通関士 過去問
第58回(令和6年)
問37 (通関業法 問37)
問題文
次の記述は、通関業者又は通関士の義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
通関士試験 第58回(令和6年) 問37(通関業法 問37) (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関業者又は通関士の義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
- 法人である通関業者の役員が通関業法の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた場合であっても、当該通関業者が当該役員を遅滞なく解任したときは通関業の許可の欠格事由に該当せず、当該役員がその罰金の刑に処せられた旨を財務大臣に届け出ることを要しない。
- 通関業の許可が消滅したときの届出について、通関業者である法人が合併又は破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合には、清算人が遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならないが、通関業者である法人が破産手続開始の決定を受けた場合には、その通関業者であった法人を代表する役員が遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない。
- 通関業法第14条(通関士の審査等)に規定する通関士の審査及び記名の義務は、通関士を設置する必要のない営業所に通関士を置いた場合であっても負うものとされている。
- 通関業者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、これらの者がこれらの者でなくなった後においては、この限りではない。
- 通関業者が通関業以外の事業を新たに営むときは、当該事業を営むことについての財務大臣の承認を受けなければならない。
- 該当なし
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正しいのは、通関業法第14条(通関士の審査等)に規定する通関士の審査及び記名の義務は、通関士を設置する必要のない営業所に通関士を置いた場合であっても負うものとされている。です。
誤りです。
役員が一定の刑に処せられた事実は許可取消し(法9条)や欠格事由に関わる重要事項です。
遅滞なく届出が必要で、「解任したから不要」とする記述は誤りです。
誤りです。
破産手続開始決定により許可が消滅したときは、破産管財人(管財事件)や破産者自身(同時廃止事件)が届出を行います。
記述は「代表役員が届け出る」としており条文と異なるため誤りです。
正しいです。
通関業法第14条(通関士の審査等)の義務は、通関士を置く必要のない営業所であっても、通関士を置いたならばその通関士が通関書類を審査し記名しなければならない としています。
通関士の審査・記名義務は「通関士を置く営業所」に発生します。
置く必要がない営業所でも、会社が自発的に通関士を配置した時点で、その通関士には第14条の義務が生じます。
誤りです。
通関業法19条は「その職を退いた後も秘密を守らなければならない」と規定しています。
したがって「この限りではない」という記述は誤りです。
誤りです。
法17条は 「他の事業を営むことが通関業務の適正な遂行を著しく妨げると認められる場合」 に限り、財務大臣が 是正命令 を出せると規定しています。
事前承認制度はありません。
参考になった数7
この解説の修正を提案する
02
通関業法に規定されている、通関業者又は通関士の義務に関する問題です。
誤った内容です。
法人である通関業者の役員が通関業法の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた場合は、欠格事由に該当する内容となります。当該通関業者が当該役員を遅滞なく解任したときであっても同様に欠格事由となります。
(通関業法第11条)
誤った内容です。
通関業者である法人が合併又は破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合は清算人が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければなりません。
また、通関業者が破産手続開始の決定を受けた場合は、破産管財人が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければなりません。
(通関業法施行令第4条4号、5号)
正しい内容です。
《通関士の審査等》に規定する通関士の審査及び記名の義務は、通関士を設置する必要のない営業所に通関士を置いた場合であっても負うものとする。
(通関業法基本通達14-1)
誤った内容です。
通関業者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。これらの者がこれらの者でなくなつた後も、同様とする。
(通関業法第19条)
誤った内容です。
通関業の許可申請書に通関業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類を記載する必要はあるが、問題文のような通関業者が通関業以外の事業を新たに営むときについての承認は規定されていません。
(通関業法第4条)
参考になった数1
この解説の修正を提案する
03
本問は、通関業者・通関士の義務について、内容や手続の知識を問う問題です。
誤りです。
届け出を要します。
通関業法12条2号によると「第6条第1号、第3号から第7号まで、第10号又は第11号のいずれかに該当するに至ったとき」は、「遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない」とされています。
そして、法人である通関業者の役員が通関業法の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた場合は、通関業法6条10号、5号に該当するので、遅滞なく届け出なければなりません。
誤りです。
本肢後段の「通関業者である法人が破産手続開始の決定を受けた場合」の届出義務者を「その通関業者であった法人を代表する役員」としている部分が誤りです。
「通関業の許可が消滅したとき」は「遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければなら」ず(通関業法12条3号)、届出義務者は「政令で定める者」とされ、通関業法施行令4条に規定されています(通関業法12条柱書)。
本肢前段の「通関業者である法人が合併又は破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合」について、届出義務者は「清算人」と規定されており(通関業法施行令4条5号)、本肢の前段の記述は正しいです。
本肢後段の「通関業者である法人が破産手続開始の決定を受けた場合」について、届出義務者は「破産管財人」と規定されており(通関業法施行令4条3号)、本肢の後段の記述は誤りです。
【通関業の許可の消滅事由ごとの届出義務者】
(通関業法12条3号、通関業法施行令4条)
・通関業の廃止:通関業者であつた個人又は通関業者であつた法人を代表する役員
・死亡:相続人
・破産手続開始の決定を受けた:破産管財人
・通関業者である法人が合併により解散:通関業者であった法人を代表する役員であった者
・通関業者である法人が合併・破産手続開始の決定以外の理由により解散:清算人
正しいです。
現実に通関士が通関業務に従事しているならば、本来通関士の設置義務がない場合でも、通関業法14条による通関士の審査及び記名の義務が生じます。
通関業者が通関書類に「通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名させなければならない」とされているのは、「通関士が通関業務に従事している営業所における通関業務に係るものに限る」と規定されています(通関業法14条)。
誤りです。
通関業者の役員や通関士その他の通関業務の従業者でなくなった後も秘密を守る義務を負うことが規定されています。
「通関業者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない」とされ、それぞれ役員や通関士その他の通関業務の従業者「でなくなった後も、同様とする」とされています(通関業法19条)。
誤りです。
「財務大臣の承認を受けなければならない」としている部分が誤りです。
通関業の許可を受ける際、通関業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類を許可申請書に記載する必要がありますが(通関業法4条1項5号)、
本肢のように、許可を受けた後に通関業以外の事業を新たに営むときは、変更を届け出なければならないことが規定されています(通関業法12条1号、4条1項5号)。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問36)へ
第58回(令和6年) 問題一覧
次の問題(問38)へ