第一種電気工事士の過去問 令和2年度(2020年) 一般問題 問12
この過去問の解説 (3件)
正解は(4)番です。
まず、鉄損と銅損についてご説明します。
鉄損というのは、
変圧器の鉄心中の磁気エネルギーが熱となるヒステリシス損。
同じく鉄心中のうず電流によるうず電流損の和で表されますが、
これらは周波数、1次の電圧等により可変します。
ですが一般的に1次電圧や周波数は使用中に変えないと思いますので
鉄損は特性曲線で一定で表されます。
※つまり裏を返さば鉄損が一定ではないグラフは不正解であると言えます。
次に銅損とは、
1次2次側線路におこる線路損失の事であり、
Iの2乗に比例します。
出力が大きくなるとその分流れる電流も大きくなりますので、
グラフは2乗に比例するように表されます。
2乗に比例するグラフがどのようになるかと言いますと。
実際に数字を思い浮かべてみると分かりやすいです。
12=1、22=4...52=25、62=36...
このように最初は小さく変化し、
数値が大きくなるにつれて大きく変化します。
ですからグラフの形は右下に向かって山が出来るような形で
グラフは表されます。
これらを踏まえて各解答を解説します。
1番
鉄損は一定で表されていますが、
銅損は最初大きく変化し、
その後小さく変化していくようにあらわされているので
1番も不正解です。
2,3番
上で説明した通り鉄損は一定で表されますので
この2つは不正解です。
4番
鉄損は一定。
銅損も最初は小さく変化、
その後大きく変化していくよう表されているので
4番が正解です。
答えは(4)です。
負荷電流は、出力に比例して流れます。
鉄損aは負荷電流に関係なく一定となっています。
銅損bは一次側の巻線と二次側の巻線の抵抗に生じる損失で、負荷電流の2乗に比例して大きくなります。
従って、上記を表した特定曲線は(4)のグラフとなります。
ちなみに、鉄損と銅損が等しい時(グラフの線が交わっている点)が最大効率です。
変圧器の内部で若干の電力損失があります。その電力損失の原因は負荷を接続していなくても生じる無負荷損と、負荷に電流が流れたときに発生する負荷損の2つの損失があります。
無負荷損は、一次側の巻線で発生した磁束が鉄心を通って二次側巻線に100%伝わらないことによるもので、鉄心で起こる損失のため、鉄損と呼びます。
鉄損は負荷電流に関係なく一定です。なので図で表すと一本線のようになります。
負荷損の最大要因は、巻線の抵抗によって生じる熱損失で、銅損と呼びます。
銅損はジュール熱による損失なので、負荷電流の2乗に比例して増えます。
図で表すと右に弓なりに上がるような感じの線です。
問題の選択肢の中ですと当てはまるグラフは(4)ですので
答えは(4)になります。
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