通関士 過去問
第58回(令和6年)
問101 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問11)
問題文
次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
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問題
通関士試験 第58回(令和6年) 問101(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
- 本船扱いの承認を受けて輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、輸出の許可を受けた場合においては、当該貨物に係る関税法第2条第1項第2号(定義)に規定する輸出の具体的な時期は、その輸出の許可を受けた時とすることとされている。
- 輸出の許可と保税運送の承認とを併せて受けて運送された貨物が船積港で不積みになり保税運送を承認した税関に返送される場合においては、税関長は、新たな保税運送の手続をさせることなく、不積みかつ返送となる旨を記載した申出書に輸出許可書(運送承認書兼用)を添付して提出することにより保税運送を認めることができることとされている。
- 本邦から外国に向けて外国貨物を積み戻す場合において、その積み戻される外国貨物が仮に陸揚げされた貨物以外の貨物であるときは、関税法第70条(証明又は確認)の規定が準用され、関税関係法令以外の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物については、積戻し申告の際、その許可を受けている旨を税関に証明しなければならない。
- 輸出される郵便物について、郵送の際の重量制限等の理由により、同一差出人から同一名宛人に対し、分割の上同一時期に郵送された場合において、その分割されたそれぞれの郵便物の価格が20万円以下であっても、それらの価格を合計した額が20万円を超えるときは、輸出申告をしなければならないこととされている。
- 貨物の輸出に関して外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定による経済産業大臣の許可を受けなければならない爆発物について、その輸出申告に際し、当該経済産業大臣の許可を受けたと偽った申告をして輸出しようとした者は、関税法第111条第1項第1号及び第3項の規定に基づき、許可を受けないで輸出する罪に該当する違反行為があったものとして罰せられることがある。
- 該当なし
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この過去問の解説 (2件)
01
外国為替・外国貿易法48条の許可が必要な爆発物についての罰則の説明が誤りです。
「許可を受けたと偽った申告で輸出しようとした者は 関税法111条1項1号・3項で処罰され得る」とありますが、偽って申告した行為は 111条1項2号(偽った申告をして輸出する罪) と、その未遂を罰する 同条3項 に該当します。1項1号(無許可輸出罪)は「許可を得ずに輸出する」場合であり、虚偽申告とは区別されています。
正しい内容です。
基本通達2-5(4)は、積み込んだ後に許可を受けた本船扱い貨物は、許可を受けた時を輸出の具体的な時期とする と定めています。
正しい内容です。
基本通達63-16(5)は、輸出許可兼運送承認を受けた貨物が船積できず元の税関へ戻る場合、申出書に輸出許可書を添付すれば新たな運送手続は不要 としています。
正しい内容です。
関税法75条は、外国貨物の積戻しには輸出手続を準用し、第70条による他法令許可の証明が必要 と規定しています。仮陸揚げ貨物についても外為法許可品などは同様に証明を要するため、文中の説明は限定的ですが誤りではありません。
正しい内容です。
日本郵便の通達は、同時発送の複数個口は全梱包を合わせた価格が20万円を超えると輸出申告が必要 としています。
誤った内容です。
偽って「許可を受けた」と申告した場合は、偽りの申告罪(111条1項2号)とその未遂(同条3項) が適用されます。1項1号は無許可輸出そのものを罰する条文で、条ずれが起きています。
虚偽の許可申告 は「偽った申告」に当たり、関税法111条1項2号が根拠条文です。
本船扱いの輸出時点、不積み返送の簡易手続、積戻し時の他法令許可、郵便物20万円基準は条文どおりで問題ありません。
罰則条文は号ずれが生じやすいので、1号=無許可、2号=偽り申告、3項=未遂 の区別を押えておくと混乱を防げます。
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02
輸出通関の問題は重要項目で基礎から応用まで幅広く出題されます。関税法、実務の問題もどちらかで問われます。基礎を固め、過去問を繰り返し解いていくとどこがよく問われるかが分かってきます。また輸出通関の時期や保税運送を絡めた問題、積戻しの問題は条文内に誤った内容を入れて出題される事があるので注意して問題を解くのが大切です。
正しいです。
本船扱いの承認を受け、輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、輸出の許可を受けた場合、貨物に係る定義に規定する輸出の具体的な時期は、その輸出の許可を受けた時とする事とされています。
正しいです。
輸出許可と保税運送の承認とを併せて受けて運送された貨物が船積港で不積みになり保税運送を承認した税関に返送される場合、税関長は新たな保税運送の手続きをさせる事なく、不積みかつ返送となる旨を記載した申出書に輸出許可書(運送承認書兼用)を添付して提出する事により保税運送を認める事が出来るとされています。
正しいです。
外国貨物を積戻す場合において、仮に陸揚げされた貨物以外である場合、関税法第70条(証明又は確認)の規定が適用されます。また、関税関係法以外の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物については積戻し申告の際、その許可を受けている旨を税関に証明しなければいけないとされています。
正しいです。
輸出される郵便物について、郵送の際の重量制限により、同一差出人から同一名宛人に対し、分割の上同一時期に郵送された場合において、分割されたそれぞれの郵便物の価格が20万円以下であっても、それらの価格を合計した額が20万円を超えるときは、輸出申告をしなければならないとされています。
誤りです。
今回の問題文から経済産業大臣の許可を受け取り偽って申告をしようとしたと書かれている為、偽りの申告の罪(111条1項第2号)とその未遂(同条3号)が適用されます。関税法第111条第1号及び第3項の規定に基づき、許可を受けないで輸出する罪には該当しないので誤った内容です。
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