薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(薬理/実務、薬剤/実務) 問259

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問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(薬理/実務、薬剤/実務) 問259 (訂正依頼・報告はこちら)

30歳男性。会社内昇格人事で1年前に営業職のリーダーを命じられた。
リーダーとしての仕事に順応できず、ストレスを抱え、入眠困難、食欲低下が半年続いた。
今回かかりつけのクリニックを受診し、軽症のうつ病と診断された。
主治医より、治療薬について問い合わせがあった。

前問で推奨した成分の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
  • Na+チャネル遮断による神経興奮の抑制
  • Cl-チャネル遮断によるGABA作動性神経系の抑制
  • セロトニントランスポーター阻害によるセロトニン作動性神経系の活性化
  • ノルアドレナリントランスポーター阻害によるノルアドレナリン作動性神経系の活性化
  • シナプス前部のアドレナリンα2受容体遮断によるセロトニンとノルアドレナリンの放出促進

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この過去問の解説 (2件)

01

(前問で推奨した成分はパロキセチン、ミルタザピンです)
パロキセチンは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)に分類される抗うつ薬です。
セロトニンのセロトニントランスポーターによる再取り込みを阻害し、結果的にシナプス間隙のセロトニン濃度を上昇させます。
よって、選択肢3がパロキセチンの作用機序にあてはまります。

ミルタザピンはノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant:NaSSA)に分類される抗うつ薬です。
自己受容体であるα2受容体を阻害する事で、ノルアドレナリンの放出を促進させます。
また、セロトニン5-HT2と5-HT3受容体を阻害する事で、抗うつ効果に関連する5-HT1受容体の働きを強めます(5-HT2と5-HT3が塞がっているので、セロトニンは5-HT1受容体に結合しやすくなる)。
よって、選択肢5がミルタザピンの作用機序にあてはまります。

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02

正解:3.5

パロキセチンはSSRIに分類される抗うつ薬です。
セロトニン神経の前シナプス末端において、セロトニントランスポーターを選択的に阻害します。

ミルタザピンはNaSSAに分類される抗うつ薬です。
α2アドレナリン自己受容体とヘテロ受容体拮抗作用を示します。

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