第一種電気工事士 過去問
令和5年度(2023年) 午前
問34 (一般問題 問34)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第一種電気工事士試験 令和5年度(2023年) 午前 問34(一般問題 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

図は、自家用電気工作物構内の受電設備を表した図である。この図に関する各問いには、4通りの答えが書いてある。それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

⑤に示す高圧進相コンデンサ設備は、自動力率調整装置によって自動的に力率調整を行うものである。この設備に関する記述として不適切なものは。
問題文の画像
  • 負荷の力率変動に対してできるだけ最適な調整を行うよう、コンデンサは異容量の2群構成とした。
  • 開閉装置は、開閉能力に優れ自動で開閉できる、高圧交流真空電磁接触器を使用した。
  • 進相コンデンサの一次側には、限流ヒューズを設けた。
  • 進相コンデンサに、コンデンサリアクタンスの5%の直列リアクトルを設けた。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

問題の回路図では、⑤の前段にPC(Primary Cutout Switch、高圧カットアウトスイッチ) が設けられています。これは、進相回路に異常が発生したときに、この回路を主回路から切り離すようにするためです。PCには通常、PF(Power Fuse、限流ヒューズ) が並置して設けられ、スイッチと相補的に働くようにしています。また、 ⑤には2系統のコンデンサ回路が並列に設けられています。このコンデンサ回路は自動力率調整装置によって、負荷の力率が一定の範囲になるように切り替えられるものです。さらに、このコンデンサ回路には、それぞれのコンデンサと直列にSR(Series Reactor、直列リアクトル) が接続されています。

選択肢1. 負荷の力率変動に対してできるだけ最適な調整を行うよう、コンデンサは異容量の2群構成とした。

正しいです。

選択肢2. 開閉装置は、開閉能力に優れ自動で開閉できる、高圧交流真空電磁接触器を使用した。

正しいです。

選択肢3. 進相コンデンサの一次側には、限流ヒューズを設けた。

正しいです。

選択肢4. 進相コンデンサに、コンデンサリアクタンスの5%の直列リアクトルを設けた。

直列リアクトルを設けることについては正しいです。しかし、そのリアクタンスは通常コンデンサの6%であり、5%という値は少し小さすぎます。この6%という値は、電源周波数の第5高調波に対して、進相コンデンサ回路が十分誘導性となるように設定されているものです。

まとめ

一般に受電設備の負荷は全体として誘導性であり、電流は電圧より位相が遅れています。進相コンデンサは、位相の進んだ電流を流して、受電設備全体の力率を改善するものですが、これと並列に存在する電源側の誘導性リアクタンスと合わせて、共振回路を構成してしまいます。そのため、回路に電源周波数の高調波が存在すると、それが増幅されて電源側に流れるという問題があります。直列リアクトルは、高調波に対して、共振の影響を軽減するために挿入され、その値は、コンデンサの容量に応じて、適切に設定されます。

参考になった数0