第一種電気工事士 過去問
令和5年度(2023年) 午前
問19 (一般問題 問19)

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問題

第一種電気工事士試験 令和5年度(2023年) 午前 問19(一般問題 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

高調波に関する記述として、誤っているものは。
  • 電力系統の電圧、電流に含まれる高調波は、第5次、第7次などの比較的周波数の低い成分が大半である。
  • インバータは高調波の発生源にならない。
  • 高圧進相コンデンサには高調波対策として、直列リアクトルを設置することが望ましい。
  • 高調波は、電動機に過熱などの影響を与えることがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、高調波に関する基本的な知識を問うものです。高調波とは、電力系統内で発生する基準周波数(通常50Hzまたは60Hz)の整数倍の周波数成分であり、主に電力変換機器や非線形負荷から発生します。高調波は電力品質の低下や電動機の異常発熱、機器の誤作動を引き起こすことがあるため、その発生源や対策を理解することが重要です。

選択肢1. 電力系統の電圧、電流に含まれる高調波は、第5次、第7次などの比較的周波数の低い成分が大半である。

一般的に、高調波のうち電力系統に大きな影響を与えるのは、第5次(250Hz/300Hz)、第7次(350Hz/420Hz)などの比較的低い周波数成分です。特に三相系統では、整流器やインバータなどの電力変換装置からこれらの高調波が発生しやすくなります。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. インバータは高調波の発生源にならない。

インバータは、直流を交流に変換する際にパルス幅変調(PWM)などの制御を行いますが、その過程で高調波を発生させます。実際、インバータは主要な高調波発生源の一つとされており、この記述は誤りです。
この選択肢は正解です。

選択肢3. 高圧進相コンデンサには高調波対策として、直列リアクトルを設置することが望ましい。

高圧進相コンデンサは、高調波による共振を防ぐために直列リアクトル(リアクタ)を設置するのが一般的です。これにより、高調波成分を抑制し、電力系統の安定性を向上させることができます。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

選択肢4. 高調波は、電動機に過熱などの影響を与えることがある。

高調波が電動機に与える影響として、コア損失の増大、鉄損や銅損の増加による異常発熱、絶縁劣化などが挙げられます。高調波が大きくなると、電動機の寿命が短くなる可能性もあります。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

まとめ

インバータは、高調波の主要な発生源の一つであり、「インバータは高調波の発生源にならない」という記述は誤りです。高調波に関する正しい知識を持ち、発生源や対策を理解することが、電力品質の維持や機器の適切な運用に重要となります。

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02

高調波に関する正誤問題です。電源の高調波は基本波を歪ませ、機器に損傷を与えることがあるので、これを低減する様々な対策が取られています。

選択肢1. 電力系統の電圧、電流に含まれる高調波は、第5次、第7次などの比較的周波数の低い成分が大半である。

この記述は正しいです。これは、周波数の高い高調波は、もともと発生しにくいことと、もし発生しても伝搬の過程で減衰してしまうためです。

選択肢2. インバータは高調波の発生源にならない。

この記述は誤りです。インバータは直流を交流に変換するものです。入力が交流の場合は、まずこれを直流に変換します。インバータはその処理の過程でパルス信号を発生し、この信号には多くの高周波が含まれるため、高調波の発生源になりやすいです。

選択肢3. 高圧進相コンデンサには高調波対策として、直列リアクトルを設置することが望ましい。

この記述は正しいです。進相コンデンサは電流の位相を遅らせて負荷の力率を改善するものですが、電源側のインダクタンスと共振回路を構成して、高調波を増大させる欠点があります。直列リアクトルは、高調波に対して、進相コンデンサの容量性リアクタンスを打ち消すように働くので、これを防ぐことができます。

選択肢4. 高調波は、電動機に過熱などの影響を与えることがある。

この記述は正しいです。電動機に対しては、高調波の大部分は損失となり、熱エネルギーに変換されます。

まとめ

高周波について、本問の内容をまとめておきます。


1. インバータは高調波の発生源となる。
2. 高調波は比較的周波数の低い成分が大半である。
3. 高調波は電動機の過熱の原因となる。
4. 直列リアクトルは高調波対策として設置される。

参考になった数1

03

高調波とは、非正弦波交流が周波数が最も低い正弦波とその整数倍の周波数をもった多数の正弦波から構成されたものです。

その特徴を問いています。

選択肢1. 電力系統の電圧、電流に含まれる高調波は、第5次、第7次などの比較的周波数の低い成分が大半である。

誤:電力系統の電圧、電流に含まれる高調波は比較的周波数が低い成分でできています。

特に第5次、第7次は危険視されています。

選択肢2. インバータは高調波の発生源にならない。

正:インバータは、増幅器の一種であり、直流電力を交流電力に変換するものです。

そのため、高調波が出やすくなります。

選択肢3. 高圧進相コンデンサには高調波対策として、直列リアクトルを設置することが望ましい。

真相コンデンサや変圧器が過負荷状態になり発熱して破損する危険性があります。

そのために高調波抑制のために直列リアクタンスでLCフィルタを形成して対応します。

選択肢4. 高調波は、電動機に過熱などの影響を与えることがある。

誤:高調波は、電動機を過熱させる危険性があります。

本来の周波数の何倍ものエネルギーが干渉することになります。

そのことで過剰分が熱として発散されます。

まとめ

高調波という聞きなれない言語が出てきましたが、意味を理解すればそれほど難しいことではないと思います。

対策法を理解して、いざというときに役立てていきましょう。

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