第一種電気工事士の過去問
令和4年度(2022年) 午後
一般問題 問33

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問題

第一種 電気工事士試験 令和4年度(2022年) 午後 一般問題 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

図は、自家用電気工作物(500kW未満)の引込柱から屋内キュービクル式高圧受電設備(JISC4620適合品)に至る施設の見取図である。この図に関する各問いには、4通りの答えが書いてある。それぞれの問いに対して、答えを一つ選びなさい。
〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

④に示す変圧器の防振又は、耐震対策等の施工に関する記述として、適切でないものは。
問題文の画像
  • 低圧母線に銅帯を使用したので、変圧器の振動等を考慮し、変圧器と低圧母線との接続には可とう導体を使用した。
  • 可とう導体は、地震時の振動でブッシングや母線に異常な力が加わらないよう十分なたるみを持たせ、かつ、振動や負荷側短絡時の電磁力で母線が短絡しないように施設した。
  • 変圧器を基礎に直接支持する場合のアンカーボルトは、移動、転倒を考慮して引き抜き力、せん断力の両方を検討して支持した。
  • 変圧器に防振装置を使用する場合は、地震時の移動を防止する耐震ストッパが必要である。耐震ストッパのアンカーボルトには、せん断力が加わるため、せん断力のみを検討して支持した。

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この過去問の解説 (2件)

01

防振耐震のために「可とう導体」を利用します。その名の通り柔らかく編状になっている導体です。

選択肢1. 低圧母線に銅帯を使用したので、変圧器の振動等を考慮し、変圧器と低圧母線との接続には可とう導体を使用した。

上記の通り正しいです。

選択肢2. 可とう導体は、地震時の振動でブッシングや母線に異常な力が加わらないよう十分なたるみを持たせ、かつ、振動や負荷側短絡時の電磁力で母線が短絡しないように施設した。

記載の通り、たるみを持たせショートしないように施設する必要があります。

選択肢3. 変圧器を基礎に直接支持する場合のアンカーボルトは、移動、転倒を考慮して引き抜き力、せん断力の両方を検討して支持した。

記載の通り引き抜き力とせんだん力の両方を考慮します。

選択肢4. 変圧器に防振装置を使用する場合は、地震時の移動を防止する耐震ストッパが必要である。耐震ストッパのアンカーボルトには、せん断力が加わるため、せん断力のみを検討して支持した。

せん断力だけでなく引き抜き力を考慮する必要があります。

まとめ

ざっくりいうと、ボルトに横向きの力と縦向きの力がかかるので、両方考慮しないといけないよ、という問題です。力に言及している選択肢が2つあり、かつ矛盾しているので容易に導けるかと思います。

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02

変圧器の耐震・防振についての問題です。

変圧器の足元に防振ゴムというのをつけることで変圧器から床に伝達される振動を抑制します。

また地震などにより倒れることを防ぐためにアンカーボルトで変圧器を固定します。

その際にせん断力と引き抜き力を計算し必要なアンカーボルトの太さの計算を行います。

せん断力とは横向きに切断しようとする力(横揺れ)です。

引き抜き力とは縦に抜こうとする力(縦揺れ)です。

選択肢1. 低圧母線に銅帯を使用したので、変圧器の振動等を考慮し、変圧器と低圧母線との接続には可とう導体を使用した。

説明の通りで問題ありません。

選択肢2. 可とう導体は、地震時の振動でブッシングや母線に異常な力が加わらないよう十分なたるみを持たせ、かつ、振動や負荷側短絡時の電磁力で母線が短絡しないように施設した。

説明の通りで問題ありません。

選択肢3. 変圧器を基礎に直接支持する場合のアンカーボルトは、移動、転倒を考慮して引き抜き力、せん断力の両方を検討して支持した。

説明の通りで問題ありません。

選択肢4. 変圧器に防振装置を使用する場合は、地震時の移動を防止する耐震ストッパが必要である。耐震ストッパのアンカーボルトには、せん断力が加わるため、せん断力のみを検討して支持した。

せん断力と引き抜き力の両方の検討が必要ですので誤りです。

まとめ

最近は地震も多いのでこういった耐震についての問題の傾向が多くなる可能性があるため覚えて置きましょう。

変圧器だけでなく自立盤にも同じく耐震計算でアンカーボルトの選定が必要です。

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