第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問28 (一般問題 問28)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問28(一般問題 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

小規模発電設備である太陽電池発電設備の記述として、誤っているものは。
  • ケーブル工事で施工した。
  • 太陽電池発電設備に至る回路に漏電遮断器を施設する場合、遮断器が切りの状態で負荷側に電圧がかかっても故障するおそれのない逆接続可能型を設置した。
  • 太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設する機械器具であって、使用電圧が450Vの機械器具の金属製外箱に施す接地工事は、C種接地工事とし、その接地抵抗を120Ωで施設した。
  • 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には、その接続点に近接して開閉器を設けた。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、太陽電池発電設備に関する技術基準についての理解を問うものです。
選択肢の中から誤ったものを指摘する知識が求められます。

 

選択肢1. ケーブル工事で施工した。

この選択肢は、正解です。

太陽電池発電設備では、電気配線にケーブル工事を用いるのは一般的であり、施工方法として適切です。

選択肢2. 太陽電池発電設備に至る回路に漏電遮断器を施設する場合、遮断器が切りの状態で負荷側に電圧がかかっても故障するおそれのない逆接続可能型を設置した。

この選択肢は、正解です。

太陽電池は電源が一方向だけでなく、発電側(太陽光パネル)からも電圧がかかる可能性があります。

 

したがって、逆接続に対応した遮断器を設置する必要があり、この記述は正しいです。

選択肢3. 太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設する機械器具であって、使用電圧が450Vの機械器具の金属製外箱に施す接地工事は、C種接地工事とし、その接地抵抗を120Ωで施設した。

この選択肢は、不正解です。

C種接地工事の基準は以下に示すように:

使用電圧300Vを超える場合は、接地抵抗を10Ω以下にしなければなりません。

 

この選択肢では使用電圧450Vなのに、接地抵抗120Ωとなっており、基準を満たしていません。

 

したがって、この記述は誤りです。

選択肢4. 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には、その接続点に近接して開閉器を設けた。

この選択肢は、正解です。


点検や保守、安全確保の観点から、負荷側電路の接続点付近に開閉器を設けるのは必要な措置です。

 

法令や技術基準にも合致しています。

まとめ

この問題を解くにあたり必要な注意事項をまとめると以下のようになります。

C種接地工事の接地抵抗基準は以下のように定義されています:
  電圧300V以下のときは:100Ω以下となります。
  電圧300V超:10Ω以下となります。

太陽電池設備の特徴は以下のように定義されています:
  発電側からの電圧に備え、逆接続対応の遮断器や保護装置が必要となります。

安全のための開閉器設置については以下のように定義されています。:
 保守・点検時に必要との考え方が一般的です。

 

 

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02

この問題では、小規模発電設備に関連する太陽光発電システムの設置方法について、誤った記述を選ぶことが求められています。太陽光発電システムを設置する際は、規格に従い、安全で効率的な施工方法を守ることが大切です。

選択肢1. ケーブル工事で施工した。

この記述は正しいです。太陽光発電システムの設置において、ケーブル工事を通じて配線を行うことは基本的な設置方法です。適切に施工することが求められます。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. 太陽電池発電設備に至る回路に漏電遮断器を施設する場合、遮断器が切りの状態で負荷側に電圧がかかっても故障するおそれのない逆接続可能型を設置した。

この記述は正しいです。太陽光発電システムでは、直流回路の過電流を防止するための装置を設置することが義務付けられています。これにより、システムが安全に運用されることを保証します。
この選択肢は不正解です。

選択肢3. 太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設する機械器具であって、使用電圧が450Vの機械器具の金属製外箱に施す接地工事は、C種接地工事とし、その接地抵抗を120Ωで施設した。

この記述は誤りです。太陽光発電モジュールに接続する高電圧配線には、適切な機器を使用することが求められます。特に、接続部分の抵抗値や施工品質には厳しい基準があります。120Ωという設定は不適切で、接続部分で適切な抵抗や配線が必要です。
この選択肢は正解です。

選択肢4. 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には、その接続点に近接して開閉器を設けた。

この記述は正しいです。太陽光発電システムでは、低電圧回路には使用条件に応じた適切な機器を設置することが求められます。適切な設置方法が重要です。
この選択肢は不正解です。

まとめ

この問題では、太陽光発電システムの設置に関する不適切な記述を選ぶことが求められました。設置作業では、適切な機器を使用し、基準に従って施工することが大切です。特に、高電圧配線や接続部分では、厳格な基準を守り、適切な抵抗値や施工品質を確保することが求められます。施工中に不適切な設定があると、後のトラブルや故障を引き起こす可能性があるため、十分な注意が必要です。

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03

太陽電池発電設備の施設に関して適不適を判断する問題です。

 

電気設備の技術基準の解釈(20241004保局第1号、以下、電技解釈)は、第5章において、電気使用場所の施設及び小規模発電設備について規定しています。そのうち、第200条第2項は、太陽電池発電設備の施設に関する規則を定めています。また、接地については、第17条 (接地工事の種類及び施設方法) と第29条(機械器具の金属製外箱等の接地) に関連する規定があります。

選択肢1. ケーブル工事で施工した。

適切な処置です。電技解釈第200条第2項は、太陽電池発電設備の施工に使用する電線について、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事により施設するか、または、ケーブル工事により施設することと定めています。したがって、ケーブル工事で施工することに問題はありません。

選択肢2. 太陽電池発電設備に至る回路に漏電遮断器を施設する場合、遮断器が切りの状態で負荷側に電圧がかかっても故障するおそれのない逆接続可能型を設置した。

適切な処置です。電技解釈第200条第2項は、

 

太陽電池モジュールを並列に接続する電路には、その電路に短絡を生じた場合に電路を保護する過電流遮断器その他の器具を施設すること

 

としています。逆接続可能型は、電源側と負荷側が逆になった場合でも動作する遮断器です。

選択肢3. 太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設する機械器具であって、使用電圧が450Vの機械器具の金属製外箱に施す接地工事は、C種接地工事とし、その接地抵抗を120Ωで施設した。

不適切な処置です。電技解釈第17条はC種接地工事の接地抵抗を10Ω以下としており、120Ωの接地抵抗はこれを満たしません。金属製外箱にC種接地工事を施すこと自体は適切です。電技解釈第29条は、

 

電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(金属製外箱等)には、使用電圧の区分に応じ、29-1 表に規定する接地工事を施すこと

 

とし、29-1 表によれば、300V超過の低圧の場合はC種接地工事が必要とされています。

選択肢4. 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には、その接続点に近接して開閉器を設けた。

適切な処置です。電技解釈第200条第2項は、

 

太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には、その接続点に近接して開閉器その他これに類する器具を施設すること

 

としています。

まとめ

太陽電池発電設備の施設に関して、本問の内容をまとめておきます。


1. 太陽電池モジュールを並列に接続する電路には、過電流遮断器その他の器具を施設する。
2. 太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には、開閉器その他これに類する器具を施設する。

3. 直流電路に施設する機械器具の金属製外箱には、使用電圧に応じた接地工事を施す。
4. 配線は、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、または、ケーブル工事により施設する。


接地工事の種別は、使用電圧が300V以下の低圧ではD種接地工事、300V超過の低圧ではC種接地工事です。接地抵抗の要件は、D種接地工事は100Ω以下、C種設置工事は10Ω以下です。

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