薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(薬理/実務、薬剤/実務) 問252
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(薬理/実務、薬剤/実務) 問252 (訂正依頼・報告はこちら)
37歳女性。脂質異常症のため病院で以下の薬剤が処方されている。
ピタバスタチンなどのスタチン系薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ピタバスタチンなどのスタチン系薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 3-ヒドロキシー3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を非競合的に阻害する。
- 肝細胞膜表面の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させ、血中からの LDLコレステロール取り込みを促進する。
- 血中トリグリセリド濃度には影響しない。
- 肝細胞以外で、高密度リポタンパク質(HDL)受容体を増加させ、血中 HDL コレステロールを低下させる。
- 重大な副作用として、横紋筋融解症を引き起こすことが報告されている。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
スタチン系薬は3-ヒドロキシー3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を「競合的」に阻害します
2、正しいです。
スタチン系薬はHMG-CoAを阻害する事で、肝臓でのコレステロールの生合成を低下させます。
肝臓での生合成が低下した分、それを補う為、コレステロールの血中からの取り込みを増やそうとします。取り込みを増やすため、肝細胞表面の低密度リポタンパク質(LDL)受容体が増加します。
3、誤りです。
スタチンにはVLDL(コレステロールとトリグリセリド(TG)が含まれる)分泌抑制作用があり、血中へのTGの放出を抑制する為、血中TG濃度を低下させます。
(但し、スタチンの種類により、TG低下作用の強さは異なります。また、分泌を抑制作用以外に間接的なTG生合成阻害作用もあるとの報告がありますが、はっきりとしたことはまだわかりません)
4、誤りです。
HDLは体の中の過剰なコレステロールを回収し、肝臓に戻す役割を持っています。
肝臓内のコレステロールがHMG-CoA阻害作用により低下する為、体の中から回収しそれを補おうと、血中HDLコレステロールが増加します。
5、正しいです。
スタチンの重大な副作用として、横紋筋融解症が有名です。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
ピタバスタチンはスタチン系薬で、作用機序は以下の3つです。
①HMG-CoA還元酵素の競合的阻害
②LDL受容体を増加させ、血中から肝へLDLコレステロール、トリグリセリドの取り込みを促進
③血中HDL上昇
1 HMG-CoA還元酵素の阻害は、非競合的ではなく、競合的に働きます。
2、3は作用機序②の記述を参考にしてください。
4 血中のHDLは上昇します。
5 スタチン系薬の副作用として、横紋筋融解症が表れることがあります。フィブラート系薬との併用により、更にこの副作用の発生率が増加するので、注意が必要です。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問251)へ
第99回問題一覧
次の問題(問253)へ