通関士 過去問
第58回(令和6年)
問26 (通関業法 問26)

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問題

通関士試験 第58回(令和6年) 問26(通関業法 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関業務及び関連業務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入の申告に関し、当該輸入の申告に係る貨物につき必要とされる食品衛生法の規定に基づく食品等の輸入の届出手続は、関連業務に含まれることとされている。
  • 通関業者は、通関業務に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならないが、関連業務についてはそれらを要しない。
  • 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入許可後に行う関税法第7条の14の規定に基づく修正申告は、関連業務に含まれることとされている。
  • 関税法の規定に基づく税関官署の検査につき、他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする税関官署に対してする主張又は陳述は、通関業務に含まれる。
  • 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする関税法第7条の10の規定に基づく申告の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出は、通関業務に含まれる。

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この過去問の解説 (3件)

01

各選択肢を検討していきます。

選択肢1. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入の申告に関し、当該輸入の申告に係る貨物につき必要とされる食品衛生法の規定に基づく食品等の輸入の届出手続は、関連業務に含まれることとされている。

正しい記述です。

通関業法2条2項2号は、関係法令(食品衛生法など)に基づく届出・申請を「関連業務」に含めています。

選択肢2. 通関業者は、通関業務に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならないが、関連業務についてはそれらを要しない。

誤った記述です。

同法11条は「通関業務又は関連業務について帳簿を備え、書類を保存」と規定されています。

関連業務も対象なので「要しない」は誤りです。

選択肢3. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入許可後に行う関税法第7条の14の規定に基づく修正申告は、関連業務に含まれることとされている。

誤った記述です。

修正申告(関税法7条14)は税関への「申告」に当たり、通関業法2条1項1号イの 通関業務です。「関連業務」ではなく通関業務なので誤りです。

選択肢4. 関税法の規定に基づく税関官署の検査につき、他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする税関官署に対してする主張又は陳述は、通関業務に含まれる。

正しい記述です。

税関への「申立て・陳述」は2条1項1号イに明記され、通関業務に含まれます。

選択肢5. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする関税法第7条の10の規定に基づく申告の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出は、通関業務に含まれる。

誤った記述です。

特例適用終了の届出(関税法7条10)は税関への「届出」ですが、通関業務の列挙には含まれていません(税金納付も伴わないため関連業務にも該当しません。)。

まとめ

・通関業務:税関に対する申告・申請・陳述など直接の手続。

・関連業務:貨物に必要な他法令手続や税関以外の届出など付随行為。

・帳簿作成・書類保存の義務は 通関業務も関連業務も両方 対象。

試験では「どの行為がどちらに入るか」と「義務が両方に及ぶか」をセットで覚えるとミスを防げます。

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02

通関業法に規定されている、通関業務及び関連業務のどちらの範囲かを回答する問題です。

選択肢1. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入の申告に関し、当該輸入の申告に係る貨物につき必要とされる食品衛生法の規定に基づく食品等の輸入の届出手続は、関連業務に含まれることとされている。

正しい内容です。

「通関業務に先行し、後続し、その他当該業務に関連する業務」とは、通関業務に関連して行われる一切の業務をいい、例えば、以下の手続が含まれる。
イ 事前教示照会
ロ 不開港出入許可申請
ハ 外国貨物仮陸揚届
ニ 見本一時持出許可申請
ホ 保税地域許可申請
ヘ 外国貨物運送申告
ト 輸出差止申立又は輸入差止申立に対する意見書提出
チ 関税法その他関税に関する法令以外の法令の規定により輸出又は輸入に関して必要とする許可等の申請

(通関業法基本通達7-1)

選択肢2. 通関業者は、通関業務に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならないが、関連業務についてはそれらを要しない。

誤った内容です。

通関業者は、政令で定めるところにより、通関業務(関連業務を含む。)に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならない。

(通関業法第22条1項)

選択肢3. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入許可後に行う関税法第7条の14の規定に基づく修正申告は、関連業務に含まれることとされている。

誤った内容です。

修正申告は、通関業務に含まれることとされています。

(通関業法第2条)

 

選択肢4. 関税法の規定に基づく税関官署の検査につき、他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする税関官署に対してする主張又は陳述は、通関業務に含まれる。

正しい内容です。

不服申立て又は関税法その他関税に関する法令の規定に基づく税関官署の調査、検査若しくは処分につき、税関官署に対してする主張又は陳述は通関業務に含まれます。

通関業法第2条1項1号

 

選択肢5. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする関税法第7条の10の規定に基づく申告の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出は、通関業務に含まれる。

誤った内容です。

特例申告の承認の申請は通関業務に含まれますが、申告の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出は、通関業務に含まれません。

通関業法第2条1項1号

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03

本問は、通関業務と関連業務について、その違いや、含まれる行為について知識を問う問題です。

選択肢1. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入の申告に関し、当該輸入の申告に係る貨物につき必要とされる食品衛生法の規定に基づく食品等の輸入の届出手続は、関連業務に含まれることとされている。

正しいです。

「輸入の申告に係る貨物につき必要とされる食品衛生法の規定に基づく食品等の輸入の届出手続」は、「関税法その他関税に関する法令以外の法令の規定により輸出又は輸入に関して必要とする許可等の申請」に該当し、関連業務に含まれます(通関業法基本通達7-1(1)チ)。

選択肢2. 通関業者は、通関業務に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならないが、関連業務についてはそれらを要しない。

誤りです。

関連業務についても帳簿の記載および書類の保存義務があります。

帳簿の記載および書類保存義務については、通関業法22条1項で以下の通り規定されています。

「通関業者は、政令で定めるところにより、通関業務(第7条に規定する関連業務を含む以下この項及び第三項において同じ。)に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならない。」

帳簿の記載義務、書類保存義務は通関業務・関連業務両方について規定されていることが分かります。

選択肢3. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする輸入許可後に行う関税法第7条の14の規定に基づく修正申告は、関連業務に含まれることとされている。

誤りです。

「輸入許可後に行う関税法第7条の14の規定に基づく修正申告」は通関手続きに含まれます。

 

「輸入の許可後に行われる関税の確定及び納付に関する手続(例えば、輸入許可後の修正申告(関税法第7条の14第1項《修正申告》に規定する修正申告をいう。)(中略)は、通関手続に含むものとする」と規定されています(通関業法基本通達2-2(2))。

選択肢4. 関税法の規定に基づく税関官署の検査につき、他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする税関官署に対してする主張又は陳述は、通関業務に含まれる。

正しいです。

「税関官署の検査につき、他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする税関官署に対してする主張又は陳述」は通関業務に該当します。

 

「通関手続、(中略)関税法その他関税に関する法令の規定に基づく税関官署の調査、検査若しくは処分につき、税関官署に対してする主張又は陳述」は通関業務に該当すると規定されています(通関業法2条1号イ(3))。

選択肢5. 他人の依頼によってその依頼をした者を代理してする関税法第7条の10の規定に基づく申告の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出は、通関業務に含まれる。

誤りです。

「関税法第7条の10の規定に基づく申告の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出」は、通関業法2条1号に挙げられていません。

 

なお、「関税法第7条の2第1項の承認の申請」(特例申告書による申告)を代理又は代行することは通関業務に該当します(通関業法2条1号イ(1)(二))。

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