穫したトマト(第07.02項)を使用して、A国で生産されたトマトジュース(第20.09項)
  • E国(非締約国)から輸入したE国で生産したトマトペースト(第20.02項)を使用して、A国で生産されたトマトケチャップ(第2103.20号)
  • F国(非締約国)から輸入したF国で生産したマスタードの粉(第2103.30号)を使用して、A国で生産された調製したマスタード(第2103.30号)
  • 該当なし

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

締約国の原産品とされるものを判断する問題です。
1番から5番まで、設問の原産地規則に合わせながら、一つずつ判断しましょう。

Aが締約国であることを明確しましょう。

非締約国からの原料を使う場合は、≪品目別原産地規則≫に従わなければならないです。

選択肢1. B国(非締約国)から輸入したB国で収穫したトマト(第07.02項)を使用して、A国で生産されたトマトペースト(第20.02項)

B国で収穫したトマト(第07.02項)は、Aの原産品ではないので、トマトペースト(第20.02項)はAの原産品とされません。

 

≪品目別原産地規則≫
第20.02項:生産において使用される第7 類の全ての材料が締約国において完全に得られる
ものであること。

選択肢2. C国(非締約国)から輸入したC国で収穫したパイナップル(第08.04項)を使用して、A国で生産されたパイナップルジュース(第20.09項)

C国で収穫したパイナップル(第08.04項)を使用したため、Aの原産品とされません。

 

≪品目別原産地規則≫
第20.09項:第20.09項の産品への他の類の材料からの変更。ただし、パイナップル及び
トマトが締約国において完全に得られるものであること。

選択肢3. D国(非締約国)から輸入したD国で収穫したトマト(第07.02項)を使用して、A国で生産されたトマトジュース(第20.09項)

D国で収穫したトマト(第07.02項)を使用したため、Aの原産品とされません。

 

≪品目別原産地規則≫
第20.09項:第20.09項の産品への他の類の材料からの変更。ただし、パイナップル及び
トマトが締約国において完全に得られるものであること。

選択肢4. E国(非締約国)から輸入したE国で生産したトマトペースト(第20.02項)を使用して、A国で生産されたトマトケチャップ(第2103.20号)

第20類のE国で生産したトマトペーストを使用したため、Aの原産品とされません。

≪品目別原産地規則≫


第2103.20号:第2103.20号の産品への他の号の材料からの変更(第7 類又は第20類からの
変更を除く。)

選択肢5. F国(非締約国)から輸入したF国で生産したマスタードの粉(第2103.30号)を使用して、A国で生産された調製したマスタード(第2103.30号)

≪品目別原産地規則≫に一致していますので、Aの原産品とされます。

 

第2103.30号:第2103.30号の産品への他の号の材料からの変更。ただし、非原産材料のマ
スタードの粉は使用できる。

参考になった数5

02

経済連携協定に基づき、締約国の原産品とされるものかどうかを判断する問題です。

選択肢1. B国(非締約国)から輸入したB国で収穫したトマト(第07.02項)を使用して、A国で生産されたトマトペースト(第20.02項)

該当しません。

品目別原産地規則 第20.02項

生産において使用される第7 類の全ての材料が締約国において完全に得られるものであることという基準を満たしていません。

選択肢2. C国(非締約国)から輸入したC国で収穫したパイナップル(第08.04項)を使用して、A国で生産されたパイナップルジュース(第20.09項)

該当しません。

品目別原産地規則 第20.09項

第20.09項の産品への他の類の材料からの変更。ただし、パイナップル及びトマトが締約国において完全に得られるものであることという基準を満たしていません。

選択肢3. D国(非締約国)から輸入したD国で収穫したトマト(第07.02項)を使用して、A国で生産されたトマトジュース(第20.09項)

該当しません。

品目別原産地規則 第20.09項

第20.09項の産品への他の類の材料からの変更。ただし、パイナップル及びトマトが締約国において完全に得られるものであることという基準を満たしていません。

選択肢4. E国(非締約国)から輸入したE国で生産したトマトペースト(第20.02項)を使用して、A国で生産されたトマトケチャップ(第2103.20号)

該当しません。

品目別原産地規則 第2103.20号

第2103.20号の産品への他の号の材料からの変更(第7 類又は第20類からの変更を除く。)という基準を満たしていません。

選択肢5. F国(非締約国)から輸入したF国で生産したマスタードの粉(第2103.30号)を使用して、A国で生産された調製したマスタード(第2103.30号)

該当します。

品目別原産地規則 第2103.30号

第2103.30号の産品への他の号の材料からの変更。ただし、非原産材料のマスタードの粉は使用できると規定されております。

参考になった数4